GENIX-CN70

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7月12日終値

7月12日 GENIX-CN70は3週連続で上昇し、先週に続き2週連続で指数算出以来の最高値を更新した。日本酸素、岩谷産業、栗本鉄工、前澤工業などが本年高値を更新した。
市況情報

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)7月分は、プロパンが6月分と同値の1㌧当たり580㌦、ブタンも6月分と同値の565㌦となった。

 原油市況はこのところ1バレル80㌦台で堅調に推移する一方、中国向けなどLPGの需要は落ち着いているもよう。米国プロパンガス市況も1㌧400㌦をはさんでのもみ合いが続いている。

 なお、中国に次ぐ世界第2位のLPG輸入国インドで総選挙が行われ、このほど与党の勝利が明らかになった。同党はLPG普及政策を強力に推進してきた経緯があり、LPGの国際需給に影響を与えうるとして選挙結果が注目されていた。

 (2024年7月1日配信)

【過去解説記事】

 14日東証 GENIX-CN70は前週末比0.94ポイント高の192.96と2週間ぶりに反発した。指数構成銘柄ではK&Oエナジーグループ、三菱重工業、伊藤忠が上場来高値を更新したほか、岩谷産業、関西電力、東邦ガスなど大手電力・ガス株も根強く物色された。

 K&Oエナジーの株価は今年大きく値上がりし、11日の上場来高値4230円は昨年末終値2041円から2倍を超える上昇になっている。同社は千葉県で天然ガス・ヨウ素を産出しており、ヨウ素が次世代太陽光(ペレブスカイト太陽電池)の材料となることから注目を浴びているようだ。

 経済産業省が5月29日、第1回「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」を開催したことも手掛かり材料になっている。同協議会では日本が先行するペレブスカイト太陽電池の普及促進を目指している。日本のヨウ素生産量は世界第2位であり、エネルギー安全保障の観点からも期待が大きい。また、今週は米国でスタートアップがペレブスカイト太陽電池の工場を新設するとの報道も関心を集めたようだ。さらに、同業の伊勢化学工業の株価が昨年末の8590円から、本日の最高値40500円まで実に4.7倍となる大相場を演じていることも刺激になっている。

(2024年6月14日配信)

 米国で天然ガス先物価格(ヘンリーハブ=HH)が上昇している。6月11日の期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり3.129ドルと、今年1月12日の3.313ドル以来、5カ月ぶりに3ドル大台に乗せた。2~3月には1.5ドル台の安値を付けていた。また1年前のこの時期は2ドル台半ばで推移していた。

 最近の市況動向についてJOGMEC調査部白川裕調査役は、「市況低迷時に掘削井が絞られた影響で、ガス生産量がジワリ減少している。そこに米国南部を中心とした記録的な猛暑による発電用ガス需要増が加わった」と指摘する。また、当面の値動きについては、「ガス発電用の需要は既に限界に達しているため、先物価格がこの先もさらに大きく値上がりする展開は想定しにくい」としている。

(2024年6月13日配信)

 6月7日東証 この週の東証株価は高値圏で伸び悩み、7日の東証株価指数(TOPIX)終値は前週末比0.6%値下がりした。GENIX-CN70も上値が重く2週間ぶりに反落し、前週末比1.9%の下落となった。

 GENIX-CN70構成銘柄の足取りは総じて重いが、その中で異彩を放つ逆行高を演じたのがデンヨーだ。同社は量産型燃料電池式可搬形発電装置を開発するなど水素関連ビジネスを手掛けている。

 同社株価は2020年9月と同年11月に付けた2600円台の高値を一気に払い、2700円台半ばに到達した。約1カ月間で株価は2割を超える上昇となったが、業績は好調で株価指標面に割高感は乏しいと見られる。「チャート上の節目を突破してきたことで、目先妙味が膨らんでいる。また同社は可搬型、非常用発電機を手掛けており、梅雨入りを前に防災関連の切り口にも関心が向いている」(市場関係者)。日本ではゲリラ豪雨が頻発化しているが、同社が強みとする北米ではこの時期ハリケーンの多発が警戒されている。シーズン性を発揮する場面も期待されているようだ。

(2024年6月7日配信)

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)6月分は、プロパンが1トン当たり580ドルと前月分と同値だった。ブタンは前月比20ドル値下がり(下落率3・42%)して565ドルとなった。ブタンは3カ月連続で下落した。

 先週の米国プロパンスポット市況(MB)はトン当たり400ドル前後で推移。原油先物市況(WTI)は足元の堅調な在庫状況や長期金利の高止まりなどを受けて、1バレル70ドル台後半では上値が重くなっている。

(2024年6月3日配信)

 5月31日東証 GENIX-CN70は3週間ぶりに最高値を更新した。次世代太陽光発電(ペレブスカイト)関連として注目されるK&Oエネジーが一時未踏の4000円台に乗せたほか、栗本鉄工は18年ぶりの5000円台、川崎重工は9年ぶりの6000円台、ENEOSは6年ぶりの800円台となるなど大台替わりが相次いだ。北海道電力、九州電力などの電力株や、商社、海運株なども根強く物色されている。

 三浦工業が急伸し、およそ3カ月ぶりに本年高値を更新した。同社は5月30日、ダイキンと業務資本提携すると発表。工場向けに空調や蒸気ボイラ、水処理システムなど熱・空気・水に関するトータルソリューションをワンストップで提案する。それぞれの強みを生かして工場のカーボンニュートラル化のニーズに応える。三浦工業は国内の工場に、ダイキンは海外に強固なネットワークを有しており、市場はメリットを発揮しやすい組み合わせと受け止めているようだ。また、ダイキンは三浦工業の発行済み株式4.67%を三浦工業の自社株から購入する。三浦工業はその売却代金でダイキン子会社の株式49%を取得する。株式価値の希薄化や当面の株式需給悪化を招かない資本提携スキームも好感されたようだ。関連記事(https://www.gas-enenews.co.jp/gijutsu-shinseihin-hoan/40495/

(2024年5月31日)

 米国の天然ガス市況が上昇している。ヘンリーハブ(HH)先物期近価格は5月23日、百万BTU(英国熱量単位)当たり一時2.9ドル台に上昇した。3ドルは今年1月以来となる高値水準。「米国ガス市況は2~3月に1ドル台半ばまで大きく下げた経緯があり、その際に生産リグの稼働台数が削減された。その影響がここにきて出始めている」(JOGMEC調査部白川裕調査役)という。また、米国南部を中心にこの夏の気温が高めになるとの予報や、米フリーポートLNG輸出プロジェクトが本格生産に復帰したことなども材料視されているという。

(2024年5月24日配信)

 5月17日 GENIX-CN70は前週末比2.35ポイント安の192.12と4週ぶりに下落した。総じて利益確定売りに押される展開となったが、その中で13日に決算を発表した岩谷産業、14日に決算・大規模な自社株買いを発表したENEOSの株価が急伸した。どちらも一時本年高値を更新するなど人気付いた。

 岩谷産業の決算について市場関係者は、「前期実績も今期予想も2桁増益の好決算。ただ今期の配当金予想額が据え置かれたため、株価は急伸後伸び悩んだが、持分法対象のコスモエネルギーの寄与分も見込め、今後増配期待から見直される可能性がある」とする。

 ENEOSの自社株買いは上限が発行済み株式総数の2割強におよぶ大規模なもので、市場にサプライズを与えた。「経営陣の資本効率・株主還元への意識の高さを感じる内容。大型投資がなく、JX金属がIPOに向けて資産売却を進める中、財務体質が良好になっていることが背景にある」(大手証券アナリスト)と見ている。

(2024年5月17日)

 GENIX-CN70は10日、前週末比2.33ポイント高い194.47ポイントと3週連続で値上がりし、前週に続いて過去最高値を更新した。

 指数構成銘柄では大阪ガス、北海道ガスなどが過去20年来の高値を更新。大阪ガスは8日発表の自社株買いが好感されている。「3月発表の中期計画で株主資本配当率に基づく増配方針が打ち出されたばかりの株主還元策で、サプライズとして受け止められた」(アナリスト)。北海道ガスは4月30日発表の株式分割(1対5)や今期実質増配を手掛かりに人気化している。PBRは0.8倍台に上昇し、課題の1倍割れ解消が現実味を帯びてきた。

 岩谷産業も急伸し、4月に付けた最高値9311円を射程に捉えてきた。同社の3月期決算は5月13日午後2時半に発表予定だが、同社がさきごろ筆頭株主となったコスモエネルギーホールディングスが昨日決算発表を行い、堅調な業績と自社株買い、年間300円配当を維持する方針が明らかになった。コスモエネの株価は本日、一気に高値を更新、岩谷産業の株価支援材料になっている。

(2024年5月10日配信)

  中東産LPG日本向け長期契約価格(サウジCP)5月分は、プロパンが1㌧当たり580ドルと前月比35ドル下落した(下落率5・69%)。値下がりは4月分に続いて2カ月連続。

  ブタンは前月比35ドル値下がりして(下落率5・65%)1トン当たり585ドルとなった。ブタンも2カ月連続で下落した。

(2024年4月26日配信)

 中国税関が18日に発表した3月のLNG輸入量は前年同月比24・1%増の665万㌧となり、3月としては2021年の564万㌧を上回り3年ぶりに過去最高を更新した。1~3月の累計輸入量は同20・4%増の1985万㌧と、年間輸入量が過去最高だった21年同期を0・8%上回った。

 今年第1四半期の国内総生産は5・5%増と昨年第4四半期の5・2%増を上回った。輸出産業を中心に二酸化炭素排出削減のためのガスシフトも進んでいる。同期間のLNGスポット市況が前年同期を4割下回るなど割高感が薄れたことも需要喚起につながったようだ。今後の見通しについてエネルギー・金属鉱物資源機構調査部竹原美佳部長は、「国際市況はこのところ上昇に転じており、LNGスポット調達は目先一服しそうだが、地方政府のガス火力建設推進や船舶燃料のグリーン転換などもありガス需要そのものは高まる方向」としている。

(2024年4月18日配信)

 東証4月12日 東京ガスの株価が一時前日比54円高の3899円と前日に続いて上場来高値を更新した。同社株は今週に入って騰勢を強め、年初からの株価上昇率は20%に達した。3月中旬、大阪ガスの時価総額が一時、東京ガスを逆転したが、東京ガスが再び首位に立ちリードを広げている。4月19日に全国知事会が東京ガス横浜ステーションを視察し、e‐メタン製造実証の説明を受ける予定となっている。カーボンニュートラルに向けた同社の技術力に注目が集まりそうだ。株価上昇により、株価純資産倍率(PBR)は0.94倍へと上昇。1倍乗せが視野に入ってきた。

 都市ガス株では、北海道ガスの株価も上昇基調にあり、この日も前日マークした上場来高値2960円まで一時買い進まれる場面があった。年初からの上昇率は34%に達するが、同社株のPBRはいまだ0.7倍台にとどまり、依然割安感が漂う。北海道では半導体工場の新設で電力消費の大幅な伸びが予想され、北海道電力の株価もこのところ大幅に上昇している。

(2024年4月12日配信)

 4月3日 米原油先物(WTI)は前日比28セント高の85.43ドルと3日続伸、本年の高値を更新した。ウクライナによるロシア主要製油所への無人機攻撃や、イラン大統領によるイスラエルへの報復表明など地政学的リスクの高まりが背景にある。また週間統計で米国原油在庫が前年同期比18.5%減と減少が目立ったことも材料視されている。

 注目されたOPECプラス合同閣僚監視委員会は、生産目標維持を決定。また、米連邦準備理事会パウエル議長は講演で利下げを急がない姿勢を示したとされる。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部・芥田知至主任研究員は、「中東、ウクライナ情勢は今後一段と動向が注視される。また、米金融政策、中国当局による経済運営、産油国の生産方針なども引き続き注目される。ただ、米中の景気は石油需要を上振れさせるほどには強くないとみられ、相場の上昇傾向を決定づける材料は出にくいと思われる。相場は再び一進一退の推移となりやすい」と指摘。もっとも、今年後半にかけて米利下げを受けてドル安が進む展開となれば、ドル建ての原油価格には割安感が生じ上昇圧力がかかりやすくなるとし、今年度は1バレル95ドル程度の上値が見込めるとしている。

(2024年4月4日配信)

 GENIX-CN70は年度内最終売買日となった3月29日、前週末比0.55ポイント上昇し189.41と、2週続けて最高値を更新した。3月末割り当てで1対10の大幅な株式分割を実施した三菱重工業は権利落ち後も堅調で、修正株価は連日の最高値となった。GENIX-CN70構成銘柄では他に理研計器が1対2、川崎汽船が1対3の株式分割を3月末割り当てで実施した。

 岩谷産業の株価が3連騰で、連日の上場来高値更新。3月28日にコスモエネHD株式を追加取得し、持ち分法適用会社にしたと発表したことが材料視されている。コスモエネの今期純利益予想は780億円、岩谷産業は335億円。持ち分比率2割相当の利益が来期以降、上乗せされるインパクトの大きさが期待されているようだ。また、会社側は本件株式取得に要する資金を借り入れで賄うとしており、「増資による一株当たり利益の希薄化が回避される見通しになったことも好感されている」(国内証券調査部)という。

(2024年3月29日配信)

 米国3月26日、米パイプラインガス(ヘンリーハブ=HH)先物価格が終値で5日続落し、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.575ドルに下落。2月20日に付けた本年安値1.576ドルを1カ月ぶりに割り込んだ。ザラ場安値は1.4㌦台まであった。

 米エネルギー情報局(EIA)が3月21日に発表した週間データによると、米国の地下ガス在庫量は3月15日時点で前年比21%増、過去5年間の平均値に対しては41%上回っている。エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役は、「気温が上がり需要が低下して、在庫がさらに積み上がったことと、生産がすぐには低下しないことが主要因」と指摘する。こうした在庫の荷余り感が先物市況の上値を重くしているようだ。

 HH先物価格の過去15年間の値動きを振り返ると、期近先物価格が1ドル台まで下落した年は2012年、16年、20年の3回あり、当該年の安値形成月はそれぞれ、4月(1.9ドル)、3月(1.6ドル)、6月(1.4ドル)となっている。春に安値を付ける習性と、この間の価格水準が切り下がる傾向が見て取れる。

(2024年3月27日配信)

 3月22日、ガスエネ株価指数カーボンニュートラル70(GENIX‐CN70)は2週間ぶりに過去最高値を更新した。GENIX‐CN70構成銘柄はほぼ全面高となり、K&Oエナジー、三菱重工、岩谷産業、大阪ガスなどが最高値を更新した。

 なお、三菱重工(1株→10株)、理研計器(1株→2株)、川崎汽船(1株→3株)は3月28日付で株式分割の権利を落とす。株式分割のメリットとしては、単位投資額の引き下げによる投資家層のすそ野拡大、流動性の向上などが指摘される。昨年以降で、株式分割を実施したリンナイ、NTT、三菱商事、京セラは、権利落ち後も堅調な値動きを保っている。

(2024年3月22日配信)

 3月15日 ENEOSHD(GENIX―CN70構成銘柄)の株価が朝方から買い進まれ、5年3カ月ぶりに700円台に乗せてきた。他にもINPEXや石油資源開発、コスモエネルギーHDなどの石油関連株、資源高が利益に結び付く商社株も軒並み値上がりしている。コスモエネルギーは国内大手証券が投資格付けを引き上げたことも好感され、株価は上場来高値を更新した。

 株式市場は、米原油先物(WTI)が14日、期近4月渡し終値で1バレル81.26ドルと続伸し、昨年11月6日の80.82ドル以来の80ドル台乗せとなったことを材料視しているようだ。国際エネルギー機関(IEA)が同日公表した市場レポートでは、今年の石油需給は供給不足になるとの予測が示されている。産油国の自主減産延長による供給減や、紅海におけるタンカー襲撃で海上輸送距離が延びておりバンカー燃料の需要増加を織り込んだという。もっとも原油市況は過去1年余りにわたって、おおむね70ドルから80ドルのレンジで推移しており、80ドル台では上値の重さも意識されそうだ。

(2024年3月15日配信)

 3月8日 大阪ガス(GENIX CN‐70構成銘柄)の株価が前日比153円高の3350円で寄り付き、直後に230円高の3427円まで上昇。1月11日に付けた上場来高値3242円を一気に更新した。同社は7日、3カ年中期経営計画を策定し、配当を原則減配せず維持または増配する累進配当制度を導入すると発表し、好感された。

 2024年3月期の配当金は前期比12円50銭増配して72円50銭(従来予想65円)に、25年3月期は95円を目指す方針も示した。株主資本配当率を3%とする方針を掲げ、機動的な自己株取得も検討するとした。この他、自己資本利益率(ROE)の目標は26年度に8%程度、投下資本利益率(ROIC)は5%程度を目指す。「株価を意識した経営姿勢に変化していると株式市場が受け止めており、都市ガス株の中でも相対的な値上がりが目立ってきている」(中堅証券)という。この日前場終値での時価総額は、大阪ガスが1.43兆円、東京ガスは1.41兆円となり、大阪ガスが東京ガスを逆転した。

(2024年3月8日配信)

 2月22日 東証では朝方から買いが先行し、日経平均株価は大幅に反発した。終値は初の3万9000円台で、1989年12月以来の史上最高値更新となった。注目された米エヌビディアの決算が市場関係者の事前予想を上回り、3連休控えにもかかわらず、マーケットのセンチメントは強気に傾いた。半導体関連株をリード役に、主力株を中心に幅広く買い進まれた。

 GENIX‐CN70構成銘柄も軒並み上伸した。三菱重工業が上場来高値を更新し、日本酸素HD、川崎汽船は最高値をうかがう動き。原油市況の上昇を背景に石油資源開発など石油関連株も値上がりした。

(2024年2月22日配信)

 米国パイプラインガス市場価格(ヘンリーハブ先物)が2月15日、8日連続安となり、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.5㌦台まで下落、2020年6月以来の安値水準となった。在庫の積み上がりが背景にあるという。

 エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80㌦弱と堅調なことから、パーミアン盆地を中心にシェールオイルの生産が盛んで、随伴ガスの生産量も増えている。気温が高めに推移していることもあり、地下在庫は過去5年間の最高水準に到達している」と指摘。

 先物市場の中心商いが春の需要閑散期に移りつつあることから、市況は当面弱含みで推移しそうだ。
(2024年2月16日配信)

2月12日 米国で天然ガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格=HH)が5日続落し、期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり1.768ドルに下落した。1.7ドル台は2020年7月以来の安値となる。市中在庫が高水準にあり、市場のセンチメントを圧迫している。

HHは昨年11月以降、3ドルを割り込むなど市況の低迷が続いているが、生産量が落ち込む兆しはいまだ見えないという。エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80ドル弱と堅調に推移していることから、オイルリッチなパーミアン盆地を中心に油狙いの生産が盛んになっている。このため副産物であるガスの生産も増加している」と指摘する。

(2024年2月13日配信)

米国市場でガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格)が続落している。7日に心理的な下値めどと見られていた百万BTU(英国熱量単位)当たり2ドルを割り込むと、8日終値は一段安となり1.917ドルまで下落した。およそ3年5カ月ぶりの安値水準となる。

市況下落の背景には、マーケットの荷余り感があるようだ。「このところの気温上昇で暖房用需要が低下しており、地下在庫量は過去5年間の上限レベルに到達している。当面は上値の重い展開が続きそうだ」(エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役)。

ヘンリーハブ価格の下落に伴い、米国産LNGの輸出価格も低下しており、現状は世界の主要輸出国の中でも最も安価な水準となっている。

(2024年2月9日配信)

2月6日 東証後場 三菱重工業の株価が昨日の1万円初登頂に続いて一段高となった。この日午後、同社は3月末割り当てで株式1株を10株に分割すると発表。合わせて発表された今2024年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比11%増、純利益は同倍増となるなど好調ぶりが明らかになった。通期の受注見通しを6兆円とし、従来予想に4000億円上積みした。これら大幅な株式分割と好調な業績動向が素直に好感され、買いが買いを呼ぶ好循環となっている。

同社株は1年前の2月には5000円前後で推移しており、そこから株価水準はちょうど2倍になっている。

(2024年2月6日配信)

1月31日 サウジアラムコがこのほど日本のLPガス輸入事業者に通知したプロパン2月分出荷価格(サウジ2月CP)は、前月比10ドル値上がりして630ドルとなった。値上がりは昨年8月分(470ドル)以降、12月分の変わらずを挟んで8カ月連続。

LPガス市況に影響する原油市況が、12月初旬を底に水準を切り上げているほか、世界最大のLPガス輸出国である米国において、プロパン在庫の取り崩しが進み、市況が上昇したことが背景にある。米国ではLPガスの一大輸出地域であるメキシコ湾で濃霧が観測されており、輸出作業への影響も警戒されたという。サウジCP2月ブタンも、前月比10ドル値上がりして640ドルとなった。

(2024年2月1日配信)

1月26日GENIX-CN70は前週比0.64ポイント値上がりして169.36ポイントとなった。7週間連続の上昇で、3週続けて統計開始来の最高値を更新した。一方、東証株式市場全体としては、このところの上げピッチの速さから利食いが広がり、東証株価指数(TOPIX)は7週ぶりに値下がりした。

GENIX-CN70の構成銘柄で値上がりが目立ったのは、25日に2023年12月期決算を発表したHIOKI。24年12月期も増収増益を見込み、配当金を年200円に連続増配する方針が好感されたようだ。

このほか、三菱重工業、三菱化工機が高値圏で頑強な値動き。SMBC日興証券が目標株価を引き上げたウエストホールディングスも下値を切り上げている。

(2024年1月26日配信)

 欧州パイプラインガス先物価格が17日、百万BTU(英国熱量単位)当たり8ドル台まで下落し、昨年8月以来の安値水準となった。北東アジアLNGスポット価格も続落しており、17日は昨年6月以来の9ドル台を付けている。先物の決済期日が2月から3月に移り冬場の需要期を過ぎることで、足取りが弱くなっている。昨年の安値は欧州ガス先物価格が7ドル台、スポットLNGは8ドル台だった。

 当面の市況動向についてエネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は、「カタールから欧州にLNGが年間1500万トン供給されており、スエズ運河の通航リスクが警戒されているものの、それでも欧州の在庫水準が依然として高いため、中東からの輸送に支障が生じても当面の供給は何とかなると見られている。昨年10月から輸出を再開したエジプトLNGもまだ量は少ないとはいえ心理的な支えになっている。不需要期の相場は数年前なら3~4ドルもありえたが、安価になったスポットLNGを中国が仕込む動きも見られるため、今回はそこまで下がらないだろう」とする。また、「足元のスポット需要は弱いが、供給力に余裕があるほどの状況でもない。幸いにして供給設備のトラブルは昨年から起きていないが、いつ起きても不思議はない。先行きを楽観視するわけにはいかない」と指摘する。

(2024年1月18日配信)

東京株式市場は年末・年始と値上がり基調を強めており、GENIX-CN70も12月15日から1月12日終値まで5週連続で上昇した。1月12日の終値は167.67ポイントとなり、昨年9月15日にマークした指数算出以来の最高値165.83ポイントを4カ月ぶりに更新した。

GENIX-CN70構成銘柄では、商社株の値上がりが目立ち、伊藤忠商事、住友商事が最高値を更新。海運株も高値圏でしっかり。個別銘柄では、三菱重工業、愛知時計電機が最高値を付けた。本日午前、2024年8月期第1四半期決算を発表し、大幅な増収増益が確認されたウエストホールディングスが急伸した。

(2024年1月12日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)1月分は、プロパンが前月比10㌦高い1トン620㌦。ブタンも同じく10㌦値上がりして630㌦となった。小幅高ながら、極東マーケットは足元で強弱感が交錯しており、先行きの方向感は乏しい状況。米国のプロパンスポット市況(モントベルビュー)は12月分が1トン357㌦と、前月から約25㌦値上がりした。依然として近年の安値圏での値動きではあるが、市中の在庫水準は過去5年平均並みまで減少しており、底堅さも見られる。

(2024年1月10日配信)

1月5日 2024年の年明けの東京株式市場は、能登半島地震を受けて4日の大発会は売り物先行でスタートしたが、新NISA開始に伴う投資資金流入などによる先高期待から押し目買いが優勢となり、結局、東証株価指数(TOPIX)は4日、5日と続伸した。

GENIX-CN70も12月最終週に続いて上昇し、5日終値は164ポイントと、5週ぶりに160ポイント台を回復。昨年9月15日にマークした最高値165.83に急接近した。指数構成銘柄では、大阪ガスが大幅高となり、5日に一時3111円まで上昇。12月13日に付けた最高値3077円を上回った。4日以降終値ベースでも初めてとなる3000円台を維持している。このほかでは、海運株が人気を集めており、日本郵船、商船三井が最高値を更新した。

(2024年1月5日配信)

12月29日 東京証券取引所最終売買日(大納会)は、今年1年の相場を象徴するような堅調な展開だった。その中でGENIX-CN70は前週に続いて上昇し、3週連続高で今年を締めくくった。GENIX-CN70の年間騰落率はプラス25%となり、東証株価指数の上昇率と互角の好成績だった。

GENIX-CN70構成銘柄の中で値上がりが目立ったのは、川崎汽船、日本酸素、栗本鉄工、愛知時計電機、関電工など。一方、不調だったのは、イーレックス、レノバ、テスHD、ウエストHDなどだった。なお12月末割り当てで、京セラが1株を4株、三菱商事は1株を3株に株式分割した。GENIX-CN70もこれに合わせて、株式分割の影響を考慮した修正株価指数を算出している。

(2023年12月29日配信)

12月22日 GENIX-CN70は前週に続いて上伸した。全般は高安まちまちだが、値がさ株の海運3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)がそろって本年高値を更新し、CN70を押し上げた。また、工場新設で恩恵を受ける理研計器が12月20日上場来高値を更新した。

海運株が動意付いたのは先週末。紅海で武装組織による商業船への攻撃が相次いだことで、海運会社がスエズ運河の航行を見合わせ、迂回経路による輸送距離の延長などで海運市況が上昇するとの思惑が働いた格好。海運株はコロナ禍前後の市況高騰局面で株価が5倍以上に跳ね上がっており、その記憶がまだ新しいだけに思惑が先行しやすいようだ。

(2023年12月22日配信)

12月15日 GENIX-CN70は3週ぶりに反発した。指数構成銘柄では、理研計器の株価が13日に上場来高値を更新。大阪ガスも同日最高値を更新し、未踏の3000円台に一時到達した。

岩谷産業の株価はコスモエネルギーホールディングスの筆頭株主になると発表した12月1日以降、大きく値下がりしたが、15日終値は7日ぶりにプラスに転じた。

14日に一時5996円まで下げ、4月初旬以来8カ月ぶりとなる6000円大台割れを見たことで、値ごろ妙味が台頭したようだ。9月高値からこの安値までの下落率は26%に達し、一株当たり純資産5249円も意識される水準となっていた。チャート面から当面の戻りめどを探ると、25日移動平均線の6866円、9月高値から直近安値までの下げ幅の半値戻し6770円など、6800円あたりが意識されそうだ。

(2023年12月15日配信)

12月13日 GENIX-CN70構成銘柄の大阪ガスが4日続伸し、一時3077円の高値を付けた。3000円台に乗せたのは上場来初。12日大引け後に、日本経済新聞が「伊藤忠と大阪ガス、世界最大級の水素生産に最大4割出資」と報じ、これを材料視する買い注文が朝方から集まった。

株価は11月初旬、自社株買いの発表を契機に大きく上放たれ、過去16年来の上値抵抗線となっていた2600円前後の節を突き抜けてきた直後とあって、しこり感のないチャート妙味も好感されているようだ。

12日に発表された欧州の水素企業Everfuelのニュースリリース

(2023年12月13日配信)

12月8日 GENIX-CN70は前週に続いて下落した。急速な円高進行や世界的な景気減速懸念を受けて、東京株式市場はこの日、ほぼ全面安となった。GENIX-CN70構成銘柄にも利益確定の売りが先行した。中でも、原油先物市況の下落を受けて、石油、造船、商社、海運株などが大きく値を下げた。

12月1日引け後にコスモエネルギーホールディングス株式大量取得を発表した岩谷産業は、週明け4日から株価が大きく下げ、発表前の終値7141円から8日安値6388円まで5日間で10%を超える下げとなった。9月の本年高値8040円からの下落率は20%に達している。アナリストからは「コスモエネ株取得に1千億円を超える大金を投じることについて、どのようなリターンを見込んでいるのか、できる限り定量的な説明が欲しい。株価の下げは合理的な反応。投資家は追加情報を待っている」との声が聞かれる。コスモエネ株が取得価格を割り込んでいることも嫌気されているようだ。

(2023年12月8日配信)

米原油先物価格(WTI)は12月6日、前日比2.94ドル安の69.38ドルと5日連続で値下がりした。節目と見られた1バレル70ドル台を5カ月ぶりに割り込んだ。9月に付けた本年高値93.68ドルからの下落率は26%に拡大するなど下値を模索する動きとなっている。

注目された11月30日のOPECプラス会合は、各国から自主減産(来年1~3月期に日量約220万バレル)が発表されたものの、想定の範囲内と受け止められたようで、相場の下落基調を反転させるには至らなかった。

相場が弱含んでいるのは、世界的な景況悪化に伴う需要減少への警戒があると見られる。「不動産不況が続く中国経済の停滞や、ここまでの利上げで減速が見込まれる米国景気などを考慮すると石油需要は伸び悩み、自主減産してもなお需給は引き締まらないのではないか」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部芥田知至シニアアナリスト)との指摘がある。当面は今週末発表される米雇用統計をはじめ、主要な経済指標を横目にみながら神経質な値動きが続きそうだ。

(2023年12月7日配信)

12月1日 岩谷産業(GENIX‐CN70構成銘柄)はこの日、コスモエネルギーホールディングスの株式を追加取得すると発表した。旧村上ファンド系と見られる既存株主から計約1740万株を1053億円で取得する。取得済みの持ち株と合わせた保有比率は19.93%となり、同社の筆頭株主になる。

1株当たりの取得価格は約6051円で、この日の東証終値5616円を約8%上回るが、価格の算定根拠については明らかにしていない。今後については、「より一層連携を深め、新たなシナジーを創出する」としているが、具体的な方向性はまだ示されていない。また、今3月期連結業績への影響については「精査中」としている。

サウジCP12月分は、前月と同価格の1バレル610ドル、ブタンも変わらずの620ドルとなった。

(2023年12月1日配信)

11月24日 東京証券取引所で三菱重工業(GENIX‐CN70構成銘柄)の株価が前日比529円高と大幅続伸し、およそ2カ月ぶりに8800円台まで水準を切り上げた。

同社は11月22日に防衛事業説明会を開催し、来年度からの3カ年は防衛力整備計画の大幅な拡充を受けて同社の事業規模は2倍以上になると発表した。過去長期にわたり同事業規模は5,000億円弱で推移していたが、来年度からの3カ年は1兆円規模になるとした。祝日をはさんでこの日は朝方から買いが先行、業績拡大への期待感を織り込む動きを見せた。株価が1万円に近づいていることから、株式分割を催促する値動きにも映る。

ガスエネルギー新聞が注目する同社のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも続いている。弊紙11月20日付では三菱重工エンジン&ターボチャージャの「水素混焼50%で安定燃焼、5700キロワット級ガスエンジン」を技術面トップで紹介している。また、同日付紙面には「水素特集」を掲載しており、三菱重工の高砂水素パークなどを詳しく紹介している。

(2023年11月24日配信)

11月14日の東京証券取引所で大阪ガスが4日続伸し、ザラ場の高値は2920.5円まで買い進まれた。11月7日にマークした上場来高値2914.5円を5営業日ぶりに更新した。10月27日発表の中間決算が好感されているほか、同日発表の自社株買いも歓迎されているようだ。マーケットでは、大阪ガスの株価格付けを従来から「買い」としていたみずほ証券が、目標株価を2600円から3300円に引き上げたとの情報もこの日伝わった。

大阪ガスの株価をローソク足(日足)で見ると、11月9日から10日にかけて、さらに10日から13日、13日から14日にかけても連続して窓「空」ができた。4本の陽線と「三空」で形成される高値圏でのこの形は「三空踏み上げ」と呼ばれ、チャートを投資判断のよりどころとする投資家は、空売りを仕掛ける急所とみる。同社株の信用買い残は、売り残が買い残を超過した状態にある。確かに目先は急伸した後だけに強弱感が対立しやすい場面と言えるが、この日の株価は株価純資産倍率が0.7倍台と依然として割安な状態にあることから、むしろ売り方の手仕舞い(買い戻し)による一段の上昇を読む向きもある。

関連記事 大阪ガスが上昇率首位、愛知時計は最高値を更新/GENIX―CN70 - ガスエネルギー新聞 (gas-enenews.co.jp)

(2023年11月14日配信)

 11月2日のGENIX‐CN70は3週ぶりに反発した。自社株買いを発表した大阪ガスが急伸し、最高値を更新したほか、業績好調の日本酸素、愛知時計も高値を更新した。

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の11月分は、プロパンが1トン当たり前月比10㌦値上がりして610㌦(前月比1.67%高)となった。ブタンは同5㌦値上がりして620㌦(同0.81%高)。プロパン、ブタンともに4カ月連続で値上がりした。

 LPG市況に影響を与える原油相場の値動きはこのところ重くなっているが、LPG市況はこれから需要期を迎える季節性もあって、先高観が根強いようだ。日本向け米国産LPGの航路に当たる中南米パナマ運河が、渇水の影響で渋滞解消に時間がかかるとの見通しも強気の見方を支えているようだ。

 CPのこの1年間の価格推移を振り返ると、プロパンは2月に790㌦のピークを迎え、その後は大きく値下がりして、7月に400㌦のボトムを付けている。ブタンも同様に2月の790㌦でピークを打ち、7月には375㌦の安値を付けている。

(2023年11月2日配信)

10月27日 GENIX-CN70は前週末終値から0.2ポイント下落して155.81と2週連続で下落した。東証株価も0.06ポイント下がって142.76となった。

10月以降、株式市場は調整色を強めており、9月最終週との比較ではGENIX-CN70、東証株価ともに約3%下落している。

GENIX-CN70の構成銘柄のうち9月末比で上昇したのは全体の2割16銘柄にとどまる。その中で愛知時計が本年高値を更新したほか、日本酸素、栗本鉄工、川崎汽船などが高値圏で頑強な値動きを見せている。

(2023年10月27日配信)

10月19日の米原油先物(WTI)価格は3日続伸。中東地域の紛争拡大への懸念が市況を押し上げた。

国際ガス市況も値上がりしており、欧州パイプラインガス先物価格(TTF)は13日に百万BTU(英国熱量単位)当たり16ドル台、スポットLNG価格は18日に19ドル台へと上昇している。

イスラエル沖の海洋ガス田(タマル)が操業を停止したと報じられており、このガスを原料とするエジプト産LNGの出荷に影響が及ぶ恐れが指摘されている。

(2023年10月20日配信)

 10月9日の米原油先物(WTI)市況は2日続伸し、1バレル前日比3.59㌦高の86.38㌦に上昇した。6日の米雇用統計は市場の予想を上回る数値で、長期金利上昇を促したが、原油市場は底固い動きを見せた。そこに、イスラエル・パレスチナ間で大規模な武力衝突が発生。中東の地政学的リスクが高まったことで、買い気が優勢となったようだ。また、本年高値を付けた9月27日以降の下げが急だったこともあり、買い戻しも入りやすかったと見られる。

 一方、連休明け10月10日の東京株式市場は、朝方から買い戻しの動きが広がりほぼ全面高でスタート。GENIX‐CN70構成銘柄もこのところ下げがきつかった石油株などが買い気配で始まるなど総じてしっかりした動き。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の芥田知至主任研究員は当面の原油相場について、「今回の武力衝突にイランの関与があるのかどうかなど中東情勢には不透明な部分があり、不安定要素が増えた格好だ。他方、このところの米長期金利上昇やドル高が原油相場を下押しするとの見方や、米欧の金融引き締め効果で石油需要が鈍化するとの懸念も根強い。さらに中国の不動産不況、全米自動車労組(UAW)のストライキ、米予算審議の難航なども需要を鈍化させる要因として意識されている。当面は地政学的リスクや需給などの強弱材料が交錯する中で、不安定な推移が見込まれる」としている。(了)

(2023年10月9日配信)

米原油先物が10月4、5日と続落し、1バレル82㌦台まで下落、8月30日以来の安値水準となった。4日は下落率が5・61%に達する大幅な下げで、下落率が5%を超えるのは5月2日以来5カ月ぶり。9月27日に付けた本年高値93・68㌦から5日までの下落率は12%強に広がった。市場では、米ガソリン在庫の急増や強含んでいる長期金利の動向を警戒。今晩の米雇用統計の発表を注視している。

一方、米天然ガス先物(HH)価格は3日続伸し、今年3月以来となる百万BTU(英国熱量単位)当たり3ドル台に乗せてきた。

(2023年10月6日配信)

米原油先物が10月4日、前日比5.01㌦安の1バレル84.22㌦と急反落し、8月31日以来の安値水準に後退した。1日の下落率の大きさは5.61%に達した。5%を超える大幅な下げは5月2日の5.29%以来、5カ月ぶり。市場では、同日発表された米石油在庫統計でガソリン在庫の急増が明らかになり、これが利益確定売りを誘ったとの見方が出ている。

JOGMECの首席エコノミスト・野神隆之氏は、「統計で明らかになった米ガソリン需要の低迷は、この時期としては2000年以来の低水準。他にもロシアの軽油輸出禁止の一部解除検討の報道、サプライズのないOPECプラス産油国共同閣僚監視委員会の内容などの弱気材料がそろって現れた。このため、市場は狼狽売りの様相を呈しているが、今年第4四半期に供給不足に陥るとの認識に変化はなく、市場のセンチメントが根本的に変化したとは言い切れない。原油市況は売られ過ぎ気味の領域に入りつつあり、値頃感から買い戻しが発生しやすい状況ではあるが、まずは明日6日発表予定の米国雇用統計が注目される」としている。

10月5日の東証は朝方、昨日までの大幅安に対する自律反発の動きとなり、TOPIXが6日ぶりに反発するなど全般に買い物優勢の始まりとなったが、原油の急落を受けて、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEXや石油資源開発など石油関連株は売り気配のスタートとなった。

(2023年10月5日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の10月分は、プロパンがトン当たり前月比55㌦値上がりして600㌦(前月比9.09%高)、ブタンは同50㌦値上がりして 615㌦(同9.82%高)となった。プロパン、ブタンともに3カ月連続で値上がりした。背景には原油市況の上昇が指摘されている。

(2023年9月29日配信)

東証9月28日前場の寄り付きは、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮など石油株が大幅高でスタートした。朝方は全般に利益確定売りが先行する中で、石油関連株の値動きの強さが目立った。石油資源開発は2008年以来、13年振りとなる6000円台に到達した。

 前夜27日の米原油先物(WTI)価格は前日比3.29㌦値上がりして1バレル93.68㌦となり、7営業振りに今年の高値を更新した。また、当面の戻りのめどと見られていた昨年10、11月に付けた92㌦台の高値を一気に上抜いてきたことで、市場関係者の間では先高ムードが一層強まっている。

(2023年9月28日配信)

9月22日の東証株価は前夜の米国株式下落を受けて、朝方から売り先行で始まった。GENIX-CN70構成銘柄も商社、海運株など総じて下落した。半面、INPEX、石油資源開発、ENEOSなど石油株の一角は底固い動き。GENIX-CN70は前週末比2.08ポイント下落して164.04ポイントと5週ぶりに下落した。

21日の米原油先物市場は、米金融政策の引き締め長期化懸念が台頭し、利益確定売りに押された。期近終値は前日比0.65㌦安い89.63㌦と、3日続落し、6営業日ぶりに1バレル90㌦台を割り込んだ。

9月25日付紙面の関連記事「原油100ドルが視界に サウジ減産の影響を注視」

(2023年9月22日配信)

9月14日の米商品先物市場では、原油先物(WTI)価格が2日ぶりに反発し、終値は前日比1.64㌦値上がりして1バレル90.16㌦と、当面の節目と見られていた90㌦大台を突破した。90㌦に乗せるのは2022年11月7日の91.79㌦以来、10カ月ぶり。市場関係者の間では、原油需給の引き締まり感から先高を予想する声が強まっている。

原油市況の上昇を受けて、15日の東証ではGENIX-CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事といった、石油やエンジニアリング、商社など資源関連株が一斉に買い進まれた。INPEXは2008年以来、この週急伸した日揮は2018年以来の高値水準。

(2023年9月15日配信)

9月13日の東京証券取引所では、朝方からINPEX、石油資源開発、ENEOSなどGENIX-CN70構成銘柄の石油株が買い先行でスタートし、本年高値を更新した。前夜12日の米原油先物価格(期近終値)が前日比1.55㌦高の1バレル88.84㌦と反発し、約1週間ぶりに本年高値を更新したことが買いの手掛かりになっていると見られる。

原油市場では需給に引き締まり感が指摘されるなど、市況は当面強含むとの見方に傾斜しているようだ。ENEOSのこの日の株価は4年8か月ぶりとなる600円台を目前に捉えている。INPEXは2008年10月以来、石油資源開発は2009年6月以来の高値水準に来ている。

米原油先物は2008年に145㌦の最高値を付け、2011年から2014年にかけて100㌦前後で推移していた。最近の石油株は原油100㌦時代の再来をあたかも織り込むかのような値動きを見せている。

(2023年9月13日配信)

9月8日の東京株式市場は、前夜の米国株式市場の下落を受けて、朝方から利益確定売りが先行する展開となったが、この週のGENIX-CN70は前週末比1.67ポイント上昇して161.86と3週連続値上がりし、前週に続いて指数算出以来の高値を更新した。この週は三菱重工、川重重工、三井物産、石油資源開発などが指数をけん引した。

原油先物価格(米WTI)は9月7日、前日比0.67㌦安い1バレル86.87㌦と、10日ぶりに値下がりし、前日まで値上がりが目に付いたINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事などの資源関連株には利食い売りが広がった。

また、個別では、このところ物色人気を集めていた三菱重工も6日ぶりに反落した。半面、三菱重工の急上昇に対して出遅れ感が台頭していた川崎重工はこの日も買いが途切れず逆行高、10連騰となった。

三菱重工の本紙最新ニュース:長崎で脱炭素基盤技術 既存拠点連携し開発推進/三菱重工

川崎重工の本紙最新ユース:世界初ドライ式水素タービン、NOx抑制と高効率を両立/川崎重工
(2023年9月8日配信)

市況情報

【ガス事業者重点施策アンケート(3)ガス空調の取り組み】

【ガス事業者重点施策アンケート(3)ガス空調の取り組み】

●東京ガス

脱炭素化に向け、再エネを生かす調整力、エネルギーの安定供給、価格変動の抑制など様々なニーズに応えるため、高効率ガス空調機器「GHPGHPXAIR(エグゼア)Ⅲ」や日本初のガスと電気のハイブリッド空調システム「スマートマルチ」など高効率機器の導入を推進する。また、レジリエンスニーズにより機能維持が必要となる体育館や病院、福祉施設等には、高効率な停電対応型GHPを活用したソリューション提案を積極的に展開。

●大阪ガス

新型コロナによる影響や地球温暖化抑制への取り組みが加速する中、新型コロナ対策、脱炭素政策対応などがガス空調普及の課題と考えている。高効率なガス空調・換気設備と、デジタルトランスフォーメーション(DX)を用いた最適制御による省エネを目指した空調総合ソリューション提案『D—Airing』に力を入れている。

●東邦ガス

ライフサイクルコストの低減や停電対応型GHPの導入によるレジリエンス向上等の訴求と省エネ提案を組み合わせ、高効率機の新規導入やリプレースを推進していく。

●西部ガス

脱炭素の潮流による空調の電化促進や、再エネ普及によるピークカットの意義希薄化への対応が課題。節電やデマンドカットに加え、初期投資の抑制やメンテナンスフリーといったさまざまなメリットや顧客ニーズを総合的に訴求できるエネルギーサービス提案を強化する。また、都市ガスだけでなくLPG仕様やEHPも含めて顧客にとって最適な提案を実施し、提案件数の拡大を通じて結果的にガス空調の提案機会を増やしていく。

●京葉ガス

電気との競合に加えて国内外における脱炭素動向により、これまで以上にGHPの採用は厳しい状況となることが想定されるが、CGSの販売促進と同様に停電対応型GHPによるエネルギーセキュリティー向上に向けた事業継続計画(BCP)対応、電力ピーク削減効果等の訴求や、多様化している付加価値商材(省エネ・省CO2設備等)を絡めた総合的な提案により販売促進を図る。

●北海道ガス

顧客との良好な関係を継続させるための付加価値提供型営業に注力する。メンテナンスメニューの多様化や遠隔監視システムの標準化など総合エネルギーサービスを提供し、顧客の省エネ行動の後押しや満足度向上を図ることで、GHPの普及拡大を目指す。

●広島ガス

地域再開発事業、大規模造成等での大型業務用物件を中心に、普及が進んでいる。電力の小売全面自由化に伴い電力デマンド削減メリットが薄れているため、電気空調機との競合が激化しており、総合エネルギー提案がより一層、重要となってきている。ランニングメリットやコージェネの排熱利用空調の提案、超高効率型のGHP発売等により、省エネ、省電力を含むトータルなメリットを訴求した、営業活動を展開する。

●仙台市

既存ガス空調導入物件への更新提案を強化し、さらに付加価値提案として電源自立型を提案していく。また学校体育館への空調導入が他都市より遅れている状況から、私立学校や公立学校への避難所対応を考慮した電源自立型GHPの提案を行っていく。

●北陸ガス

ガス空調のストック容量が増え、経年に伴う更新需要の確実な獲得が課題。レジリエンスを訴求した停電対応型GHPや、遠隔監視サービス等をPRし、ストックの維持に注力していく。

●静岡ガス

省エネ・ピークカット効果を訴求する従来からの空調営業に加え、新規導入営業および更新時期を迎える機種のリニューアル営業を進め、ガス空調の普及に努める。

●四国ガス

近年、各自治体に求められている地域防災において、避難所としての機能を担う体育館などへ、電源自立型GHPの提案活動に力を入れていくほか、昨今の電力需給の逼迫課題に対し、節電や省電力化および電力のピークカットを訴求していく。また、既存物件においては更新時期に合わせ補助金の提案を行う。新規物件についてはガスと電気の比較シミュレーションを行い、ガス空調と電気空調のすみ分けを提案していく。

●東部ガス

課題=メンテナンス体制の充実、イニシャルコストの低減。施策=メーカーや地域の空調業者等との連携強化、修理、メンテンナンスにおける自社内の一次対応要員の育成、補助金の活用などによる工事やメンテ費用の低減、自由料金の活用。

●サーラエナジー

小中学校普通教室へのGHP採用に続き、特別教室への更新営業、県立高校へのGHP提案を推進していく。台風による大規模停電経験がある顧客や避難所に指定されている体育館、集会所等への停電対応型GHP提案を通し、防災機能強化を訴求していく。

●武州ガス

ガス空調は大幅に消費電力を削減できるため、それによるランニングコスト低減や節電効果を顧客へ訴求していく。特にGHPの導入により、電力のピークカットや電気設備のコストダウンが図れる物件に対して積極的に営業する。経年した機器を使用する顧客に対しては、最新の高効率機器へのリプレースにより得られるメリットの提示やリースによる初期投資の低減を提案することで、計画的なリプレースを促す。今期においては空調の更新時期を迎える顧客も多く、顧客のニーズに合わせた効果的なリプレース提案を推進していく。

また、停電時でも稼働し発電もできる機種は、BCPに関心が高い顧客の施設や災害時の避難拠点に最適であり、対象となる顧客へ導入を提案してきたい。

●山口合同ガス

電力小売自由化以降の電気料金低廉化により、経済性の訴求が難しい状況になっている。昨今の災害時における停電発生によりBCP対策へのニーズが高まっていることから、従来の省エネ・省電力提案に加え、停電対応型GHPによる付加価値提案に注力していく。また、補助金を活用して経年機の更新営業も継続して行っていく。

●大多喜ガス

エネルギー間の競合は厳しさを増しており、「ランニングコストではガス空調が優位」とは言えない案件がある中、次の施策を軸に普及を促進する。(1)自立発電型機器の提案(2)リース等初期コスト軽減策の提案(3)レジリエンス補助金等を有効活用し、顧客の実態・要望を踏まえ、最適なガス空調システムを提案できるよう訴求を継続する。

●日本ガス

更新時期の顧客にはメリット享受を再認識してもらうために、ライフサイクルコストの検証提案を行い、エネルギーサービスによる付加価値提案も合わせて行うことで継続使用を勧める。新築・建替を計画している顧客や設計事務所には顧客の要望をヒアリングし、ニーズに応じたスペックやエネルギーサービスの提案を行う。行政にはレジリエンス機能を強化する電源自立型GHPによる付加価値提案を行い、学校教室や体育館への提案を進めていく。

●岡山ガス

学校空調では、体育館や特別教室への導入に向けて自治体担当部署への提案を強めていく必要があり、災害時のBCP対策として停電対応型のGHPをツールとした提案を行っていく。

既存の顧客については、多くのナチュラルチラーおよびGHPが更新時期を迎えている。顧客への訪問を強化し、ヒアリングを行っていき、更新のタイミングを逃すことなく確実にガス空調で更新することによりガス空調の拡販に努めていく。

●東彩ガス

公立学校への空調導入は、区域内の小中学校で一般・特別教室への都市ガス導入が進んでおり、体育館等非常災害時のための避難所対策として先進事例等の紹介、初期投資の低減等を各行政へ提案していく。

GHP設置需要家へは、リプレース時に的確な提案営業を行い災害時対応が可能な停電時自立型の機器のPRにつとめ電気へのスイッチ防止を図るととともに環境負荷低減を進める。

●旭川ガス

GHP導入によるランニングコストメリットを説明した中で、新設物件に対してGHP導入を提案する。GHPを導入してから10年~15年の物件が多くあり、補助金を活用した経年GHPの取り換え促進を進めている。

●滝川ガス

課題=電気(EHP)との比較になるが、イニシャルコストが高くなること。また、点検、メンテナンス費用が高いことがあげられる。かつては暖房面でアドバンテージがあったが、EHPの性能がよくなり差は縮まっていると思われる。今後、電気料金の変動により市場の変化が懸念される。

施策=当社は日本の中でも極寒のエリアなので、暖房面での優位性を押しだし、毎年何件かGHPを採用してもらっている。また、経年によるGHPの更新も増えている状況の中、メンテナンスの体制を確立し、自立型の提案等、災害対策を含め普及を推進するよう提案し続けることが重要と考えている。

●岩見沢ガス

設計事務所および、建築業界へPR活動を強化し、環境性に優れた天然ガスや省エネ機器、低コストを含めた提案力強化を図る。

●苫小牧ガス

発電機能付きGHPに特化した料金メニューを持っていないため、料金メニューの設定が先決である。発電機能付きGHPは企業のBCP対策にもなり得るため、高齢者福祉施設、保育園、学校などに潜在需要があると予想される。市・オーナー・設計事務所に対するガス空調の優位性のPRが必須。

●帯広ガス

3月1日から「発電型GHP契約」を「省エネGHP契約」へ名称変更し対象範囲拡大を実施した。内蔵発電機を有する16馬力以上のGHPから、実質8馬力以上の現行通常GHPでも省エネタイプとして適用させたお得なガス料金プランの提案により、業務用新築物件やGHP更新時の囲い込み、燃転の採用数増加を目指す。課題は、電源自立型のGHPの採用実績を作り自治体へのBCP対策や省エネとして再エネとのコラボも視野に入れた総合的な提案につなげていくことが重要。

●室蘭ガス

既存物件に対する巡回営業を強化することにより、空調需要の新規獲得を目指す。新築物件に対しても情報収集に力を入れ、管理会社・設計事務所への空調設備の導入提案を進める。

また、既存のガス空調を使用する顧客へのリプレース提案を実施し、空調需要を維持する。

●五所川原ガス

設置から長期になる古い設備がEHPへ置換される事例がある。事前にガス空調の更新提案を進めていきたい。

●弘前ガス

市内は夏場の需要が少ないため、学校空調は電気を採用した。小規模の場合、イニシャルコストの価格差あり。避難所への停電対応も提案。

●十和田ガス

経年機器については、新料金プランや補助金制度の活用を提案することでガス空調の更新を図っている。また、新規物件については、計画段階での情報収集と設計業者との信頼関係が課題。

●八戸ガス

導入コストや定期点検等のメンテナンス面や一需要家一契約が必須となり、テナントビル等での導入が以前に比べ難しくなっている。

●黒石ガス

課題は、業務用建物のガス空調採用が限定的であること。当初から、電気空調で設計されていることなどである。施策は、建物の設計担当者にガス空調を進めることである。寒冷地用のGHPを主として提案する。

●盛岡ガス

小型のガス空調のラインナップが少ないと感じる。

●花巻ガス

既存のGHP使用先の機器更新だけでなく、EHP使用先へのPRを行っていきたい。

●水沢ガス

現在、中学校の建て替え計画があり、設計事務所にGHP導入の提案をしている。導管延長が必要な物件ではあるが、ガス空調の利点を説明しながら、計画を進めている。

●釜石ガス

「空調=電気」といったイメージをどのようにして払拭するか、併せてイニシャルコストをどこまで抑制できるかが最大の課題。キュービクル等大容量設備が不要であるとか、夏場の「電力量のピークカット」の話題に触れながら、ガス空調設備の優位性や特徴をアピールするような提案をしている。

●男鹿市

公共施設は積極的にガス空調を採用している。燃転を含めた新規顧客の獲得には苦戦している。

●にかほガス

既存需要家においては、更新時期を逃さず提案できるよう関係性を深めていく。新規獲得については、ターゲットを明確にしてアプローチを行っていく。併せて新空調料金プランを設定し、提案しやすい環境を整えていく。

●由利本荘市

初期設置費用が高いことと、定期点検や部品交換メンテナンスが必要で、その際の費用がかかるイメージがあることからコスト高と感じられる部分が大きい。

現在、新築戸建てのほとんどの顧客が当たり前のようにオール電化にする状況の中で、どうやってガスを再認識してもらうかが課題。このため、一般家庭ではあまり導入されにくいため、現在では業務用中心の空調システムとなっている。最近では、販売を始めたころのガスエアコンの老朽化が進み、メンテナンスが困難になってきていることも課題となっている。

●酒田天然ガス

電気による空調設備の採用が多い。用途、空調面積・負荷等によってそれぞれ長短はあるが、学校・公共施設等における採用実績、ガス空調の利便性や高い環境性能を設計事務所、建設会社、設備業者、エンドユーザー等に対しPRしている。

特にGHPに関しては定期的に発生するメンテナンスが採用時のネックになることがあるので費用面も含めて、早い段階でメンテナンスに関しての理解を得られるようにしている。

●鶴岡ガス

電気(EHP等)とのイニシャルコスト・ランニングコスト差、営業担当者の適正な評価基準(成績係数)の理解とスキルアップが課題である。

物件情報の収集とあらゆる業務機会を通じて最新型高効率機器についての情報提供、リプレース提案、節電貢献、環境性・地域制(寒冷地)を生かしたガス空調の提案営業に取り組む。

●山形ガス

GHPおよび冷温水器の老朽化に伴い、EHPへの切り替えが増えているため、保守サービスを強化し経年機器の延命化を図るとともに、当社主導で入れ替え工事を提案している。顧客との接点維持・強化に努めている。

●庄内中部ガス

需要家のほとんどが一般家庭であるため、ガス空調を必要としている業務用の顧客が皆無に等しい状況。そのため、一般家庭向けとしてレンタルガスファンヒーターを推進している。毎年30件程度の新規顧客が増えている。

●古川ガス

新築物件では未だにイニシャルコスト重視の傾向であり、ガス空調の採用が難しい。設備設計事務所へのアプローチ強化が課題。今後は電源自立型等GHPを提案するとともにBCP対策の一助になればと思っている。

●仙南ガス

当社の供給区域内には商業用、工業用の建物は非常に少数だが、震災を経験している方々が多数いるので、停電時対応型のガス空調を継続提案している状況。

●石巻ガス

「空調・給湯・厨房」が揃った大型需要では採用されているが、空調専用需要ではイニシャル・ランニングコスト両方のコスト面でEHPに勝てていない。

●塩釜ガス

自治体・企業に災害対策を考え発電機能付きGHPを提案していく。

●福島ガス

ガス空調普及の課題としては、電気空調と比べると機器本体の大きさや設置場所の制限、一番大きい課題はガス機器空調の価格およびメンテナンス費用にあると思われる。これらの課題を考慮しながら、ガス空調の良さをアピールし、補助金等を利用した費用削減を提案していく。

●若松ガス

GHPは導入時のイニシャルコストが高く、導入後も定期的にメンテナンス費が発生することが嫌われ、既存GHPの入れ替え時に継続して採用してもらう台数が減少している。

打開策として、補助金の活用やメンテナンス契約を長期で締結し費用を抑えるなど、ユーザーを減らさない工夫をすることはもちろん、健老施設や病院、学校体育館などへ、災害時の対応を前面に打ち出した営業を展開し、新たなユーザーの獲得を行いたい。

●東北ガス

GHPに関しては、EHPとの比較時にどうしてもイニシャルコストが高いため、空調の更新時に得意先がEHPを選択するケースが多い。やはり、メーカーの努力によりイニシャルコストの低減を期待したい。

しかし、急速な暖房効果を得られることや、霜取り運転の不要、建物規模によっては受変電設備(キュービクル)が不要になり、デマンド契約を気にしなくてよいなどのメリットも多く、その辺りをガス業界としていかにアピールできるかが鍵となる。

●常磐共同ガス

既存顧客の入替案件はあるが、新規設置が少ない。また、高齢者施設等の24時間稼働している施設での故障時の対応に苦慮している。経年機器を所有している顧客へ補助金を活用した入替を提案していく。

●新発田ガス

EHPとのイニシャルコストの差、既存機器の離脱、新電力を活用した電化をどのように回避するかが課題となる。そのため、PR活動を強化し、BCPを切り口とした停電対応型GHPの提案や、自社メンテナンスの強みを生かしたリプレース提案を行う。

●越後天然ガス

電力料金の低廉化により、GHP導入メリットが減少する機会が多くなった。メンテナンスコストが高額である。定価が高いため、公共物件では参考見積の段階で不利となっている。施策としては、メンテナンス体制を見直し低廉化を実現することと、協力企業との連携をさらに強化し採用を働き掛ける。

●蒲原ガス

課題=(1)新電力切り替え、電気料金値下げによるEHPとのランニングコストの競争力低下やイニシャルコストの競争力低下。

施策=(1)省電力、高効率をPRし新規需要の獲得を目指す。(2)経年ガス空調機の入れ替え提案強化を図る。(3)BCP対策として病院や高齢者福祉施設、指定避難所等への停電対応型GHPの導入を提案。(4)適用可能または、有効的な補助金を顧客へ説明、提案。

●小千谷市

さまざまな選択約款を設定し、一般から大口まで広く普及活動を行っている。都市ガス自体の継続的な需要拡大が見込めない状態が続いているため、今後とも普及拡大を目指し活動を行っていく。

●魚沼市

ガス空調を行っている施設が、電力削減に貢献しているイメージを付けるために適宜パンフレットを配布し、一般市民向けガス空調のイメージアップを図る。

●上越市

ガス空調を使用している需要家を定期的に訪問し、情報収集をすることで機器更新検討時にガス空調の提案を行う。また、他燃料利用者へ情報提供を行い、ガス転換を図る提案を行う。

●白根ガス

ガス空調のメリット・デメリットを正確に伝え、顧客のニーズに合わせた提案を心がけている。また、既存顧客の設備更新についても、情報収集も兼ねた定期的な営業・PR活動を実施し、接点強化を図る取組みを継続している。

●栄ガス消費生活協同組合

家庭用の需要家が多くを占めているため普及は難しい。現在導入されている需要家において、本体のメンテナンス契約等がどうなっているのか整理し、連絡対応等とれる体制としている。

●栃木ガス

BCP対策の一つとして、エネルギーソースの分散に一定の理解はあるものの、GHP設置場所までのガス配管(ルート、費用)が導入障壁になるケースがある。いざという時の備えに対する予算付けの考え方にも、顧客により温度差があるが、社会的ニーズや重要性を継続して訴求し、導入へつなげていく。

●北日本ガス

イニシャルコストが他燃料との比較により定期メンテナンス費用もかさむことの高額イメージは払拭できないが、電力消費低減化およびリース契約の活用により顧客の年間ランニングコスト低減を図る。カーボンニュートラル(CN)を踏まえ、他燃料からの燃転、冷媒が水である吸収式冷温水機の提案を実施している。また、BCPに関し、学校等における災害時避難所に停電対応型の設置実績があり、今後のさらなる普及が見込まれる。工場等においてはCO2削減・省エネ・電力ピークカット等として営業展開している。

●佐野ガス

経年機器保有の顧客へ積極的なリプレース提案を行い他エネルギーへの転換阻止を図るとともに病院や老健施設、指定避難所等への停電対応型GHPを活用したBCP対策の導入提案を行う。

●館林ガス

行政等、初期導入施設等の更新の時期になっており、予算計画等と連携しながら提案している。初期費用の高さが課題。

●伊勢崎ガス

快適性、環境性、経済性に優れたエグゼアを中心に提案しているが、初期投資額が少ない電気式空調を採用する案件が多い。ガス空調の良さを理解してもらい、拡販につなげたい。

●本庄ガス

GHPの普及課題はイニシャルコストが高額なことだ。機器の価格はもちろんだが、新設工事の際に付帯する内管工事費用も含めると、設備投資額は相当なものになる。また導入後の定期点検・メンテナンスも担当者からしてみると手間に感じているケースも多い。

イニシャルコスト・ランニングコストの比較書を作成して、導入後の経費削減等をご説明するとともに、補助金の情報提供も案内していきたい。

●坂戸ガス

設計事務所等にイニシャル・ランニング・CO2排出量抑制等についてガス空調のメリットを積極的にPRし、新規物件への組込み営業を推進する。

既存空調の顧客へは、迅速な故障修理対応や定期的な訪問により信頼関係を構築し、早めの更新提案に努め脱落防止をはかる。

非常時の防災機能を高める停電対応型GHPを積極的にPRし、避難所となる施設等への組込み営業を推進する。

●入間ガス

新設の商業ビル、工場などへの吸収式冷温水機、新規需要家へのGHP空調導入や既存商業施設のGHPリニューアルなどを積極的に提案し、普及促進に取り組む。

●鷲宮ガス

ガス空調は、GHPを中心に産業用の顧客の工場あるいは事務所のEHPの代替機として提案していく。

●大東ガス

ガス空調普及については、定期的な顧客訪問により、顧客の状況把握と信頼強化に努め、経年機器保有の顧客に対しては、リニューアル提案の徹底を図り、他エネルギーへの転換阻止と普及促進を行う。

●堀川産業

更新需要が一巡したのでEHPからの燃転や体育館空調の普及に努めたい。ガス空調のメリットである停電対応機などの付加価値をアピールしたい。

●野田ガス

GHPの新規導入および更新ともにEHPに対してイニシャルコストおよびメンテナンスコストの比較提案が課題。補助金を絡めた提案をしている。

●銚子ガス

ガス空調に関しては、ここ数年電気空調への切り替えが何件か発生しているため、切り替えられる前に自社から更新の提案ができるよう、空調需要家への訪問回数を増やし情報収集に努めている。

●白子町

ガス空調は導入コストが高く、さらにメンテナンス費用も問題となるため、新規需要を獲得するためには営業力の強化が必要である。

●習志野市

電気式空調機との競合が激化しており、ガス空調機の新規採用が厳しい状況ではあるが、施主・ゼネコン・サブコンとの連携を密にした営業強化を図り、電力デマンドの抑制を前面にアピールしてGHPを中心とした、ガス空調機の採用に向けた営業活動をしている。10年以上使用する顧客には、他燃料に転換されないよう、リニューアルを含めた営業活動に取り組んでいる。

●東日本ガス

老朽化した機器の更新提案を行う中で、対電気とのコストメリット比較において非常に効果が薄くなってきた状況の中での対応が課題。施策としてはエリア内の避難施設の空調設備未実施自治体が多いため、BCP対策を施した総合提案を軸に行っていきたい。

●京和ガス

小中学校給食室の環境改善のため、空調ガス料金メニューを活用してGHPを提案。災害に避難所となる体育館等に補助金等の活用を検討して提案に取り組んでいる。

●長南町

工業用、商業用、学校関係などに営業を実施することにより販売量の増加へと繋げられるが、職員不足、知識不足により対応ができない状況である。

●昭島ガス

セントラル空調(ナチュラルチラー)および個別空調(GHP)ともにイニシャルコスト重視の顧客へのイニシャルコスト低減策が課題である。

ガス空調の強みである電力ピークカットによる電力料金削減と環境性を切り口とした費用対効果試算による提案営業を実施していく。

●青梅ガス

夏期や冬季における空調の需要期と電力逼迫は同じタイミングで起こる。顧客が懸念されているガスや電気のエネルギーコストが高騰している中で、各調整額や電気の再エネ賦課金を加えた形であってもランニングコストメリットは享受できる旨、またリプレースを控えるGHP機器については、電源自立型GHPのメリットについて説明し、顧客が策定するBCP対策の一助のなるよう提案する。また菌やウイルスの抑制に有効とされる空調機(室内機)についてもPRを実施。

●武陽ガス

商業・工業用途ならびに公共施設等を中心に「エネルギーの効率的な利用」、「夏季電力のピークカット」をキーワードにして「ガス冷暖房」を積極的に提案しているが、既設電力空調からガス空調への転換提案は大変困難であることから、いかに新築情報を把握し、提案経路を見極め、適時にガス空調導入提案を図ることが課題である。

そのため、建築情報誌による新築計画や行政施設計画等の情報収集を図り適時に提案を行っている。またガス空調普及の課題の一つとして、経年機器の電化リプレース防止対策も顕在化している。顧客のニーズを適時に掴み、継続的なガス空調機採用提案を図っていく。

●長野都市ガス

経年機器増加へ対応するリプレース提案営業の強化。業務用空調を中心に需要拡大を図る。停電対応型GHPを活用したBCP訴求と提案営業の推進。

●大町ガス

電気との競合となると、納入までの時間(寒冷地仕様のため)やイニシャルコストの面で不利な場合が多い。

●上田ガス

経年機器を使用する顧客へ定期的に訪問営業や、あらゆる業務機会を通して再度ガス空調を採用してもらえるよう関係を築くことを大切にしている。新規ガス空調導入へ向けた設計協力。補助金を活用した提案営業。

●エナキス

電気空調しか知らないユーザーが大半となる。エンドユーザー・サブユーザーへの情報発信や勉強会が必要と感じている。

●厚木ガス

ガス空調については、リプレース営業を中心に顧客管理を徹底し更新時期を見極め営業し、電気空調に切り替えられないよう努めている。また、新規空調需要については、災害時に課題がある公共施設・病院・福祉施設に対し、停電時対応型GHPをご案内しソリューション提案に努めている。依然として導入コストが高く課題となっているが、補助金やリースを最大限利用して導入を促し今後もガス空調の維持・拡大に努めていく。

●秦野ガス

課題=導入費用の高さと自社の営業努力で導入に至っても他社小売へスイッチされるリスクがある。施策=昨今の電力供給不安や災害による停電リスクを鑑み、既存需要家のGHPリプレース時期に積極的な巡回を行い、EHPに対する停電時のレジリエンス性や総合的なコストメリットのPRにより地元企業の強みを生かして他社小売りへ離脱がないように注力する。

●小田原ガス

イニシャルおよびメンテナンスコスト高が課題であるため、リースや補助金を活用し、電力ピーク対策として「節電」に加え「BCP対策」として学校、商業施設、病院、集会場等の地域防災計画の避難施設に対し防災対策強化として提案する。GHPの採用やリプレースが厳しい状況下においてはスマートマルチシステムの検討、提案を行う。

●湯河原ガス

ガス空調に適した物件の改築や新築がない。

●東京ガス山梨

EHPと比較してイニシャルが割高であるGHPについては、顧客の詳細なニーズの発掘を行い、保守費用も含め価格だけでない付加価値を訴求する必要があるため、最新高効率機種による省エネおよび省CO2提案と各種補助金申請を活用したトータルコスト削減の提案を実施していく。併せて、顧客に対して災害時やBCPの観点から停電時も稼働可能な機種等の導入意義を訴求していくことで、新規導入およびリプレースにつなげていく。

●吉田ガス

高効率GHPを中心に積極的に提案営業を進める。年々増加傾向にあるリニューアル物件の更新営業を進める。電力ピークカットに貢献するガス空調の普及拡大に努める。地元地域の学校空調の普及拡大に努め、電源自立型GHP提案を積極的に取り組む。

●伊東ガス

地場産業(観光業)低迷による設備投資控え、高額な設置費用、定期点検費により、ランニングコストのメリットが出しにくい等厳しい状況が続いている。公共施設への導入事例や体育館等、災害時避難所となる所へ自立型発電機器の紹介、セールスを展開していく。

電気(発電から消費まで)とガスのCO2排出量について情報を発信していく。

●下田ガス

公共物件を中心に更新時期を迎える経年機器が増加傾向にあることから、補助金の有効活用、省エネ性と環境性、BCP対策などのメリットを前面に出し脱落防止を図る。

●御殿場ガス

GHPのアフターフォロー体制の充実を図るとともに、既存物件のアンコール提案に注力していく。

●島田ガス

設備更新時に電気式への脱落が発生した事例もあるため、アンコール物件については確実に継続更新できるよう、サポートを含めた関係構築を進める。

新規案件についても、不戦敗とならないよう積極的に提案を行っていくことが重要であるが、現状の課題としては新規提案する対象が少ない状況。

●中遠ガス

電気に比べイニシャルコスト高が課題だが、新築複合施設に、有事の一次避難所として活用できるよう自立型ガス空調の提案を行い、コスト高以上の付加価値をPRする。今後CO2フリー由来の電気空調を使い、環境対策を行う会社が増えると予想されるため、ガスも環境対策を織り込んだ提案をする必要がある。

企業向け提案が不十分なため、単純なコスト比較だけでなく、モノのインターネット(IoT)を絡めた設備の効率的な使い方や従業員の働き方に関する問題等を把握した上で、ソリューション営業につなげて付加価値の高い提案を行う。

●袋井ガス

学校やこども園、幼稚園、保育園などの顧客を中心に最適な提案をするため静岡ガスグループと協力して営業活動を行っている。

●東海ガス

電源自立型GHPを小中学校の体育館空調を中心に導入提案を進めていく。また補助金を活用して経年空調設備の更新を進める。

●犬山ガス

ガス空調の採用によって、空調以外のガスもお得な空調料金で使用できるプランを武器に提案営業を進める。また、足元のエネルギー価格の高騰により、新電力の撤退が問題視されている中、空調はガスでもできることをPRし、ガス空調の普及に努める。

●津島ガス

当社供給の新規公共物件でGHPとEHPの併用パターンがあったように熱源のハイブリッド化が見受けられた。今後はそれぞれのランニングコストが想定しづらい状況だが、既存のガス空調からの更新や重油燃料からの更新物件においてガスが優位な面が多くあるので、災害時の停電リスク回避や節電面からのPRを継続していく。

●上野都市ガス

電力自由化、新電力増加によりガス空調デマンド削減効果が薄れ、競争が厳しさを増している中、以下の施策を実施する。自然災害への備えとBCP対応の観点から停電対応GHPを積極提案する(体育館空調含む)。

国や自治体の補助金を活用してガス空調更新や高機能換気設備との抱き合せ提案を積極展開する。自社設計施工管理により原価低減を図り、EHPを含めた競合他社に対抗する。

●名張近鉄ガス

電気空調と比較した際のメンテナンスコストが高くなることと前述で述べたCN対応が課題。グリーン電力に対抗する都市ガスメニューの創設、メンテナンスメニューのバリエーションを増やすなど顧客ニーズにあったメニューを提案していきたい。

●大垣ガス

主に学校・公共施設等をターゲットとし、イニシャルおよびランニングコストの試算、省エネとピークカット効果の訴求に加え、自律運転機能付GHPの紹介により、顧客のBCP対策を切り口とした提案を行う。課題は補助金の活用を含めた提案スキルの向上と、燃料価格変動や電力自由化に伴う投資回収リスクをどう手当てするか。

●日本海ガス

脱炭素社会化で、新規物件のガス空調採用は依然として厳しく、LNG高騰が更に拍車をかけている。また、コロナ禍で地方経済は停滞し、更新需要も思わしくない。

しかし、昨今甚大化する災害に対し、レジリエンス強化策としての停電対応型GHPは、官公庁・民間施設とも需要が増加。環境性・利便性に優れたエグゼアⅢ・スマートマルチなど進化するGHPへの関心も益々高まっている。顧客のニーズを捉え普及促進に努める。

●高岡ガス

21年度は、市内の小・中学校の特別教室に空調機器を新規設置した。BCP対策の停電対応型を積極的にPRする。また、補助金を活用した提案営業を実施している。

経年機器を使用の顧客に最新の機器を紹介し、空調機器の更新を提案している。外部セミナーや研修会等に積極的に参加し、最新機器について情報収集し提案力アップにつなげる。

●小松ガス

官公庁および設備設計事務所へ引き続きPR活動を行う。経年経過の既存空調需要家に対して、ガス空調に更新してもらう活動を行う。

●福井都市ガス

大規模な自然災害が頻発する近年では、顧客の空調設備に対して、複数のエネルギーでバックアップをとることの重要性を提案している。今日の空調には、快適な室内環境を維持しつつ疾病防止のために必要な換気をストレスなく行う設備やシステムを提案する必要を感じている。ガス空調は、省エネ性、省CO2等の観点からも効果的であり、顧客の健康(命)を守る設備であることも念頭に置いて普及・提案を進めていく。

●越前エネライン

学校施設等において、各教室のベランダスペースに室外機が設置できるEHPが採用される傾向があり、夏の電力デマンド対策としてのGHPの優位性を訴求している。経年GHPを使用する顧客に対し、定期的な営業活動等を通じて他熱源空調への転換防止活動を行っている。しかし、幼稚園、保育所の統廃合により設置台数の減少は免れない状況であり、新築施設へのGHP導入を目指した活動を実施している。

●敦賀ガス

公的施設のGHPが2件EHPに転換された。少なからず脱炭素化の影響が出てきていると思われる。更新時期を確認し、継続への提案を行う。

●丹後ガス

小売自由化で他エネルギー比較のガス単価を提示できること。

●福知山都市ガス

公共物件については、一定規模以上の物件でGHPの採用があるが、民間物件はイニシャルコストの面からEHPになることが多くある。老朽化しているガス空調機器の取り替え営業を行いガス空調機器の継続を図る。

●長田野ガスセンター

顧客先ではCO2削減ためガス空調から電気空調に切り替える検討がなされている。新規提案に加えアンコール提案もCNの壁に阻まれ進展が困難。引き続き、電力のピークカット、負荷平準等をアピールし、ガス空調の採用に向けて注力していく

●大津市

ガス小売、消費機器販売事業を展開していない。

●大和ガス

省電力や省エネなどのガス空調が持っている性能を正確に理解し、提案できる人材を多く育成することが必要である。ユーザー側からの視点で、ランニングコストの低減や電力デマンド削減を効果として見える内容とエネルギー平準化に寄与する面を両立させた提案を目指していく。また、学校等公的施設への導入実績が積みあがっていることをアピール点の一つとして民間施設へも展開し、幅広い業種への提案活動を充実させていく。

●桜井ガス

昔に比べて、イニシャル面で電気空調との差は少なくなったものの、まだ機械設備価格には大きな違いがあり、馬力数の小さい物件では太刀打ちできないのが実情。さらなるガス空調設備の価格低下が求められる。

●五条ガス

まだ提案できるだけのスキルやノウハウがない。大手都市ガス会社や、サブコンに依存している現状。当社でできる、地道な取り組みとしては、ガス空調設備(GHP等)を使用している需要家に、経年のお知らせ等を、不具合や法定点検等の各種訪問機会時に周知している。

●大武

業務用顧客へGHPの環境性、経済性、快適性、防災性の訴求、またリース販売の活用。

●河内長野ガス

新規大型店舗の進出や業務用施設の改修情報等、提案機会を逃さないよう既存顧客への定期訪問やエリア巡回等による情報収集活動を進める。またGHP設置顧客からのメンテコールへの速やかな対応はもとより、経年時期を迎える顧客へのリプレース提案の徹底を継続する。

●豊岡エネルギー

新築案件が少ない状況であり、確実な情報の捕捉が必要。既築案件では、基本的には同一エネルギーで更新が進んでいる。都市ガスエリアが狭く、官公庁からも同一エネルギーでの対応を求められており、残念ながら現状では基本設計は電気になっている。

●篠山都市ガス

昨年においては供給エリア内において入れ替えが1物件、増設が1物件採用された。公共施設や電気空調設置先等、行政とも連携を図りながら、ガス空調導入提案を継続して強化する。

●伊丹産業

経年劣化が進んでいる機器に更新の提案を実施している。今後も施設担当者と面談を行い、提案を継続していく。

●津山ガス

経年機器をピックアップし、リニューアル提案を積極的に実施している。内容的には補助金・電力のピークカット・BCP対策を含めた提案を行っている。しかしイニシャル・ランニングコスト面での課題があるため、メンテナンス費およびガス料金プランの見直しを検討中。

●水島ガス

教育施設(小学校・中学校)へのGHP導入にあたり、GHP機器の確保、短期間での施工対応など、調達・施工面での課題が増している。今後は、補助金を活用した停電対応型GHP提案やイニシャルレス提案、他社事例紹介等の提案PRにより導入促進を図る。

●福山ガス

個別空調方式でもさらに細かく空調が可能なEHPの採用が多く、GHPの採用が少なくなりつつある。更新物件においては、設置時期の古いものを対象とした提案をしているが、イニシャルコストおよびメンテナンスコストが安価である電化更新が続いている。このような状況下ではあるが、近年の冬期電力需給の逼迫等を鑑み、消費電力が少なく電力ピーク需要を緩和するというGHPのメリットを訴求していく。また、BCP対策として災害時でも使用可能な停電対応機、発電機能付等の付加価値をアピールした更新提案を行っている。

●因の島ガス

新規物件が少ない中でのリニューアルの提案方法が課題となっている。早期のリニューアル提案で補助金制度の提案やリース等の紹介をし、災害対策に自立型の提案等を行っている。

●米子ガス

課題=電気との比較提案資料の活用不足。コロナ禍における新たな提案手法の構築。施策=施主、設計事務所へ定期訪問提案。リプレース提案の徹底。

●松江市

EHPと比較して、初期導入コストが高いこと、定期点検や定期部品の交換などのメンテナンス費用がかかることが課題となる。

●出雲ガス

福祉施設、医療機関、商業施設などをターゲットとし、設計事務所や官公庁への営業を強化している。しかし、地方事業者はイニシャル・ランニングコストともにEHP等に対抗するには限界があり、設計段階でEHP等が標準化しているのが現状。

GHPのリプレースについても、イニシャル・ランニングコストのみならず、故障頻度の多さと高額な修理費用などからEHPにシフトされるケースが多い。日頃から良好な関係を築くことが大切である。

今後は、各省庁の補助金を積極的に活用し、環境面を前面に出し顧客の理解を得ながら提案営業を行っていく。

●久留米ガス

福岡県久留米市はビルなどの大型の新築物件が少なく、新設のガス空調の普及が進んでいない。そこで新規案件の情報収集を行うために設計事務所巡回や埋設管の問い合わせに対してのアプローチを行い普及に努める。

現状、リニューアル提案に力を入れており、特に久留米市の公共施設の空調設備の更新が多く、ネットゼロエネルギービル(ZEB)化の背景もあり、ガス空調から電気空調への検討がされているが担当課への定期的な訪問・提案により、切り替えを防げている。

●大牟田ガス

大・中規模施設への新規あるいは燃転によるガス空調提案を実施している。既存の顧客には、更新時期を見据えた訪問、提案を確実に実行することで離脱防止を図っていく。高効率ガス空調機器の案内も実施。コージェネの提案と同様に、エネルギー診断やトータルソリューション提案ができるような要員のスキルアップが課題。

●筑紫ガス

BCP対策のブラックアウトスタート(BOS)型GHP提案を注力して提案を行ない、昨年以上に商品・施工知識の向上ができたと感じた。リニューアル提案は、引き続き専門チームによる巡回に注力し、サービス部門と連携を図りながら、補助金を活用した提案巡回を行う。

●高松ガス

ガス空調の実績なし。

●唐津ガス

佐賀県唐津市の物件にも空調導入提案を図っているが、GHPのメンテコスト高等により、現状はEHPばかりである。今後の課題としてはEHPとGHPのメリットを生かして、併用して提案していく予定。

●宮崎ガス

課題=顧客が満足するワンストップのメンテナンス体制。施策=当社管内でも市内小中学校へのGHP導入が実施された。停電対応機の導入もあり、電源の二重化等のレジリエンスの意識も高くなっている。補助金を活用した提案を積極的に実施する。

●南日本ガス

既存空調設備の経年機器については、入り替えの提案を継続して実施している。公共施設等での計画についても予算組みに合わせ提案営業を行っている。設計事務所・設備会社との関係構築を行いながらガス空調の導入に向けた理解を得ることが重要と考える。今後予想される災害による電力逼迫等も視野に入れ、提案力の向上と補助金活用を切り口に営業展開していく方針。

●国分隼人ガス

課題=低コスト化、知識、技能習得認知度アップ。施策=ガス空調のランニングコストの良さと環境への良さのPRと見込みの顧客へ提案営業。

●出水ガス

原料費の高騰による現在のガス単価では、電力と比較したときメリットが出にくい。また、大型店舗への提案においては、提案から工事それにメンテナンス等人員が必要となり、現人員体制では難しい。

●沖縄ガス

課題=導入コストが電気空調に比べて割高なことから、投資回収型の理解が得られにくい。また、適当な物件が限られるほか、近年では、パッケージ空調のメリットに押され、電気空調に切り替えられるケースも多い。

施策=既設のガス空調物件のリプレースや同業態物件への新規スペックイン並びに電気空調からガス空調へ燃料転換提案等を行っている。

また、官公庁、設備設計事務所へ、環境性、経済性、ブラックアウトや発電対応型によるBCPに沿った設備提案を行っている。

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