GENIX-CN70

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6月21日終値

21日東証 GENIX-CN70は2週間ぶりに反落。総じて利益確定売りに押される中、指数構成銘柄の三菱重工、デンヨーが高値を更新。1対4の株式分割を行うと発表した岩谷産業も根強く物色された。
市況情報

 14日東証 GENIX-CN70は前週末比0.94ポイント高の192.96と2週間ぶりに反発した。指数構成銘柄ではK&Oエナジーグループ、三菱重工業、伊藤忠が上場来高値を更新したほか、岩谷産業、関西電力、東邦ガスなど大手電力・ガス株も根強く物色された。

 K&Oエナジーの株価は今年大きく値上がりし、11日の上場来高値4230円は昨年末終値2041円から2倍を超える上昇になっている。同社は千葉県で天然ガス・ヨウ素を産出しており、ヨウ素が次世代太陽光(ペレブスカイト太陽電池)の材料となることから注目を浴びているようだ。

 経済産業省が5月29日、第1回「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」を開催したことも手掛かり材料になっている。同協議会では日本が先行するペレブスカイト太陽電池の普及促進を目指している。日本のヨウ素生産量は世界第2位であり、エネルギー安全保障の観点からも期待が大きい。また、今週は米国でスタートアップがペレブスカイト太陽電池の工場を新設するとの報道も関心を集めたようだ。さらに、同業の伊勢化学工業の株価が昨年末の8590円から、本日の最高値40500円まで実に4.7倍となる大相場を演じていることも刺激になっている。

(2024年6月14日配信)

【過去解説記事】

 米国で天然ガス先物価格(ヘンリーハブ=HH)が上昇している。6月11日の期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり3.129ドルと、今年1月12日の3.313ドル以来、5カ月ぶりに3ドル大台に乗せた。2~3月には1.5ドル台の安値を付けていた。また1年前のこの時期は2ドル台半ばで推移していた。

 最近の市況動向についてJOGMEC調査部白川裕調査役は、「市況低迷時に掘削井が絞られた影響で、ガス生産量がジワリ減少している。そこに米国南部を中心とした記録的な猛暑による発電用ガス需要増が加わった」と指摘する。また、当面の値動きについては、「ガス発電用の需要は既に限界に達しているため、先物価格がこの先もさらに大きく値上がりする展開は想定しにくい」としている。

(2024年6月13日配信)

 6月7日東証 この週の東証株価は高値圏で伸び悩み、7日の東証株価指数(TOPIX)終値は前週末比0.6%値下がりした。GENIX-CN70も上値が重く2週間ぶりに反落し、前週末比1.9%の下落となった。

 GENIX-CN70構成銘柄の足取りは総じて重いが、その中で異彩を放つ逆行高を演じたのがデンヨーだ。同社は量産型燃料電池式可搬形発電装置を開発するなど水素関連ビジネスを手掛けている。

 同社株価は2020年9月と同年11月に付けた2600円台の高値を一気に払い、2700円台半ばに到達した。約1カ月間で株価は2割を超える上昇となったが、業績は好調で株価指標面に割高感は乏しいと見られる。「チャート上の節目を突破してきたことで、目先妙味が膨らんでいる。また同社は可搬型、非常用発電機を手掛けており、梅雨入りを前に防災関連の切り口にも関心が向いている」(市場関係者)。日本ではゲリラ豪雨が頻発化しているが、同社が強みとする北米ではこの時期ハリケーンの多発が警戒されている。シーズン性を発揮する場面も期待されているようだ。

(2024年6月7日配信)

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)6月分は、プロパンが1トン当たり580ドルと前月分と同値だった。ブタンは前月比20ドル値下がり(下落率3・42%)して565ドルとなった。ブタンは3カ月連続で下落した。

 先週の米国プロパンスポット市況(MB)はトン当たり400ドル前後で推移。原油先物市況(WTI)は足元の堅調な在庫状況や長期金利の高止まりなどを受けて、1バレル70ドル台後半では上値が重くなっている。

(2024年6月3日配信)

 5月31日東証 GENIX-CN70は3週間ぶりに最高値を更新した。次世代太陽光発電(ペレブスカイト)関連として注目されるK&Oエネジーが一時未踏の4000円台に乗せたほか、栗本鉄工は18年ぶりの5000円台、川崎重工は9年ぶりの6000円台、ENEOSは6年ぶりの800円台となるなど大台替わりが相次いだ。北海道電力、九州電力などの電力株や、商社、海運株なども根強く物色されている。

 三浦工業が急伸し、およそ3カ月ぶりに本年高値を更新した。同社は5月30日、ダイキンと業務資本提携すると発表。工場向けに空調や蒸気ボイラ、水処理システムなど熱・空気・水に関するトータルソリューションをワンストップで提案する。それぞれの強みを生かして工場のカーボンニュートラル化のニーズに応える。三浦工業は国内の工場に、ダイキンは海外に強固なネットワークを有しており、市場はメリットを発揮しやすい組み合わせと受け止めているようだ。また、ダイキンは三浦工業の発行済み株式4.67%を三浦工業の自社株から購入する。三浦工業はその売却代金でダイキン子会社の株式49%を取得する。株式価値の希薄化や当面の株式需給悪化を招かない資本提携スキームも好感されたようだ。関連記事(https://www.gas-enenews.co.jp/gijutsu-shinseihin-hoan/40495/

(2024年5月31日)

 米国の天然ガス市況が上昇している。ヘンリーハブ(HH)先物期近価格は5月23日、百万BTU(英国熱量単位)当たり一時2.9ドル台に上昇した。3ドルは今年1月以来となる高値水準。「米国ガス市況は2~3月に1ドル台半ばまで大きく下げた経緯があり、その際に生産リグの稼働台数が削減された。その影響がここにきて出始めている」(JOGMEC調査部白川裕調査役)という。また、米国南部を中心にこの夏の気温が高めになるとの予報や、米フリーポートLNG輸出プロジェクトが本格生産に復帰したことなども材料視されているという。

(2024年5月24日配信)

 5月17日 GENIX-CN70は前週末比2.35ポイント安の192.12と4週ぶりに下落した。総じて利益確定売りに押される展開となったが、その中で13日に決算を発表した岩谷産業、14日に決算・大規模な自社株買いを発表したENEOSの株価が急伸した。どちらも一時本年高値を更新するなど人気付いた。

 岩谷産業の決算について市場関係者は、「前期実績も今期予想も2桁増益の好決算。ただ今期の配当金予想額が据え置かれたため、株価は急伸後伸び悩んだが、持分法対象のコスモエネルギーの寄与分も見込め、今後増配期待から見直される可能性がある」とする。

 ENEOSの自社株買いは上限が発行済み株式総数の2割強におよぶ大規模なもので、市場にサプライズを与えた。「経営陣の資本効率・株主還元への意識の高さを感じる内容。大型投資がなく、JX金属がIPOに向けて資産売却を進める中、財務体質が良好になっていることが背景にある」(大手証券アナリスト)と見ている。

(2024年5月17日)

 GENIX-CN70は10日、前週末比2.33ポイント高い194.47ポイントと3週連続で値上がりし、前週に続いて過去最高値を更新した。

 指数構成銘柄では大阪ガス、北海道ガスなどが過去20年来の高値を更新。大阪ガスは8日発表の自社株買いが好感されている。「3月発表の中期計画で株主資本配当率に基づく増配方針が打ち出されたばかりの株主還元策で、サプライズとして受け止められた」(アナリスト)。北海道ガスは4月30日発表の株式分割(1対5)や今期実質増配を手掛かりに人気化している。PBRは0.8倍台に上昇し、課題の1倍割れ解消が現実味を帯びてきた。

 岩谷産業も急伸し、4月に付けた最高値9311円を射程に捉えてきた。同社の3月期決算は5月13日午後2時半に発表予定だが、同社がさきごろ筆頭株主となったコスモエネルギーホールディングスが昨日決算発表を行い、堅調な業績と自社株買い、年間300円配当を維持する方針が明らかになった。コスモエネの株価は本日、一気に高値を更新、岩谷産業の株価支援材料になっている。

(2024年5月10日配信)

  中東産LPG日本向け長期契約価格(サウジCP)5月分は、プロパンが1㌧当たり580ドルと前月比35ドル下落した(下落率5・69%)。値下がりは4月分に続いて2カ月連続。

  ブタンは前月比35ドル値下がりして(下落率5・65%)1トン当たり585ドルとなった。ブタンも2カ月連続で下落した。

(2024年4月26日配信)

 中国税関が18日に発表した3月のLNG輸入量は前年同月比24・1%増の665万㌧となり、3月としては2021年の564万㌧を上回り3年ぶりに過去最高を更新した。1~3月の累計輸入量は同20・4%増の1985万㌧と、年間輸入量が過去最高だった21年同期を0・8%上回った。

 今年第1四半期の国内総生産は5・5%増と昨年第4四半期の5・2%増を上回った。輸出産業を中心に二酸化炭素排出削減のためのガスシフトも進んでいる。同期間のLNGスポット市況が前年同期を4割下回るなど割高感が薄れたことも需要喚起につながったようだ。今後の見通しについてエネルギー・金属鉱物資源機構調査部竹原美佳部長は、「国際市況はこのところ上昇に転じており、LNGスポット調達は目先一服しそうだが、地方政府のガス火力建設推進や船舶燃料のグリーン転換などもありガス需要そのものは高まる方向」としている。

(2024年4月18日配信)

 東証4月12日 東京ガスの株価が一時前日比54円高の3899円と前日に続いて上場来高値を更新した。同社株は今週に入って騰勢を強め、年初からの株価上昇率は20%に達した。3月中旬、大阪ガスの時価総額が一時、東京ガスを逆転したが、東京ガスが再び首位に立ちリードを広げている。4月19日に全国知事会が東京ガス横浜ステーションを視察し、e‐メタン製造実証の説明を受ける予定となっている。カーボンニュートラルに向けた同社の技術力に注目が集まりそうだ。株価上昇により、株価純資産倍率(PBR)は0.94倍へと上昇。1倍乗せが視野に入ってきた。

 都市ガス株では、北海道ガスの株価も上昇基調にあり、この日も前日マークした上場来高値2960円まで一時買い進まれる場面があった。年初からの上昇率は34%に達するが、同社株のPBRはいまだ0.7倍台にとどまり、依然割安感が漂う。北海道では半導体工場の新設で電力消費の大幅な伸びが予想され、北海道電力の株価もこのところ大幅に上昇している。

(2024年4月12日配信)

 4月3日 米原油先物(WTI)は前日比28セント高の85.43ドルと3日続伸、本年の高値を更新した。ウクライナによるロシア主要製油所への無人機攻撃や、イラン大統領によるイスラエルへの報復表明など地政学的リスクの高まりが背景にある。また週間統計で米国原油在庫が前年同期比18.5%減と減少が目立ったことも材料視されている。

 注目されたOPECプラス合同閣僚監視委員会は、生産目標維持を決定。また、米連邦準備理事会パウエル議長は講演で利下げを急がない姿勢を示したとされる。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部・芥田知至主任研究員は、「中東、ウクライナ情勢は今後一段と動向が注視される。また、米金融政策、中国当局による経済運営、産油国の生産方針なども引き続き注目される。ただ、米中の景気は石油需要を上振れさせるほどには強くないとみられ、相場の上昇傾向を決定づける材料は出にくいと思われる。相場は再び一進一退の推移となりやすい」と指摘。もっとも、今年後半にかけて米利下げを受けてドル安が進む展開となれば、ドル建ての原油価格には割安感が生じ上昇圧力がかかりやすくなるとし、今年度は1バレル95ドル程度の上値が見込めるとしている。

(2024年4月4日配信)

 GENIX-CN70は年度内最終売買日となった3月29日、前週末比0.55ポイント上昇し189.41と、2週続けて最高値を更新した。3月末割り当てで1対10の大幅な株式分割を実施した三菱重工業は権利落ち後も堅調で、修正株価は連日の最高値となった。GENIX-CN70構成銘柄では他に理研計器が1対2、川崎汽船が1対3の株式分割を3月末割り当てで実施した。

 岩谷産業の株価が3連騰で、連日の上場来高値更新。3月28日にコスモエネHD株式を追加取得し、持ち分法適用会社にしたと発表したことが材料視されている。コスモエネの今期純利益予想は780億円、岩谷産業は335億円。持ち分比率2割相当の利益が来期以降、上乗せされるインパクトの大きさが期待されているようだ。また、会社側は本件株式取得に要する資金を借り入れで賄うとしており、「増資による一株当たり利益の希薄化が回避される見通しになったことも好感されている」(国内証券調査部)という。

(2024年3月29日配信)

 米国3月26日、米パイプラインガス(ヘンリーハブ=HH)先物価格が終値で5日続落し、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.575ドルに下落。2月20日に付けた本年安値1.576ドルを1カ月ぶりに割り込んだ。ザラ場安値は1.4㌦台まであった。

 米エネルギー情報局(EIA)が3月21日に発表した週間データによると、米国の地下ガス在庫量は3月15日時点で前年比21%増、過去5年間の平均値に対しては41%上回っている。エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役は、「気温が上がり需要が低下して、在庫がさらに積み上がったことと、生産がすぐには低下しないことが主要因」と指摘する。こうした在庫の荷余り感が先物市況の上値を重くしているようだ。

 HH先物価格の過去15年間の値動きを振り返ると、期近先物価格が1ドル台まで下落した年は2012年、16年、20年の3回あり、当該年の安値形成月はそれぞれ、4月(1.9ドル)、3月(1.6ドル)、6月(1.4ドル)となっている。春に安値を付ける習性と、この間の価格水準が切り下がる傾向が見て取れる。

(2024年3月27日配信)

 3月22日、ガスエネ株価指数カーボンニュートラル70(GENIX‐CN70)は2週間ぶりに過去最高値を更新した。GENIX‐CN70構成銘柄はほぼ全面高となり、K&Oエナジー、三菱重工、岩谷産業、大阪ガスなどが最高値を更新した。

 なお、三菱重工(1株→10株)、理研計器(1株→2株)、川崎汽船(1株→3株)は3月28日付で株式分割の権利を落とす。株式分割のメリットとしては、単位投資額の引き下げによる投資家層のすそ野拡大、流動性の向上などが指摘される。昨年以降で、株式分割を実施したリンナイ、NTT、三菱商事、京セラは、権利落ち後も堅調な値動きを保っている。

(2024年3月22日配信)

 3月15日 ENEOSHD(GENIX―CN70構成銘柄)の株価が朝方から買い進まれ、5年3カ月ぶりに700円台に乗せてきた。他にもINPEXや石油資源開発、コスモエネルギーHDなどの石油関連株、資源高が利益に結び付く商社株も軒並み値上がりしている。コスモエネルギーは国内大手証券が投資格付けを引き上げたことも好感され、株価は上場来高値を更新した。

 株式市場は、米原油先物(WTI)が14日、期近4月渡し終値で1バレル81.26ドルと続伸し、昨年11月6日の80.82ドル以来の80ドル台乗せとなったことを材料視しているようだ。国際エネルギー機関(IEA)が同日公表した市場レポートでは、今年の石油需給は供給不足になるとの予測が示されている。産油国の自主減産延長による供給減や、紅海におけるタンカー襲撃で海上輸送距離が延びておりバンカー燃料の需要増加を織り込んだという。もっとも原油市況は過去1年余りにわたって、おおむね70ドルから80ドルのレンジで推移しており、80ドル台では上値の重さも意識されそうだ。

(2024年3月15日配信)

 3月8日 大阪ガス(GENIX CN‐70構成銘柄)の株価が前日比153円高の3350円で寄り付き、直後に230円高の3427円まで上昇。1月11日に付けた上場来高値3242円を一気に更新した。同社は7日、3カ年中期経営計画を策定し、配当を原則減配せず維持または増配する累進配当制度を導入すると発表し、好感された。

 2024年3月期の配当金は前期比12円50銭増配して72円50銭(従来予想65円)に、25年3月期は95円を目指す方針も示した。株主資本配当率を3%とする方針を掲げ、機動的な自己株取得も検討するとした。この他、自己資本利益率(ROE)の目標は26年度に8%程度、投下資本利益率(ROIC)は5%程度を目指す。「株価を意識した経営姿勢に変化していると株式市場が受け止めており、都市ガス株の中でも相対的な値上がりが目立ってきている」(中堅証券)という。この日前場終値での時価総額は、大阪ガスが1.43兆円、東京ガスは1.41兆円となり、大阪ガスが東京ガスを逆転した。

(2024年3月8日配信)

 2月22日 東証では朝方から買いが先行し、日経平均株価は大幅に反発した。終値は初の3万9000円台で、1989年12月以来の史上最高値更新となった。注目された米エヌビディアの決算が市場関係者の事前予想を上回り、3連休控えにもかかわらず、マーケットのセンチメントは強気に傾いた。半導体関連株をリード役に、主力株を中心に幅広く買い進まれた。

 GENIX‐CN70構成銘柄も軒並み上伸した。三菱重工業が上場来高値を更新し、日本酸素HD、川崎汽船は最高値をうかがう動き。原油市況の上昇を背景に石油資源開発など石油関連株も値上がりした。

(2024年2月22日配信)

 米国パイプラインガス市場価格(ヘンリーハブ先物)が2月15日、8日連続安となり、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.5㌦台まで下落、2020年6月以来の安値水準となった。在庫の積み上がりが背景にあるという。

 エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80㌦弱と堅調なことから、パーミアン盆地を中心にシェールオイルの生産が盛んで、随伴ガスの生産量も増えている。気温が高めに推移していることもあり、地下在庫は過去5年間の最高水準に到達している」と指摘。

 先物市場の中心商いが春の需要閑散期に移りつつあることから、市況は当面弱含みで推移しそうだ。
(2024年2月16日配信)

2月12日 米国で天然ガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格=HH)が5日続落し、期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり1.768ドルに下落した。1.7ドル台は2020年7月以来の安値となる。市中在庫が高水準にあり、市場のセンチメントを圧迫している。

HHは昨年11月以降、3ドルを割り込むなど市況の低迷が続いているが、生産量が落ち込む兆しはいまだ見えないという。エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80ドル弱と堅調に推移していることから、オイルリッチなパーミアン盆地を中心に油狙いの生産が盛んになっている。このため副産物であるガスの生産も増加している」と指摘する。

(2024年2月13日配信)

米国市場でガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格)が続落している。7日に心理的な下値めどと見られていた百万BTU(英国熱量単位)当たり2ドルを割り込むと、8日終値は一段安となり1.917ドルまで下落した。およそ3年5カ月ぶりの安値水準となる。

市況下落の背景には、マーケットの荷余り感があるようだ。「このところの気温上昇で暖房用需要が低下しており、地下在庫量は過去5年間の上限レベルに到達している。当面は上値の重い展開が続きそうだ」(エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役)。

ヘンリーハブ価格の下落に伴い、米国産LNGの輸出価格も低下しており、現状は世界の主要輸出国の中でも最も安価な水準となっている。

(2024年2月9日配信)

2月6日 東証後場 三菱重工業の株価が昨日の1万円初登頂に続いて一段高となった。この日午後、同社は3月末割り当てで株式1株を10株に分割すると発表。合わせて発表された今2024年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比11%増、純利益は同倍増となるなど好調ぶりが明らかになった。通期の受注見通しを6兆円とし、従来予想に4000億円上積みした。これら大幅な株式分割と好調な業績動向が素直に好感され、買いが買いを呼ぶ好循環となっている。

同社株は1年前の2月には5000円前後で推移しており、そこから株価水準はちょうど2倍になっている。

(2024年2月6日配信)

1月31日 サウジアラムコがこのほど日本のLPガス輸入事業者に通知したプロパン2月分出荷価格(サウジ2月CP)は、前月比10ドル値上がりして630ドルとなった。値上がりは昨年8月分(470ドル)以降、12月分の変わらずを挟んで8カ月連続。

LPガス市況に影響する原油市況が、12月初旬を底に水準を切り上げているほか、世界最大のLPガス輸出国である米国において、プロパン在庫の取り崩しが進み、市況が上昇したことが背景にある。米国ではLPガスの一大輸出地域であるメキシコ湾で濃霧が観測されており、輸出作業への影響も警戒されたという。サウジCP2月ブタンも、前月比10ドル値上がりして640ドルとなった。

(2024年2月1日配信)

1月26日GENIX-CN70は前週比0.64ポイント値上がりして169.36ポイントとなった。7週間連続の上昇で、3週続けて統計開始来の最高値を更新した。一方、東証株式市場全体としては、このところの上げピッチの速さから利食いが広がり、東証株価指数(TOPIX)は7週ぶりに値下がりした。

GENIX-CN70の構成銘柄で値上がりが目立ったのは、25日に2023年12月期決算を発表したHIOKI。24年12月期も増収増益を見込み、配当金を年200円に連続増配する方針が好感されたようだ。

このほか、三菱重工業、三菱化工機が高値圏で頑強な値動き。SMBC日興証券が目標株価を引き上げたウエストホールディングスも下値を切り上げている。

(2024年1月26日配信)

 欧州パイプラインガス先物価格が17日、百万BTU(英国熱量単位)当たり8ドル台まで下落し、昨年8月以来の安値水準となった。北東アジアLNGスポット価格も続落しており、17日は昨年6月以来の9ドル台を付けている。先物の決済期日が2月から3月に移り冬場の需要期を過ぎることで、足取りが弱くなっている。昨年の安値は欧州ガス先物価格が7ドル台、スポットLNGは8ドル台だった。

 当面の市況動向についてエネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は、「カタールから欧州にLNGが年間1500万トン供給されており、スエズ運河の通航リスクが警戒されているものの、それでも欧州の在庫水準が依然として高いため、中東からの輸送に支障が生じても当面の供給は何とかなると見られている。昨年10月から輸出を再開したエジプトLNGもまだ量は少ないとはいえ心理的な支えになっている。不需要期の相場は数年前なら3~4ドルもありえたが、安価になったスポットLNGを中国が仕込む動きも見られるため、今回はそこまで下がらないだろう」とする。また、「足元のスポット需要は弱いが、供給力に余裕があるほどの状況でもない。幸いにして供給設備のトラブルは昨年から起きていないが、いつ起きても不思議はない。先行きを楽観視するわけにはいかない」と指摘する。

(2024年1月18日配信)

東京株式市場は年末・年始と値上がり基調を強めており、GENIX-CN70も12月15日から1月12日終値まで5週連続で上昇した。1月12日の終値は167.67ポイントとなり、昨年9月15日にマークした指数算出以来の最高値165.83ポイントを4カ月ぶりに更新した。

GENIX-CN70構成銘柄では、商社株の値上がりが目立ち、伊藤忠商事、住友商事が最高値を更新。海運株も高値圏でしっかり。個別銘柄では、三菱重工業、愛知時計電機が最高値を付けた。本日午前、2024年8月期第1四半期決算を発表し、大幅な増収増益が確認されたウエストホールディングスが急伸した。

(2024年1月12日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)1月分は、プロパンが前月比10㌦高い1トン620㌦。ブタンも同じく10㌦値上がりして630㌦となった。小幅高ながら、極東マーケットは足元で強弱感が交錯しており、先行きの方向感は乏しい状況。米国のプロパンスポット市況(モントベルビュー)は12月分が1トン357㌦と、前月から約25㌦値上がりした。依然として近年の安値圏での値動きではあるが、市中の在庫水準は過去5年平均並みまで減少しており、底堅さも見られる。

(2024年1月10日配信)

1月5日 2024年の年明けの東京株式市場は、能登半島地震を受けて4日の大発会は売り物先行でスタートしたが、新NISA開始に伴う投資資金流入などによる先高期待から押し目買いが優勢となり、結局、東証株価指数(TOPIX)は4日、5日と続伸した。

GENIX-CN70も12月最終週に続いて上昇し、5日終値は164ポイントと、5週ぶりに160ポイント台を回復。昨年9月15日にマークした最高値165.83に急接近した。指数構成銘柄では、大阪ガスが大幅高となり、5日に一時3111円まで上昇。12月13日に付けた最高値3077円を上回った。4日以降終値ベースでも初めてとなる3000円台を維持している。このほかでは、海運株が人気を集めており、日本郵船、商船三井が最高値を更新した。

(2024年1月5日配信)

12月29日 東京証券取引所最終売買日(大納会)は、今年1年の相場を象徴するような堅調な展開だった。その中でGENIX-CN70は前週に続いて上昇し、3週連続高で今年を締めくくった。GENIX-CN70の年間騰落率はプラス25%となり、東証株価指数の上昇率と互角の好成績だった。

GENIX-CN70構成銘柄の中で値上がりが目立ったのは、川崎汽船、日本酸素、栗本鉄工、愛知時計電機、関電工など。一方、不調だったのは、イーレックス、レノバ、テスHD、ウエストHDなどだった。なお12月末割り当てで、京セラが1株を4株、三菱商事は1株を3株に株式分割した。GENIX-CN70もこれに合わせて、株式分割の影響を考慮した修正株価指数を算出している。

(2023年12月29日配信)

12月22日 GENIX-CN70は前週に続いて上伸した。全般は高安まちまちだが、値がさ株の海運3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)がそろって本年高値を更新し、CN70を押し上げた。また、工場新設で恩恵を受ける理研計器が12月20日上場来高値を更新した。

海運株が動意付いたのは先週末。紅海で武装組織による商業船への攻撃が相次いだことで、海運会社がスエズ運河の航行を見合わせ、迂回経路による輸送距離の延長などで海運市況が上昇するとの思惑が働いた格好。海運株はコロナ禍前後の市況高騰局面で株価が5倍以上に跳ね上がっており、その記憶がまだ新しいだけに思惑が先行しやすいようだ。

(2023年12月22日配信)

12月15日 GENIX-CN70は3週ぶりに反発した。指数構成銘柄では、理研計器の株価が13日に上場来高値を更新。大阪ガスも同日最高値を更新し、未踏の3000円台に一時到達した。

岩谷産業の株価はコスモエネルギーホールディングスの筆頭株主になると発表した12月1日以降、大きく値下がりしたが、15日終値は7日ぶりにプラスに転じた。

14日に一時5996円まで下げ、4月初旬以来8カ月ぶりとなる6000円大台割れを見たことで、値ごろ妙味が台頭したようだ。9月高値からこの安値までの下落率は26%に達し、一株当たり純資産5249円も意識される水準となっていた。チャート面から当面の戻りめどを探ると、25日移動平均線の6866円、9月高値から直近安値までの下げ幅の半値戻し6770円など、6800円あたりが意識されそうだ。

(2023年12月15日配信)

12月13日 GENIX-CN70構成銘柄の大阪ガスが4日続伸し、一時3077円の高値を付けた。3000円台に乗せたのは上場来初。12日大引け後に、日本経済新聞が「伊藤忠と大阪ガス、世界最大級の水素生産に最大4割出資」と報じ、これを材料視する買い注文が朝方から集まった。

株価は11月初旬、自社株買いの発表を契機に大きく上放たれ、過去16年来の上値抵抗線となっていた2600円前後の節を突き抜けてきた直後とあって、しこり感のないチャート妙味も好感されているようだ。

12日に発表された欧州の水素企業Everfuelのニュースリリース

(2023年12月13日配信)

12月8日 GENIX-CN70は前週に続いて下落した。急速な円高進行や世界的な景気減速懸念を受けて、東京株式市場はこの日、ほぼ全面安となった。GENIX-CN70構成銘柄にも利益確定の売りが先行した。中でも、原油先物市況の下落を受けて、石油、造船、商社、海運株などが大きく値を下げた。

12月1日引け後にコスモエネルギーホールディングス株式大量取得を発表した岩谷産業は、週明け4日から株価が大きく下げ、発表前の終値7141円から8日安値6388円まで5日間で10%を超える下げとなった。9月の本年高値8040円からの下落率は20%に達している。アナリストからは「コスモエネ株取得に1千億円を超える大金を投じることについて、どのようなリターンを見込んでいるのか、できる限り定量的な説明が欲しい。株価の下げは合理的な反応。投資家は追加情報を待っている」との声が聞かれる。コスモエネ株が取得価格を割り込んでいることも嫌気されているようだ。

(2023年12月8日配信)

米原油先物価格(WTI)は12月6日、前日比2.94ドル安の69.38ドルと5日連続で値下がりした。節目と見られた1バレル70ドル台を5カ月ぶりに割り込んだ。9月に付けた本年高値93.68ドルからの下落率は26%に拡大するなど下値を模索する動きとなっている。

注目された11月30日のOPECプラス会合は、各国から自主減産(来年1~3月期に日量約220万バレル)が発表されたものの、想定の範囲内と受け止められたようで、相場の下落基調を反転させるには至らなかった。

相場が弱含んでいるのは、世界的な景況悪化に伴う需要減少への警戒があると見られる。「不動産不況が続く中国経済の停滞や、ここまでの利上げで減速が見込まれる米国景気などを考慮すると石油需要は伸び悩み、自主減産してもなお需給は引き締まらないのではないか」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部芥田知至シニアアナリスト)との指摘がある。当面は今週末発表される米雇用統計をはじめ、主要な経済指標を横目にみながら神経質な値動きが続きそうだ。

(2023年12月7日配信)

12月1日 岩谷産業(GENIX‐CN70構成銘柄)はこの日、コスモエネルギーホールディングスの株式を追加取得すると発表した。旧村上ファンド系と見られる既存株主から計約1740万株を1053億円で取得する。取得済みの持ち株と合わせた保有比率は19.93%となり、同社の筆頭株主になる。

1株当たりの取得価格は約6051円で、この日の東証終値5616円を約8%上回るが、価格の算定根拠については明らかにしていない。今後については、「より一層連携を深め、新たなシナジーを創出する」としているが、具体的な方向性はまだ示されていない。また、今3月期連結業績への影響については「精査中」としている。

サウジCP12月分は、前月と同価格の1バレル610ドル、ブタンも変わらずの620ドルとなった。

(2023年12月1日配信)

11月24日 東京証券取引所で三菱重工業(GENIX‐CN70構成銘柄)の株価が前日比529円高と大幅続伸し、およそ2カ月ぶりに8800円台まで水準を切り上げた。

同社は11月22日に防衛事業説明会を開催し、来年度からの3カ年は防衛力整備計画の大幅な拡充を受けて同社の事業規模は2倍以上になると発表した。過去長期にわたり同事業規模は5,000億円弱で推移していたが、来年度からの3カ年は1兆円規模になるとした。祝日をはさんでこの日は朝方から買いが先行、業績拡大への期待感を織り込む動きを見せた。株価が1万円に近づいていることから、株式分割を催促する値動きにも映る。

ガスエネルギー新聞が注目する同社のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも続いている。弊紙11月20日付では三菱重工エンジン&ターボチャージャの「水素混焼50%で安定燃焼、5700キロワット級ガスエンジン」を技術面トップで紹介している。また、同日付紙面には「水素特集」を掲載しており、三菱重工の高砂水素パークなどを詳しく紹介している。

(2023年11月24日配信)

11月14日の東京証券取引所で大阪ガスが4日続伸し、ザラ場の高値は2920.5円まで買い進まれた。11月7日にマークした上場来高値2914.5円を5営業日ぶりに更新した。10月27日発表の中間決算が好感されているほか、同日発表の自社株買いも歓迎されているようだ。マーケットでは、大阪ガスの株価格付けを従来から「買い」としていたみずほ証券が、目標株価を2600円から3300円に引き上げたとの情報もこの日伝わった。

大阪ガスの株価をローソク足(日足)で見ると、11月9日から10日にかけて、さらに10日から13日、13日から14日にかけても連続して窓「空」ができた。4本の陽線と「三空」で形成される高値圏でのこの形は「三空踏み上げ」と呼ばれ、チャートを投資判断のよりどころとする投資家は、空売りを仕掛ける急所とみる。同社株の信用買い残は、売り残が買い残を超過した状態にある。確かに目先は急伸した後だけに強弱感が対立しやすい場面と言えるが、この日の株価は株価純資産倍率が0.7倍台と依然として割安な状態にあることから、むしろ売り方の手仕舞い(買い戻し)による一段の上昇を読む向きもある。

関連記事 大阪ガスが上昇率首位、愛知時計は最高値を更新/GENIX―CN70 - ガスエネルギー新聞 (gas-enenews.co.jp)

(2023年11月14日配信)

 11月2日のGENIX‐CN70は3週ぶりに反発した。自社株買いを発表した大阪ガスが急伸し、最高値を更新したほか、業績好調の日本酸素、愛知時計も高値を更新した。

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の11月分は、プロパンが1トン当たり前月比10㌦値上がりして610㌦(前月比1.67%高)となった。ブタンは同5㌦値上がりして620㌦(同0.81%高)。プロパン、ブタンともに4カ月連続で値上がりした。

 LPG市況に影響を与える原油相場の値動きはこのところ重くなっているが、LPG市況はこれから需要期を迎える季節性もあって、先高観が根強いようだ。日本向け米国産LPGの航路に当たる中南米パナマ運河が、渇水の影響で渋滞解消に時間がかかるとの見通しも強気の見方を支えているようだ。

 CPのこの1年間の価格推移を振り返ると、プロパンは2月に790㌦のピークを迎え、その後は大きく値下がりして、7月に400㌦のボトムを付けている。ブタンも同様に2月の790㌦でピークを打ち、7月には375㌦の安値を付けている。

(2023年11月2日配信)

10月27日 GENIX-CN70は前週末終値から0.2ポイント下落して155.81と2週連続で下落した。東証株価も0.06ポイント下がって142.76となった。

10月以降、株式市場は調整色を強めており、9月最終週との比較ではGENIX-CN70、東証株価ともに約3%下落している。

GENIX-CN70の構成銘柄のうち9月末比で上昇したのは全体の2割16銘柄にとどまる。その中で愛知時計が本年高値を更新したほか、日本酸素、栗本鉄工、川崎汽船などが高値圏で頑強な値動きを見せている。

(2023年10月27日配信)

10月19日の米原油先物(WTI)価格は3日続伸。中東地域の紛争拡大への懸念が市況を押し上げた。

国際ガス市況も値上がりしており、欧州パイプラインガス先物価格(TTF)は13日に百万BTU(英国熱量単位)当たり16ドル台、スポットLNG価格は18日に19ドル台へと上昇している。

イスラエル沖の海洋ガス田(タマル)が操業を停止したと報じられており、このガスを原料とするエジプト産LNGの出荷に影響が及ぶ恐れが指摘されている。

(2023年10月20日配信)

 10月9日の米原油先物(WTI)市況は2日続伸し、1バレル前日比3.59㌦高の86.38㌦に上昇した。6日の米雇用統計は市場の予想を上回る数値で、長期金利上昇を促したが、原油市場は底固い動きを見せた。そこに、イスラエル・パレスチナ間で大規模な武力衝突が発生。中東の地政学的リスクが高まったことで、買い気が優勢となったようだ。また、本年高値を付けた9月27日以降の下げが急だったこともあり、買い戻しも入りやすかったと見られる。

 一方、連休明け10月10日の東京株式市場は、朝方から買い戻しの動きが広がりほぼ全面高でスタート。GENIX‐CN70構成銘柄もこのところ下げがきつかった石油株などが買い気配で始まるなど総じてしっかりした動き。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の芥田知至主任研究員は当面の原油相場について、「今回の武力衝突にイランの関与があるのかどうかなど中東情勢には不透明な部分があり、不安定要素が増えた格好だ。他方、このところの米長期金利上昇やドル高が原油相場を下押しするとの見方や、米欧の金融引き締め効果で石油需要が鈍化するとの懸念も根強い。さらに中国の不動産不況、全米自動車労組(UAW)のストライキ、米予算審議の難航なども需要を鈍化させる要因として意識されている。当面は地政学的リスクや需給などの強弱材料が交錯する中で、不安定な推移が見込まれる」としている。(了)

(2023年10月9日配信)

米原油先物が10月4、5日と続落し、1バレル82㌦台まで下落、8月30日以来の安値水準となった。4日は下落率が5・61%に達する大幅な下げで、下落率が5%を超えるのは5月2日以来5カ月ぶり。9月27日に付けた本年高値93・68㌦から5日までの下落率は12%強に広がった。市場では、米ガソリン在庫の急増や強含んでいる長期金利の動向を警戒。今晩の米雇用統計の発表を注視している。

一方、米天然ガス先物(HH)価格は3日続伸し、今年3月以来となる百万BTU(英国熱量単位)当たり3ドル台に乗せてきた。

(2023年10月6日配信)

米原油先物が10月4日、前日比5.01㌦安の1バレル84.22㌦と急反落し、8月31日以来の安値水準に後退した。1日の下落率の大きさは5.61%に達した。5%を超える大幅な下げは5月2日の5.29%以来、5カ月ぶり。市場では、同日発表された米石油在庫統計でガソリン在庫の急増が明らかになり、これが利益確定売りを誘ったとの見方が出ている。

JOGMECの首席エコノミスト・野神隆之氏は、「統計で明らかになった米ガソリン需要の低迷は、この時期としては2000年以来の低水準。他にもロシアの軽油輸出禁止の一部解除検討の報道、サプライズのないOPECプラス産油国共同閣僚監視委員会の内容などの弱気材料がそろって現れた。このため、市場は狼狽売りの様相を呈しているが、今年第4四半期に供給不足に陥るとの認識に変化はなく、市場のセンチメントが根本的に変化したとは言い切れない。原油市況は売られ過ぎ気味の領域に入りつつあり、値頃感から買い戻しが発生しやすい状況ではあるが、まずは明日6日発表予定の米国雇用統計が注目される」としている。

10月5日の東証は朝方、昨日までの大幅安に対する自律反発の動きとなり、TOPIXが6日ぶりに反発するなど全般に買い物優勢の始まりとなったが、原油の急落を受けて、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEXや石油資源開発など石油関連株は売り気配のスタートとなった。

(2023年10月5日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の10月分は、プロパンがトン当たり前月比55㌦値上がりして600㌦(前月比9.09%高)、ブタンは同50㌦値上がりして 615㌦(同9.82%高)となった。プロパン、ブタンともに3カ月連続で値上がりした。背景には原油市況の上昇が指摘されている。

(2023年9月29日配信)

東証9月28日前場の寄り付きは、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮など石油株が大幅高でスタートした。朝方は全般に利益確定売りが先行する中で、石油関連株の値動きの強さが目立った。石油資源開発は2008年以来、13年振りとなる6000円台に到達した。

 前夜27日の米原油先物(WTI)価格は前日比3.29㌦値上がりして1バレル93.68㌦となり、7営業振りに今年の高値を更新した。また、当面の戻りのめどと見られていた昨年10、11月に付けた92㌦台の高値を一気に上抜いてきたことで、市場関係者の間では先高ムードが一層強まっている。

(2023年9月28日配信)

9月22日の東証株価は前夜の米国株式下落を受けて、朝方から売り先行で始まった。GENIX-CN70構成銘柄も商社、海運株など総じて下落した。半面、INPEX、石油資源開発、ENEOSなど石油株の一角は底固い動き。GENIX-CN70は前週末比2.08ポイント下落して164.04ポイントと5週ぶりに下落した。

21日の米原油先物市場は、米金融政策の引き締め長期化懸念が台頭し、利益確定売りに押された。期近終値は前日比0.65㌦安い89.63㌦と、3日続落し、6営業日ぶりに1バレル90㌦台を割り込んだ。

9月25日付紙面の関連記事「原油100ドルが視界に サウジ減産の影響を注視」

(2023年9月22日配信)

9月14日の米商品先物市場では、原油先物(WTI)価格が2日ぶりに反発し、終値は前日比1.64㌦値上がりして1バレル90.16㌦と、当面の節目と見られていた90㌦大台を突破した。90㌦に乗せるのは2022年11月7日の91.79㌦以来、10カ月ぶり。市場関係者の間では、原油需給の引き締まり感から先高を予想する声が強まっている。

原油市況の上昇を受けて、15日の東証ではGENIX-CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事といった、石油やエンジニアリング、商社など資源関連株が一斉に買い進まれた。INPEXは2008年以来、この週急伸した日揮は2018年以来の高値水準。

(2023年9月15日配信)

9月13日の東京証券取引所では、朝方からINPEX、石油資源開発、ENEOSなどGENIX-CN70構成銘柄の石油株が買い先行でスタートし、本年高値を更新した。前夜12日の米原油先物価格(期近終値)が前日比1.55㌦高の1バレル88.84㌦と反発し、約1週間ぶりに本年高値を更新したことが買いの手掛かりになっていると見られる。

原油市場では需給に引き締まり感が指摘されるなど、市況は当面強含むとの見方に傾斜しているようだ。ENEOSのこの日の株価は4年8か月ぶりとなる600円台を目前に捉えている。INPEXは2008年10月以来、石油資源開発は2009年6月以来の高値水準に来ている。

米原油先物は2008年に145㌦の最高値を付け、2011年から2014年にかけて100㌦前後で推移していた。最近の石油株は原油100㌦時代の再来をあたかも織り込むかのような値動きを見せている。

(2023年9月13日配信)

9月8日の東京株式市場は、前夜の米国株式市場の下落を受けて、朝方から利益確定売りが先行する展開となったが、この週のGENIX-CN70は前週末比1.67ポイント上昇して161.86と3週連続値上がりし、前週に続いて指数算出以来の高値を更新した。この週は三菱重工、川重重工、三井物産、石油資源開発などが指数をけん引した。

原油先物価格(米WTI)は9月7日、前日比0.67㌦安い1バレル86.87㌦と、10日ぶりに値下がりし、前日まで値上がりが目に付いたINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事などの資源関連株には利食い売りが広がった。

また、個別では、このところ物色人気を集めていた三菱重工も6日ぶりに反落した。半面、三菱重工の急上昇に対して出遅れ感が台頭していた川崎重工はこの日も買いが途切れず逆行高、10連騰となった。

三菱重工の本紙最新ニュース:長崎で脱炭素基盤技術 既存拠点連携し開発推進/三菱重工

川崎重工の本紙最新ユース:世界初ドライ式水素タービン、NOx抑制と高効率を両立/川崎重工
(2023年9月8日配信)

【特集】2023年度事業計画アンケート―記述回答(1)

【特集】2023年度事業計画アンケート―記述回答(1)

ガスエネルギー新聞はこのほど、全国の旧一般ガス事業者197者、新規ガス小売事業者14者を対象に、事業計画アンケートを実施し、160者(旧一般ガス事業者158者、新規ガス小売事業者2者)から回答を得た。2023年度事業計画の注力ポイントに関する各事業者の記述回答を紹介する。

〈事業計画の注力ポイント〉

●東京ガス

23年度は、東京ガスグループ23~25年度中期経営計画「CompassTransformation23―25」の初年度にあたり、三つの主要戦略である「エネルギー安定供給と脱炭素化の両立」「ソリューションの本格展開」「変化に強いしなやかな企業体質の実現」を早期に軌道に乗せ、23―25中計で掲げた目標達成に向けた取り組みを推進していく。

23―25中計で示した戦略に沿い、二酸化炭素(CO2)ネット・ゼロ関連、再生可能エネルギーを含む電源拡充、海外等成長領域への投資を拡大する。

取り組みの詳細=(1)LNG等エネルギー供給の不透明性が継続する中においても、調達側・販売側でのスキーム多様化や工夫により一定の収益性を確保しながら顧客基盤を拡大する(2)事業ブランドで規定した新たな提供価値である「レジリエンス」「最適化」「脱炭素」を軸にソリューションの再編を進め、ソリューション売上高・営業利益を伸長させる(3)経営サイクルの一環として事業ポートフォリオマネジメントを本格的に実行し、既存資産の売却および成長領域への投資を実行する(4)DX(デジタルトランスフォーメーション)の3本柱(デジタル取引プラットフォーム構築、顧客管理システム基盤の一元化、スタッフ業務改革)を確実に推進するとともに、教育・外部獲得双方のアプローチでDX人材を強化する(5)CO2削減貢献の取り組みに加え、自社活動排出CO2ネット・ゼロ化を推進する。

●大阪ガス

23年度は当社にとって中期経営計画の最終年度である。中期計画で掲げたROIC(投下資本利益率)やROE(自己資本利益率)といった目標をしっかりと達成したい。

活動面では、昨年、エネルギーの低・脱炭素化への移行に向けた全体像を示し、30年までの具体的な取り組みや顧客にご提供できるソリューションを取りまとめた「EnergyTransition2030」を策定した。30年度にCO2排出量削減500万トン/年を目指すなど、新たな目標を掲げてカーボンニュートラル(CN)の実現に向けた取り組みを加速する。

トランジション期における足下の天然ガスの普及拡大に向け、石炭火力から天然ガスへの転換を進めるとともに、電源の脱炭素化に向け、さまざまなパートナーとアライアンスを組みながら国内外で再エネ電源の保有・開発・調達を進めることで、23年度に再エネ普及貢献量250万キロワットを目指す。

また将来の都市ガスのCN化に向け、関西・大阪万博の会場で用いるバイオメタネーションの実証設備を建設するなど、e―methane(e―メタン)導入に向けた技術開発を実施。30年のe―メタン導入に向けた事業可能性調査を実施し、海外サプライチェーンの構築も引き続き検討する。

国内エネルギー事業では、「さすガねっと」や「スマイLINK」、オーダーメイドリノベーション事業に加え、新たに宅配冷蔵食事業を開始する。顧客の暮らしを支えるサービスに育てていきたい。

また、子会社のKRIが持つ蓄電池劣化診断技術などを活用した定置用蓄電池ビジネスも立ち上げる予定。ライフ&ビジネスソリューション事業においては、既存事業の深化を図るとともに、大阪ガス都市開発による物流不動産の開発や私募リートなどの新規事業、オージス総研での完全子会社化したアミックとの連携によるビジネス拡大のように、M&Aも視野に入れた事業領域の拡大を目指していく。

●東邦ガス

中期経営計画の2年目として、四つのテーマに沿って取り組みを推進。

<1CNの推進>(1)「CNに向けて、できること、ぜんぶ。」をコンセプトに、顧客のCN実現を支援するCN×P事業を拡大(2)e―メタンの導入に向け、国内外の取り組みを進めつつ、CO2分離回収の技術開発・実証を推進(3)水素サプライチェーンの構築に向け、製造設備の建設、輸送・供給体制の検討、消費に関する技術開発などに取り組む(4)再エネの電源開発・調達を拡大し、それらを活用した電力サービスを拡充。

<2エネルギー事業者としての進化>(1)顧客の多様なニーズに応え、顧客との接点を拡大・強化(2)都市ガス普及拡大に向けた基盤整備を推進しつつ、保安・防災対策に取り組む(3)環境変化に強いLNG調達ポートフォリオの構築や、多様な電源確保、最新技術などを活用したLPG調達・配送に取り組む(4)東南アジアなどでのエネルギー事業開拓や、国内外各地でのエネルギー事業強化に取り組む。

<3多様な価値の創造>(1)デジタルプラットフォームの強化により顧客接点を拡大し、「住」「食」「健康・介護」などのサービスメニュー・商材を拡充(2)CN×P事業の拡大に加え、業務用の顧客向け会員サイトを通じたサービスメニュー・商材の提供などにより、顧客のビジネス課題の解決に貢献(3)知多クールサーモンの陸上養殖・高効率農業の栽培実証など、他業種との共創などを含めて、新領域での事業拡大にも取り組む。

<4SDGs(持続可能な開発目標)達成への貢献>(1)自治体などとの連携をさらに深め、社会課題解決やレジリエンス向上に繋がる取り組みを強化(2)サステナビリティー実現に向け、ESG(環境・社会・企業統治)課題への取り組みを着実に推進(3)多様な人材が意欲・能力を十分に発揮できるよう、柔軟な働き方やダイバーシティの推進、学び・挑戦の機会を拡充。

●西部ガス

(1)総合エネルギー需要の維持拡大

都市ガス、LPガス、電気など、顧客の快適なくらしや社会に不可欠なエネルギーをワンストップで提供するとともに、顧客の要望をくみ取った魅力ある周辺サービスの普及拡大を図る。

(2)電力事業と再エネの拡大

電力事業は、ガス事業に次ぐエネルギー事業の柱へと拡大させる。

ひびき発電所の事業化による自社電源獲得を見据え、電力事業の収益向上や新たな電力ビジネスの構築を推進する。

また、再エネ事業は、太陽光、風力に加えて、バイオマスや小水力など新たな発電種別の開発に取り組む。

(3)国際エネルギー事業の推進

アジア市場を中心に海外のLNG需要は今後も拡大が見込まれるため、ひびきLNG基地の立地条件の優位性や拡張性を生かしつつ、西部ガスグループがこれまでに培ってきたLNG事業のノウハウを活用して需要を開拓する。

(4)CNの実現に向けた挑戦

トランジション期における天然ガスの果たす役割は大きく、石油・石炭からの天然ガスシフトを推進する。天然ガスシフトを進めていく中で、ガス導管網やひびきLNG基地の貯槽設備の増強など、将来需要に対するガスインフラ整備の検討を進める。また、メタネーションの実証事業や学術機関と連携したCO2回収など、新技術の導入を推進する。

(5)安定供給の確保とスマート保安の推進

近年、大規模な自然災害が多発しており、顧客の安全・安心確保の重要性が高まっている。地震等の災害に強い安定供給体制をさらに強化し、グループ一体となってレジリエンスを強化する。また、デジタル技術等の新技術導入によるスマート保安を推進する。

●京葉ガス

本年は、中期経営計画(22年~24年)の2年目であり、「CNチャレンジ2050」「CX・DX戦略」も踏まえて、引き続き四つの重点戦略「低炭素・脱炭素社会への貢献」、「総合生活産業事業者への進化」、「安全・安心の取り組みの強化」、「経営基盤の強化」に取り組んでいく。

(1)「低炭素・脱炭素社会への貢献」

当社グループ会社とともに再エネ電源の開発等を進めるとともに、CN都市ガスの供給拡大や天然ガスシフトを通して、自社事業活動および顧客先でのCO2排出削減に取り組んでいく。

(2)「総合生活産業事業者への進化」

さまざまな商品・サービスの提供などを通じて、エネルギー以外の期待値の醸成を図り顧客にとってのくらしのかかりつけになれるようさらに多くの顧客へ新しい価値を届けていく。

(3)「安全・安心の取り組みの強化」

保安・工事の高度化に向けた取り組みのほか、首都直下地震や激甚化・多発化する自然災害へのレジリエンスを強化、スマートメーターシステムの導入に向けて取り組んでいく。

(4)「経営基盤の強化」

顧客に新しい価値をお届けするためにCX・DXを推進していく。

●北海道ガス

新型コロナウイルス感染症は落ち着きを見せているが、エネルギーの国内外を巡る環境の急激な変化により、エネルギーの安定供給とCNへの対応の重要性は一層増している。こうした中、「エネルギーと環境の最適化による快適な社会の創造」の実現に向けて、北ガスグループ経営計画「Challenge2030」に掲げる主要施策をグループ一体で進めていく。

○総合エネルギーサービス事業の進化による分散型社会の形成

会員制ウェブサイト『TagTag』のコンテンツを充実させ、使いやすさを向上させることによって、顧客とのコミュニケーションを深め、ガス・電気のセット契約率向上を目指す。家庭用ではマイホーム発電と太陽光発電や「EMINEL」のセット提案に取り組む。業務用ではEMSの普及拡大の検討を深め、省エネ、低・脱炭素社会の実現と、レジリエンスの向上を図る。

○CNへの挑戦

機能的で効果的な省エネを基盤に、天然ガス・コージェネレーションの一層の普及拡大を図るとともに、石狩風力発電所や、全道各地での太陽光発電設備の建設など再エネの導入を進める。さらに、水素、メタネーションなどの将来技術について、引き続き調査研究を行っていく。

○デジタル技術の活用による事業構造変革

業務プロセスの抜本的な変革と、新たな価値の創出を目指す「情報プラットフォーム」の核となる「情報共通基盤」を稼働させ、顧客情報のより深い分析やエネルギーマネジメントの高度化を実現する。

●広島ガス

次の3点を柱をとしてグループの力を結集し、諸施策に取り組んでいく。(1)ガス事業の深化=天然ガス・LPガスの積極的・効率的利用により、CO2削減に貢献(2)イノベーションの創出=脱炭素社会の実現に向けて、再エネ電源の開発やグリーン電力の供給、さらには、森林保全活動などを通じたCO2排出量の低減と吸収に貢献する事業展開を着実に実行(3)経営基盤の強化=DXへの取り組みを推進し、グループ全体での組織機能の最適化と業務の高度化・効率を確実に進め、価値創造の源泉である人的資本の確保に向けて業務改革を実行。

●仙台市

ガス小売全面自由化に伴う競争激化や不安定な国際情勢等による原料価格の高騰など、事業を取り巻く環境が急速に変化する中、顧客に選ばれ続け、地域社会の発展に貢献するエネルギー事業者であり続けるため、23年3月に策定した「仙台市ガス事業中期経営方針(23年度~27年度)」に基づき、その主要目標の達成に向けた取り組みを実施する。

営業面では、顧客の獲得および販売量の維持・拡大のため、家庭用は、顧客宅への訪問巡回、住宅メーカーや不動産会社等への都市ガス化の提案のほか、太陽光発電・ガス併用住宅やガス暖房の普及促進に取り組む。また、業務用は、経年機器の更新や他燃料機器からの燃料転換の提案などにより、他エネルギーへの離脱防止および都市ガス切換え対策の強化に取り組むとともに、顧客のニーズを捉えた都市ガスの高度利用の提案強化により新規案件の獲得を図るなど、ガス販売量の拡大を図る。

保安面では、顧客の安全・安心を最優先し、安定的な都市ガス供給を確保するため、経年本支管の計画的な入れ替えや安全型ガス機器の普及促進、製造・供給設備の計画的な更新および維持管理を実施することで、ガス事故の未然防止に努めるとともに、災害対策訓練の実施による災害時対応力の強化や各職員のスキルアップ等により、保安の維持向上に努める。

こうした取り組みを進めるためには、継続した人材育成が重要であり、幅広い知識・技術の習得および継承に努めるとともに、事業運営に必要な資格取得に向け、各種支援を実施するほか、顧客対応力や機器更新の提案力を強化し、顧客満足度の一層の向上を目指す。

今後も、これまで築き上げてきた顧客との信頼関係を大切にしながら、ライフライン事業者として尽力するとともに、DXなど時代の変化へ柔軟に対応することで、顧客に快適な暮らしと満足を届ける。

●北陸ガス

さらなる顧客サービスの向上と脱炭素社会の実現に貢献するガスのCN化に向けて、都市ガスの需要維持と普及拡大に努め、保安の確保および将来に向けて基盤の強化に取り組む。

営業面においては、CN都市ガスの拡販に向けて、提案スキームの確立等、販売体制の構築を進めていく。家庭用分野では、新築ガス化率向上に向け、電化ビルダーへのアプローチ・提案をより活性化していく。脱炭素社会の対応として、エネファームを含む高効率給湯器の拡販を重点施策として掲げ、単体設置ではなくガス販売量増を見据えた温水端末機器の拡販により注力していく。

供給面においては、ガス事業の根幹を成す保安の確保のため、経年管の取り換え促進を計画的に進める。

その他、システム関連ではインボイス制度や改正電子帳簿保存法といった制度変更への対応を着実に進めていく。またDXを推進するために、クラウド技術やローコード開発など新しい手法を用いた柔軟なシステム基盤の整備やロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)による業務効率化などに取り組んでいく。

●静岡ガス

「2050年CNビジョン」、「静岡ガスグループ2030年ビジョン」で掲げる持続可能な社会の実現に寄与するため、都市ガス・LPG事業、電力・再エネ事業、くらしサービス・エンジニアリングサービス事業、海外事業を軸として以下の取り組みを進める。

都市ガス事業・LPG事業では、引き続き「安全・安心」を第一に保安の確保、安定供給に努め、天然ガスの普及拡大、グループ顧客基盤の拡大を進める。保安の確保、安定供給については、製造・供給設備への継続的なレジリエンス投資を進め、デジタル技術を活用した保安レベル向上を図る。LNG調達については、他社との連携などによりLNG需給バランスの最適化を進める。また、エネルギーの高度利用、省エネの推進、CNなガスの販売などを通して、顧客とともに低炭素化やCN化を推進する。

電力・再エネ事業では、顧客基盤の拡大とともに、デマンドレスポンスサービスによる省エネニーズへの対応、太陽光発電設備の第三者所有型モデルを活用した地域電源の普及推進、富士発電所のガスエンジン設備増設による電力のさらなる安定供給に努め、太陽光発電やバイオマス発電を中心に、再エネ電源の開発にも取り組む。

くらしサービス事業では、顧客のライフステージにあわせた商材やサービスの創出、提案を進め、エンジニアリングサービス事業では、エネルギーサービスの拡大や顧客のエネルギー管理、生産プロセスの見える化に取り組み、省エネ、省CO2を推進する。

海外事業では、東南アジア・南アジアなどを中心に、国内で培った技術力やノウハウを活用した天然ガスシフト、エネルギーの高度利用を推進し、それぞれの地域に適した再エネの開発、カーボンクレジットの創出・調達によるCO2削減に貢献する。

デジタル分野では、データとデジタル技術などを活用して新たな価値を提供し、地域課題の解決にも挑戦する。

●四国ガス

目まぐるしく変わる社会情勢、人々の意識・価値観など、変化し続ける世の中のニーズに柔軟に対応し、これからも地域に「信頼され・選択される企業グループ」を目指すため、中長期的な視点で「四国ガスグループビジョン2030」を策定し、22年度から「中期経営計画2022―2024(ファーストステップ)」を進めている。ファーストステップを基盤整備期間と位置付け、新たな取り組みに対応できる強じんな組織づくりに重点を置き、エネルギー事業だけでなく新たな事業領域への挑戦や地域課題解決への取り組みも積極的に進めていく。

地域の共通課題である脱炭素に向けては、燃料転換など確実に低炭素となる天然ガスの普及拡大やCO2クレジットを活用したCN都市ガスの供給を積極的に進め、トランジション期における地域の環境負荷低減に貢献していく。また、経年埋設内管対策やガス漏れ警報器の普及拡大など、顧客の安全・安心を支える取り組みを推進するとともに、東南海・南海地震による被害が想定される四国を地盤とするガス事業者として、ガス管の耐震化率・ポリエチレン(PE)管化率の向上および事業継続計画(BCP)の観点から事務所ビルの建て替えを進めていく。

経営基盤の強化として、デジタル技術の活用による業務の生産性向上を図るとともに、多様な人材を生かし、個々が能力を発揮できる働きがいのある職場環境を実現し、ワークモチベーションを高めることで組織力強化を進めていく。

次世代エネルギーである水素の利用技術として「メタネーション」への関心や認知度も高まっているため、将来の実装に向けて自治体や脱炭素に関する各種協議会に業界の取り組みを広く周知していく。

●東部ガス

今年は中期計画「超KOERU」のスタートの年である。この中期計画の柱は二つあり、一つは「いかなる未来にも揺るがない、強じんな土台を作り上げる」、もう一つは「強じんな土台から羽ばたくために、社員の成長に注力し、成長した力を発揮できるよう仕事の進め方を整理する」とした。まずは業務の効率化・デジタル化の加速を実現させ、強じんな土台を作り上げる1年とする。そして、会社が社員と向き合い、一緒にキャリア形成することを根付かせ、強じんな土台から羽ばたくために社員の成長に注力をする。

また、東部ガスは脱炭素社会実現の担い手という意識を強く持ち、行政や地元企業との関係をこれまで以上に強化し、東部ガスが新しい社会の実現に向けて貢献する1年とする。まずはCNLNGの販売につなげる道筋を築き上げ、将来を見据えて地域社会へ貢献していく。

家庭用分野=家庭用分野の主な課題は、(1)新築戸建ガス化率、ガス機器装備率(Siセンサーコンロ、温水暖房、エネファーム)の向上(2)エネファーム、温水暖房の普及促進(3)社員の営業スキル(顧客ニーズ、マーケットを踏まえた知識、提案)向上。

特に(1)については、住宅省エネ基準厳格化の背景もあり、電化やガス機器装備の脱落リスクが大きいため、社員が知識を習得し住宅メーカーが目指す所へ最大限サポートができるように取り組み、ガス化を死守していく。またエネルギー高騰の背景をエネファーム拡販のチャンスとし、創エネメリットを改めて明確化して提案していく方針である。

業務用分野=業務用分野では、省エネ提案・燃料転換の提案と実現をもって、CO2削減を進め、CNに貢献する。都市ガスを使用することでネットゼロエネルギービル(ZEB)が実現できることに訴求して、電化を阻止する。レジリエンスの要望が高まる中、コージェネシステム(CGS)、GHPによる停電時の電気・空調使用を訴求し、実績を積み上げる。以上により、CN、ZEB、レジリエンスの実現に都市ガスが有益であることを訴求する。CN都市ガスの採用実績が出てきており、さらに拡大していく。

●サーラエナジー

超高齢社会到来による人口減少やエネルギー自由化、成熟化社会による顧客ニーズの多様化・個別化に対応するためにエネルギー事業を再構築し、「サーラエナジー」として新たにスタートしてから3年が経過した。その間も、当社を取り巻く環境はさらに変化し続けており、これまで取り組んできた「燃料ルート別」から「顧客別」へサービス提供スキームを転換する「ガス種によらない働き方」の推進に加え、CNへの取り組みや昨今のエネルギー価格高騰に対しても、エネルギー事業者としての使命(S+3E)を果たしながら対応し続ける必要がある。

当社は、顧客に近い所での「facetoface」の活動と体制を強みと捉え、顧客の抱える個々の課題解決を目指しながら、CN実現に向けた取り組みを加速させていくとともに、エネルギーにまつわる国際状況や資源の市況等が大きく変化する状況下においても、顧客への安定供給を継続することで社会的責任を果たし、地域社会から信頼される企業として、地域のレジリエンスや災害対応力の強化に尽力していく。

こうしたCNへの取り組みを契機として、セグメントや事業会社の枠を越えたグループ連携やビジネスパートナーとの共創により、新たなサービスや価値提供を目指す。また、電力ビジネスの拡大とともに、生活サービス・ビジネスサービスの拡大による事業基盤確立に向けチャレンジする。

これらの取り組みに加え、拠点・組織業務の効率化とエネルギーや接点データを基にした顧客サービスの提供を実現するDXの活用や、新規ビジネスや社員の成長を後押しする人材開発の仕組み化(誰が行っても同じ成果が出せる方法を構築すること)など、事業成長に資する投資を拡大する。

●武州ガス

ガス事業における保安向上、供給安定性向上が重要課題である。また、環境負荷低減、省エネルギーの推進、CNへの対応も社会的責務としての課題であり、小売電気事業、発電事業、農業事業、不動産事業などのガス事業以外の分野でより多くの顧客に価値提供を拡大することも課題だ。

「扱い方を誤るとガスは危険なものである」との認識を顧客、関係者と共有し、協働して、ガスを安全にご利用いただくとともに、定保の確実な実施、給排気不備の改善、白ガス管をはじめとした経年設備の更新、供給安定性向上を目指した設備整備に取り組んでいく。

次に、エネファーム、太陽エネルギー利用機器などの高効率ガス機器の普及、エネルギーサービスによる効率的なエネルギー利用推進に取り組むとともに、環境負荷低減、省エネルギーを社会に働きかけていきたい。

そして、ガス事業以外の分野も含め、顧客のご要望を捉え、新サービスの開発、サービス向上に取り組む。また、導管網整備、情報発信、個別の顧客への働きかけにより、ガス利用を中心に、顧客に当社を選択していただけるように努めていく。

脱炭素社会に向けた動き、少子高齢化、情報処理技術の進展、エネルギーを取り巻く世界情勢、新型コロナウイルス感染症による、社会変化の方向性と速度を的確に捉え、当社の強みを生かして、提供価値を拡大する事業の革新を行っていくことが重要である。

●山口合同ガス

需要拡大ならびに供給安定性の向上に対応するため、幹線導管や製造設備の整備・増強を継続して実施する。ガス事業の基本的使命である「安定供給と保安の確保」については近年多発する自然災害に対し、防災訓練や保安教育を通じて災害対応能力の向上を図るとともに、新型コロナウイルスなどの感染症に対しても、感染拡大防止と要員確保に努めライフラインを担う企業として事業継続性の強化を図る。

CNな社会の実現へ向けたトランジションの取り組みとして石油・石炭などからの天然ガスへの燃料転換やコージェネ・燃料電池・高効率機器の普及拡大の推進など、「天然ガスシフト」と「天然ガスの高度利用」に加え、CNな都市ガスの販売を開始することで、今後、さらに加速することが想定される脱炭素社会の実現へ向けた取り組みを強化していく。

●大多喜ガス

当社グループは、2030年に向けた経営方針に基づき、コア事業である天然ガス鉱業・エネルギー供給事業・ヨウ素事業を維持・拡大するとともに、エネルギーの上流側では天然ガスに加えて、地下資源開発力・掘削技術を生かした地熱をはじめ、太陽光・風力などさまざまな再エネの開発・生産に取り組み、下流側ではエネルギー供給を基盤としたエネルギーサービスとともに地域共創に取り組むこととした、長期経営ビジョンである「VISION2030」を22年12月に策定した。

この「VISION2030」に基づき、大多喜ガスは総合エネルギー事業者として、23年度は以下の取り組みに注力する。

エネルギー供給を通じた多様な価値の提供=千葉県産天然ガスを安定価格で安定供給、多様なエネルギー供給によるレジリエンスの向上、防災拠点の役割を担うシステムの提案、CNガス・電気の供給、3電池(太陽光、エネファーム、蓄電池)によるエネルギーの最適化。

地域・暮らしに密着したサービスの提供=家庭と暮らしに寄り添う多様なサービス、地域脱炭素の推進、スマートエネルギーシティの提案、地域共創事業の推進、DXに関する取り組み、DX推進方針の策定、オンライン業務環境の整備、ワークショップ運営による業務プロセスのデジタル化。

●日本ガス

当社は総合エネルギー企業として都市ガス、LNG、LPG、電力などのアカウント数および販売量、売上高を最大限高めることに注力するとともに、エネファームだけでなく太陽光・蓄電池を含めたエネルギーマネジメントおよびイニシャルレス、サブスクリプション、メンテナンス、脱CO2などを組み合わせたエネルギーサービス事業の強化を図る。

当社のエネルギーを中心としたサービスを使用する顧客の悩みや要望に、的確かつ迅速に応えなければ、当社を選んでもらえなくなるとの危機感のもと、これまで以上に顧客に寄り添ったサービスの創出および提供に注力するとともに、リフォームなどの快適空間創造事業、そしてその先にある生活に密着したより一層のサービス充実を図りたい。

●岡山ガス

地震や台風、集中豪雨などの自然災害に加え、原料途絶による需給ひっ迫に対し、保安の確保や安定供給がこれまで以上に求められている。「顧客の安全で快適な暮らしの創造に貢献する」という経営理念の実現のため、安定的な原料調達や経年管対策による耐震化率の向上などBCPを意識した取り組みをこれまで以上に進めていく。

昨年新築した本社屋は、ガスコージェネ・廃熱回収型ナチュラルチラー・GHPなど、国内で事例が少ないガスシステム主体でZEBReadyを取得した建物である。そして、ZEBの設備設計に携わった知見を生かしてZEBプランナーを取得した。隣接する第2ビルの改修もガス設備を主体としてZEBReadyを取得し、今年の春に竣工した。新築と改修の両方ともZEBReadyを取得した建物を一度に見学できる利点を生かし、都市ガスの環境性・省エネ性・レジリエンス性をPRしていく。

そして、ZEBプランナーとして設備や省エネのコンサルティングに取り組み、ZEBの普及促進により脱炭素化社会に向けて貢献していきたい。また、昨年4月から大口の顧客を対象に販売を開始したCN都市ガスの普及拡大を積極的に行い、顧客の脱炭素化の取り組みを積極的に後押ししていきたい。さらに、地域脱炭素化に向けて参画し、貢献できるように、自治体や地元企業との連携を強化していくとともに、ガスを核とした総合生活企業を目指していく。

DXに向けた取り組みを強化するため、昨年より専門部署を新設した。今後はデジタルを活用した顧客接点を拡充していくために、コミュニケーションツールや電子契約、チャットボット等のデジタルツール導入をはじめとして、計画的なレガシーシステムの改修を進めていく。また、デジタル人材の育成として、オンライン研修や若手中心の意見交換会を開催し、社員のデジタルリテラシー向上を図る。

●東彩ガス

地域の発展とともに顧客から選ばれ続ける企業を目指していくうえで、都市ガスの普及拡大を最重要項目として捉え業務を遂行していく。従来から行っている天然ガスへの燃料転換はもとより、電力とのセット販売を推し進めていくうえで、太陽光発電設備、蓄電池やハイブリッド給湯器の販売に注力していく。また、脱炭素化への取り組みの一環として、CNガスの販売を開始する。

レジリエンス強化のためにさらなる安定供給と保安の確保に向けて導管ループ化を促進し、需要増加に対応できる導管ネットワークを構築していくとともに、デジタル技術を導入した新型NCU(スペース蛍)の設置等を通してスマート保安を推進していく。地震発生等の緊急時には、地域の復旧に迅速に対応すべく、平常時から地元自治体との連携を緊密にしていく。

●旭川ガス

将来に渡って事業を継続させていくために、天然ガス普及拡大を進めながら、地域に貢献し顧客に選択され続けなければならないと考えている。当社は、100周年に向けた経営ビジョンの中で、我々の目指す姿として5つの姿勢を定め、これに基づいた取り組みを継続していく。(1)「人・街・自然」への思いやりを常に考え、地域において信頼される行動により地域社会の繁栄に貢献する(2)安心安全・安定供給を基本としながら顧客一人ひとりの快適生活をサポートする(3)省エネ、省CO2を推進し、地域特性に適したエネルギーを提案していく(4)エネルギーを通じて災害に強いまちづくりを支える(5)社員とその家族の幸せを考え、社員(仲間)を大切にする職場づくりを目指す。

CN社会の実現に向けては、顧客に徹底的な天然ガスシフトを提案し、オール電化や灯油からの燃転を加速させていく。社内では、グループ会社を含めてDXやデジタル化を進め、生産性を高めていくことを継続すると共に、「コミュニケーション」の重要性を組織で捉え、個々が持てる力を十分に発揮できる環境を構築していく。

●滝川ガス

昨年に引き続き戸建の暖房を中心とした新設需要の獲得。DXを活用した業務効率化を推進。

●岩見沢ガス

家庭用エコジョーズの促進、業務用の空調(GHP)の設置拡大。この2本が柱と考える。

また、省エネ機器の普及拡大を図り、安定供給の確保およびコンプライアンスの強化に努めるとともに、ガス導管のインフラ整備を行い、社内全力を上げて、顧客に選ばれる会社を目指していく。「低炭素化」に繋がる天然ガスの普及が最優先と考え、自治体と引続き連携を強化していきたい。

当社として23年には持続可能は開発目標を策定し、取り組みを通じて複数の達成を実現し地域社会へ貢献することを目指なければならない。

●苫小牧ガス

導管網の強化、保安人材の育成を継続的に実施し、安全・安心への取り組みを全社的に行う。

地域の脱炭素化社会への取り組みに参画し、省エネ設備の導入促進、CN都市ガスの導入など、地域エネルギー会社として地域に根差した取り組みを行う。

今年度も保安・サービス向上、業務効率化のためのDXへの取り組みを行う。2年前に導入した情報共有ツールにより保安向上や社内連携強化が図られた。23年度は既存システムの利活用を促進しながら、RPAなどの導入を検討し単純事務作業の軽減を図る。

●帯広ガス

地方都市の人口が減りつつある中、顧客の獲得が重要なポイントになる。世界情勢に伴う原料高や物価上昇などから、新築着工件数が鈍化する見込みがある中、厳しい営業になるかとは思うが、新設に伴う新規獲得は勿論、既設導管上の顧客も獲得していき、導管効率を高めていく。

一方で、保安向上のため、経年管の入替を進め、かつ、新規需要に応えるため導管の敷設も併せて行っていく。

CNにおいては、SDGsを含め、自家使用分としてCNLNGを購入することを継続していく。また、これからリーン化していく熱量に対応するため、供給しているガスの標準熱量の引き下げも見据え、検討し実施していきたい。

DXにおいては、図らずもコロナの副産物として、社内整備が進んだ。社員のデスクトップパソコンからノートパソコンへの切り替え、通信ネットワークの整備、リモートワーク・リモート会議ができる環境、グループウェアを活用した情報共有・紙ベースからデータベースへの移行、ホームページやSNS(交流サイト)を使った顧客への情報発信など、に対応していく。今後も着実かつスピード感を持って進めていく。

●室蘭ガス

環境省「既存のインフラを活用した水素供給低コスト化に向けたモデル構築・実証事業」の採択を得て、「既存のガス配送網を活用した小規模需要家向け低圧水素配送モデル構築・実証事業」に参画(参画者:室蘭ガス、室蘭市、室蘭テクノセンター、室蘭工業大学、産学連携機構九州、大成建設、エア・ウォーター北海道、北弘電社)し、室蘭市が所有する祝津風力発電所で発電した電気を使い、水素電解装置で水素を製造、既存のガス配送網に混載可能な円筒型水素吸蔵合金タンクに充てんし、需要家まで配送する。この取り組みにより、産業用分野で普及している高圧水素ボンベと比較して、水素を低圧でより多く安全に配送することが可能になるため、製造から利用に至るまでの水素サプライチェーンの供給コスト削減など水素の低コスト化を実現するモデル構築を目指すことを目的に、将来の脱炭素化社会に向けて環境省実証事業に取り組んでいる。

●五所川原ガス

昨年度からカーボンオフセットLPGの購入を開始し、ガス製造に利用(ボイラー)しているが、需要家向けに販売可能か検討を進める(PA13Aガス)。付帯事業のプロパンガス販売について、IoT(モノのインターネット)端末を取り付け、遠隔検針率を50%超にする計画。

●弘前ガス

経年内管の入れ替えの促進。

●十和田ガス

脱炭素化社会に向けて、先ずは自社排出分のCNを目指す。

●八戸ガス

工場等の事業者様から都市ガス利用に関するお問い合わせが近年増えている。そこで、21年12月より自社使用分として導入しているCNLNGを行政や事業者に採用してもらえるよう提案を進めていきたいと考えている。

●黒石ガス

CNLPGを受け入れることにより、家庭でご使用するガスに対し年間584トンのCO2排出量削減に貢献することになり環境対策や地域社会の発展に努める。

●盛岡ガス

新型コロナウイルスに制限されてきた提案活動や経済活動を、ビフォーコロナ、ウィズコロナ、アフターコロナの視点で再評価することがポイント。現在の外部環境、市場価値に、商材、従業員の意識をキャッチアップしていくことが必要。外部向け・内部向け問わず、SDGsのゴールである30年に向けた具体的な活動、アクションのメンテナンスを行い、従業員の共通目標を持ち、しっかりと評価できる形としていきたい。都市ガス事業においては、ロシア・ウクライナ問題と異常気象による不透明なエネルギー需要、円安、これらで高騰する原料価格、15年に新設したLNGサテライト工場の減価償却費の負担が大きく利益が出にくい状況のもと、いかに価格転嫁しながら黒字化を図るかが課題。四つの価値観(生活価値、安全価値、地域価値、脱炭素価値)を軸に展開していくことに変わりはないが、電気料金が上昇することによる市場からの都市ガスへの再評価、需要増に応えていくことが肝要。オール電化住宅の潜在需要家に対してのPRを衣類乾燥機やガスファンヒーター(モリガス暖房プラン)など、キャッチーな商品を中心に提案していきたい。また、安定供給に向けた、経年道管の入れ替えは、粛々と進めていく。

また、9月に新たな社内システムを導入するに当たり、その後は顧客へのネットでの使用量の確認などデジタル化等、顧客サービス向上の課題も抱えている。

●水沢ガス

昨年3月に海外の森林保全プロジェクト由来のCO2クレジットを利用した、CNLNGの受け入れを開始している。今年度も自家消費分の1年間分に相当する量を購入し、CO2の削減に貢献する。また、都市ガスを利用する顧客の環境対策の取り組みやニーズに合わせて、CN都市ガスの販売についても検討している。

●釜石ガス

(1)灯油などを使用する顧客へ、50年の脱炭素社会実現に至るための移行期として、「天然ガスシフト・天然ガス高度利用」による着実なCO2削減の必要性をアピールし、油からガスへの燃料転換の提案を継続している。

(2)「高付加価値商品の拡販」として、給湯風呂釜やビルトインコンロは、各メーカーの特徴をPRして付加価値のついた商品を販売。オール電化との差別化では衣類乾燥機をPRしている。

(3)震災で遅れている経年管入れ替えの促進を行っている。

●のしろエネルギーサービス

宅内配管図面や申請書類の電子化を引き続き進める。また22年度から新設したエコジョーズ設置を条件とした新料金プランの拡大も行っていく。

●にかほガス

昨年度同様、地元地域との関わりをより密にし、関係性をさらに深化させていくことが大きなポイントとなる。

重点施策として、(1)大口需要家・給湯需要の獲得強化(ガス増販強化)(2)新たな事業領域への挑戦(新規事業、CN都市ガス販売等)(3)安定供給のための監視システムの構築、の3点を推進していく。

●由利本荘市

ガス需要開発を推進し販売量の増加と、経費削減による経営の効率化を進める。人材育成と技術の継承を図るとともに、災害に強いライフラインを確立するため、ガス管の経年管の計画的な更新を行う。

●酒田天然ガス

営業活動=(1)新規需要家の獲得(2)石油系燃料から都市ガスへの転換促進(3)既存需要家の囲い込み・他燃料への転換防止(4)経年機器の取り換え促進(5)顧客ニーズの収集と対応(6)顧客への情報発信(7)CNガスの普及・拡販(22年7月からCNLNGを自家使用分として購入している)。

需要家保安対策=(1)不良給排気設備の改善促進(2)経年機器の安全型機器への取り換え促進(3)外壁塗装工事等におけるCO中毒事故防止(4)業務用厨房におけるCO中毒事故防止とCO警報器の普及促進(5)ガス機器とガス栓の誤った接続によるガス事故防止(6)ON―OFFガス栓への取り換え促進(7)ガス漏れ警報器の普及促進。

●鶴岡ガス

(1)安定供給と保安の確保=導管および供給設備の適切な管理による健全性維持による安定供給と保安の確保。教育・訓練の実施による保安人材育成。および緊急時対応の技能向上。経年管および耐震化対策の計画的な推進。製造設備の合理的かつ計画的な整備計画を策定し製造設備の健全かつ適切な維持管理に努める。

(2)営業活動=サブユーザー営業を促進し宅地開発事業での情報収集活動、経年管路線での需要開発に努める。本社ショールームを活用したガス機器および住設機器販売の実施。天然ガスの環境性、経済性、利便性やCNLNGの動向を発信し、経済合理効果と国の補助金活用を提案し燃料転換を進める。

(3)自己啓発=国家資格等の取得に向けて計画的、積極的な挑戦。日本ガス協会、各メーカー等の講習会に参加し技術力の向上を図る。

(4)法令遵守

●山形ガス

収益力強化を図るため、都市ガス、LP需要家共にメーター取り付け数の増加、機器販売台数の増加等を図り、目標達成にこだわりを持ち会社全体で推進を図る。

具体的には以下の取り組みを進める。(1)ガス販売量を増やす=(1)住宅メーカーに特別プランを提案し新築物件獲得を推進する。また、他燃料先への訪問を強化し燃転物件を増やす(2)ガスの離脱防止を図るため、大家・不動産等への定期訪問を徹底する(3)大口需要家等への定期訪問を継続して行い、年間契約ガス販売量の上積みを図る。

(2)ガス機器販売台数を増やすため、各販売セールの目標達成に向けて、社員全員が情報共有し推進する。

(3)工事収益を増やす。

●庄内中部ガス

電化に伴う需要家の減少や施設入居等による顧客の減少が続いている。現在、3種類の新料金プランを用いて、新規顧客獲得と既存の顧客の給湯器燃転を展開している。23年度からCNおよびその取り扱いを開始する。

気仙沼市

他の化石燃料よりCO2の排出量が少ない天然ガスの利用を提案し新規需要の獲得に努める。

●古川ガス

コロナの影響により3年間も展示会を開催することができず、カタログ・チラシ販売、既存需要家へ会報誌「いんでガス通信」等での販売がメインであった。

展示会を自粛したことにより、器具販売やリフォーム案件は減少している。しかし、在宅時間が多い昨今、暮らしを豊かにする商品、「家事ラク商品=衣類乾燥機、温水暖房機器、マイクロバブル等」の販売訴求を進めている。

GHPの空調分野と工業用ボイラーの燃転促進を図るための情報収集と営業開発を充実させる。

●仙南ガス

継続している取り組みでは、顧客満足度を高め、顧客の離脱防止や新規顧客の獲得につながるよう、顧客との接点機会を増やしている。具体的には定保の訪問周期を短縮。加えて定期的にお掃除サービスや屋根、外壁の無料診断などの提案を実施し、自社社員が顧客宅を訪問する機会増加に努めている。

●石巻ガス

新規大口需要家への24年1月供給開始に向けて、製造設備・供給設備の増強工事を滞りなく完了する。すでに採用しているサイボウズによる業務のペーパーレス化および各業務の効率化を推進する。

●塩釜ガス

当社は22年度から都市ガスの自動検針を行うための新しいガスメーターを取り付け、実証作業を行ってきた。今年に入り市内の需要家には、このガスメーターを取り付け自動検針および圧力監視を行っている。今後は需要家全戸に取り付け検針作業の業務効率化や保安業務の充実化を目指していきたい。新設に関しては、エネルギー価格の高騰を受け、省エネ機器への関心が一層高まる中、パワービルダーから都市ガス採用案件が増えている。新築ハウスメーカーへのガス化提案を強化し、新規獲得数を増やすことで、人口減に伴う需要家減少に歯止めをかけたいと考えている。

●福島ガス

脱炭素の対応として、CNガスの販売、事業所へガスでのZEB化提案を進めていきたい。まずは自社の事務所・工場から進めていきたい。

●若松ガス

当社が過年度より注力しているのは「大きく強い顧客基盤作り」と「新規事業の構築」、そして「DXプロジェクト」である。顧客基盤作りについては、当社の顧客獲得活動において中心的な役割を果たしている社員を集め、部門横断のチームを昨年末に立ち上げた。このチームでは当社の目指す姿と現状を多角的な視点で分析し、ガス顧客増大に向けた営業戦略や営業手法を検討している。今年度は検討したアクションプランを実行に移し、具体的な実績を積み上げていきたい。新規事業構築については、昨年度、コインランドリーの初出店や在宅マッサージ事業への参入など、複数の計画においてフェーズが事業開始へ進んだ。今年度はその展開を拡大していくとともに、計画中である電力小売事業への参入やさらなる新規事業の推進に特に力を入れていく。また、社内業務効率化を目的に取り組んでいたDXプロジェクトについても今年度はさらに発展させ、顧客価値増大に向けた施策の検討を新たに進める。昨年度はデジタルツール導入による業務フロー改善や標準化が中心的な取り組みだった。業務を楽にして終わりではなく、当社と顧客の双方にとって価値のある取り組みへと今年度は活動を昇華させたい。なお、いずれの計画も鍵はどれだけアクションを起こせるかにある。まずは行動し、活動量を増やす。そして早いサイクルで試行錯誤を重ねるということに、今年度は注力していく。

●常磐共同ガス

脱炭素社会への対応として積極的に調査、研究に取り組んでいる。DXへの取り組みとして社外にいながら社内サーバー、システムへアクセスできる仕組みを構築し、業務の効率化を図れる環境整備ができたので利活用を加速させていく。

●新発田ガス

総合生活産業としての企業価値確立のため、昨年に引き続き顧客へさらなるサービスの提供を継続して検討する。また、昨今の環境を踏まえて、社内組織を構築すべく、人材配置や職務分掌の見直しを行っている。

導管および供給設備に関しては、過去の経緯から現状を比較し、効率的な投資を行うことで業務の簡略化や、オペレーターの負担軽減、供給力の強化を目指し導管投資を図っている。CN都市ガスに関しては顧客ニーズを収集し、販売に向けて検討を進めていく。

●越後天然ガス

ガス事業の根幹となる安定供給、保安の確保はもとより、「サステイナブルビジョン(2050年の当社のあるべき姿)」を掲げ、将来にわたり当社を取り巻く環境や地域社会の課題に対し、地元のステークホルダーと協力しながら、地域のエネルギー事業者として、地域に愛され、顧客から信頼され、選ばれる企業を目指す。

具体的な取り組みは以下の通り。

導管延伸を踏まえた顧客件数の増加。

供給の安全・安定化の推進。経年管の取り換え促進、低圧主要導管の複線化。地震に強い導管への入れ替え促進(ネジ配管のPE化)。保安レベルの向上。保安教育の強化による保安人材の育成。業務用における他燃料機器からの転換によるCO2排出低減への訴求。新築ガス化率向上のため、サブユーザーへの営業強化。都市ガスの環境優位性、利便性、快適性、低廉性を正しく知ってもらい、ファンになってもらう。ガス需要獲得のため経年給湯器や他燃料給湯器の顧客等、給湯需要を中心にエンドユーザーへの営業強化。導管未整備地区への供給区域拡大。新築ガス化率アップのため、サブユーザーとデベロッパーとの関係強化を目的とした営業活動。顧客へ都市ガスを正しく理解し、選んでもらえるよう、二つのショールームを活用し集客活動を行う。出張授業と地域ウェブマガジンの拡充。こども食堂などの地域と連携した活動の拡充。秋葉区公共施設へのCO2排出係数を50%削減した電力の供給。サステイナブルビジョンの実現に向けた活動の拡充。営業戦略・PR方法としてのウェブ化、オンライン化への取り組み。

●蒲原ガス

トランジション期間において、都市ガスへの燃料転換を推進するとともにCNガスのPR、販売を行い、低炭素化を図る。情報通信技術(ICT)活用による業務効率化を推進し、基盤強化を図るとともに、顧客の接点機会を増やし、信頼関係構築に注力していく。さらなる安定供給および地震等災害時におけるレジリエンス強化のため、白ガス管等の経年本支管・供給管のPEへの入れ替えを加速し耐震化率向上を図る。

●小千谷市

他エネルギーとの競合が激化の一途をたどる中、引き続き都市ガスの環境優位性をアピールし、CGS等の需要開拓を推進することで、より一層の普及拡大を図る。安心・安全で安定した都市ガスの供給を行うため、災害に強い施設設備の推進と保安対策の強化に取り組んでいく。

●魚沼市

今やるべき残存予定の経年管については定期的に行われる導管漏えい検査により保安を確保しつつ、適切な時期の更新を検討する。維持管理を行う中で、安心安全な供給を担保すべく適切な対策を講じていくことが必要不可欠。

●上越市

都市ガスの販売量促進、脱炭素化社会の移行期における都市ガスの高度利用に向け、潜在需要が見込まれる業務用中規模需要家を獲得できるよう、都市ガスへの熱源変更を含む省エネルギー提案など積極的な営業活動を行うとともに、料金割引制度のPRをはじめ、エネファーム等の機器設置費助成などを引続き実施し家庭用ガス販売量の維持を図る。また、業務用需要家に対してはカーボンニュートラルガスのPRを行い、利用を促していくとともに、家庭用需要家については都市ガス業界としての脱炭素社会に向けた取り組みを紹介し、需要家の理解を深めていくようPRを行う。

●妙高グリーンエナジー

アスファルトジュート巻鋼管を中心とした経年管の更新を継続して実施していく。供給管の白・黒ガス管については腐食劣化対策として本支管工事等においてPE管への入れ替えを実施していく。

●白根ガス

都市ガス事業者の責務を全うするために保安を確保し、安定供給を堅持することを最優先課題として、引き続き経年管対策を実施し、近年頻発する自然災害への対策も進めていく。

●栄ガス消費生活共同組合

既存ガス設備の更新。安定供給に向けた導管網の構築。農村部が多くを占めるので地域に密着したサービスの向上。

●栃木ガス

地元自治体の栃木市においては、23年2月に「ゼロカーボン都市宣言」を発表し、市民へ広く環境への取り組みを強くアピールした。その栃木市に向け、市庁舎で利用する都市ガスをCN都市ガスへと置き換えてもらい、今後も導管供給している行政物件にCN都市ガスを供給すべく、市役所の各部署へと働きかける。また業務用の顧客においても栃木市の取り組みを理解してもらい、CN都市ガスの導入を提案している。

●北日本ガス

電力事業について、通常の電気プランおよび再エネ100%の電気メニューの加入が好調。メリットを強調して他新電力会社との差別化を図る。脱炭素社会への対応として、ハイブリッド給湯器への買い替えを促進し、省エネ機器の普及率向上に努めている。DXの取り組みについては、自動検針システム(スペース蛍)の設置率が95%となり、ガスの検針・配送予測・異常監視に活用している。また、機器販売の見積・発注および経費精算の全てをデジタル化、契約書の電子締結など、ペーパーレス化を図っている。さらにDX化を加速させる体制を整える。

●佐野ガス

ガス事業の根幹である「安定供給・保安の確保」に重点を置き、経年本支管すべての取り換えが完了したことから、さらに今年度は、供給管の入れ替えを積極的に行い、耐震化の強化に努める。また保安人材を育成するため、解体等における地境撤去の作業を、自社社員にて実施、緊急時即座に対応できるよう、ガスの遮断、切断方法等業務機会を通じスキルアップを図る。

佐野市の人口減少、少子高齢化等地方ガス会社の抱える問題が多く、街中心部の空洞化に伴う供給世帯数の自然減に歯止めが利かない状況となっている。しかし地方ガス会社であるという強みを生かし、「すぐに対応し、駆けつけてくれる」地域から選ばれ続けるガス会社を目標に、地道な営業活動を継続的に展開し、小口顧客の増加、パーメーターアップに努める。

●渋川ガス

既存顧客の保安確保を第一に対応するため、新しい人材の確保が必須である。知識・術習得による各個人のスキルアップと業務効率化を図るためのシステムの導入、SNS等による顧客への情報発信を行いデジタル社会に向けた対応を行っていく。

●伊勢崎ガス

自社で使用する天然ガスをCNガスに変更し、CNガスの販売を検討していく。天然ガスへの燃料転換と効率の良いガス器具への交換促進を図り、CO2削減を進めていく。計画的に地震対策と風水害対策を進めていき、保安の確保と安定供給のさらなる向上に努めていく。

●太田都市ガス

省エネルギー化とレジリエンス化を強化するため、大型のCGSをはじめ、行政施設に対して、マイクロコージェネ導入提案を加速させる計画。

●本庄ガス

地域密着企業として顧客を第一に考え、市町村、商工会議所、経済団体等と連携を深め、脱炭素化でのガスエネルギーと暮らしのあり方を共有できるよう普及に努める。

安定供給と保安確保を基本に環境性の優れた天然ガスの普及に努め、公益事業者としての使命達成に尽力する。残存する低圧塩ビ管5万5千メートルの更新に努め、産業用、製造工場等の燃料転換促進し、エネファーム、ハイブリット給湯器、エコジョーズを提案、販売推進する。

●坂戸ガス

エネルギー価格高騰を受けた「節ガス」意識の高まり、エリア内の単身世帯増加、住民の高齢化等により、世帯当たりのガス使用量は減少している。ガス使用促進として、ドラム式ガス衣類乾燥機、床暖房、ファンヒーターの拡販にこれまで以上に注力していく。併せてガス機器販売だけではなく、快適に使用するためのガス機器使用促進策も実施していく。新築住宅では、脱炭素の流れを受けて、大手住宅メーカーのZEH(ネットゼロエネルギー住宅)化が進んでおり、オール電化採用に加え、ヒートポンプ式ガスハイブリッド給湯器採用が見られ、家庭用ガス使用量減少が進んでいる。工業用の大口需要家に関しては、業態変化のため、ガス使用量の減少傾向が続くと予想している。

●入間ガス

一般家庭向けの電力販売に注力し、ガスと電気のセット販売により顧客の獲得に努める。地方創生SDGsの取り組みも積極的に進めることにより脱炭素社会へ貢献し、より良いサービスの提供により天然ガスの普及拡大に努める。イベントの企画・実施により、デジタルマーケティングを通して顧客と新たな接点の構築・強化を図り、環境性や快適性に優れた天然ガスの良さをアピールし、需要拡大を図る。

世の中の急速なデジタル化への対応が求められている中、社内組織を見直し、4月より新たな専属組織としてDX推進チームを創設した。デジタル化の土台作りを進め、業務の生産性向上とクラウドサービスを積極導入し、どこでも業務対応可能な働きやすい環境作りも同時に取り組んでいく。

その他、安全性の高い機器への取り換えを促進し、顧客との信頼のさらなる構築を目的をとした取り組みやさまざまなサービスの提供など、地域に密着した事業活動を実施することにより地域で選ばれる会社を目指すべく社内改革に取り組み、地域発展に貢献する。

●鷲宮ガス

他ガス事業者からのスイッチ防衛=家庭用需要については、『鷲ガス電気』の獲得を推進し、ガス・電気セット供給の比率を高め、戻りスイッチ営業を継続的に推進する。大口需要については、価格以外でも競争優位となるように日頃からの情報収集を徹底し、省エネ診断やエネルギーサービス等提案営業も積極的に展開し、既存需要の防衛に努める。

新規需要開発=小口需要開発については、地場工務店・サブユーザーの友好化推進等により新築ガス化件数を着実に獲得する。大口需要開発については、採算性確保を前提に導管投資を伴う需要獲得や既存導管近傍の需要獲得を積極的に行う。

CNへの移行=石油等から天然ガスへの燃料転換、CNガスの提供、CGS導入を積極的に行うとともに自治体のCNへの取り組みに積極的に関与する。自社排出CO2の削減を積極的に行う。

経営基盤の強化=人材育成。業務効率化の取り組み推進。活力ある職場作り。コンプライアンス遵守の徹底。新型コロナ感染拡大防止策の徹底。

●大東ガス

環境に配慮した都市ガスの普及拡大のため、新規の顧客獲得に努めるとともに、切り替え促進による都市ガスシェアの拡大を図る。また、自社施設や主に大口の顧客向けにCO2排出量が実質ゼロとなるCN都市ガスをはじめ、CO2フリー電気の積極的な提案・推進を行うとともに、再エネ、非化石電源の普及促進により、CO2の排出削減に努め、SDGsへも貢献していく。

社内における紙の削減や、業務効率化を進めていくために、新システム導入等によるデジタル化シフトを実現し、SDGsへの貢献を図っていくとともに、働き方変化にも対応していく。また、ウィズコロナ、アフターコロナに対応するためにも、SNS等を活用した顧客との接点機会の強化に努めていく。

安定的にエネルギーを供給するための基盤強化として、低圧ブロック細分化の継続実施や本支管耐震化率の向上を計画的に実施していく。さらに安全型消費機器への取り換ええや、経年ガスコードの取り換え、都市ガス警報器の設置促進も引き続き行っていく。また、保安体制レベルの向上のため、保安技能研修の充実により、保安・工事に携わる人材の育成、事故件数ゼロに取り組む。

安定した経営基盤を創っていくため、主軸となるガスの顧客獲得を図るとともに、事業におけるコスト削減を進め、よりよいサービスの提供に努めていく。また、地域に根付くエネルギー事業者として、レジリエンス強化や地域社会への幅広い活動を行うことで地域・自治体とのさらなる連携の強化に努め、地域、社会から選ばれ続ける企業になるための施策を引き続き行っていく。

●伊奈都市ガス

CN商材を含めた環境に優しいエネルギーの普及促進、省エネ・高効率機器等快適でクリーンな生活の提案、デジタル化の促進による顧客サービスの向上と事業活動の効率化

●エネクル

地震や台風、集中豪雨などの自然災害に対し、より一層の保安の確保が求められている。経年管対策による耐震化率の向上、保安体制の確立をすることにより、顧客への安定供給を目指す。

新規営業ではハウスメーカーや地元工務店へアプローチをしているが、未だに新築の電化率が高い傾向にある。都市ガスのPR活動を粘り強く行い、新規需要家の獲得を目指す。

●フジオックス

価格や保安を含め、安定的に消費者へサービスを提供できるように進める。社内における教育も同時に行い、社員の営業力UPやガス機器の商品知識、保安技術の向上を図る。

●野田ガス

顧客を第一に考え、安全にエネルギーを供給し、顧客に「笑顔」と「ありがとう」をいただける企業を目指す。また、社員一人一人が当事者意識を持って仕事に従事し、地元自治体へのCNシティー実現に向けた提案、電力販売、環境負荷低減に寄与する商材等を顧客に提案する。

●銚子ガス

ガス事業の基本である安定供給・保安の確保に加えて、少子高齢化による人口減少やエネルギー市場の自由化による競争の激化を見据え、より強固で効率的な経営基盤の構築を目指し徹底した経営の効率化を推進するとともに、顧客サービスの強化し、新規需要の開拓、ガス販売量の増加を図る。

●大網白里市

大網白里市は太平洋に面しており、東日本大震災以降地震対策だけでなく、津波への対応も強化する必要がある。保安体制のさらなる強化を図りながら安定供給に注力し、事業を進めていく方針。

●白子町

長引く新型コロナの影響、資機材価格高騰の影響により、ガス事業の経営は依然厳しい状況にあるが、中長期的な経営の基本計画となる経営戦略の改定を進め、経営の適正化を図りつつガス料金の改定により持続可能な健全経営に努めながら、公営企業として町民の皆さまに信頼・支持され続けるガス事業を展開していく。

●習志野市

他事業者の営業活動が活発になり、顧客確保は最も重要な課題となっていることから、顧客への訪問回数を増やし、さらなる関係強化と情報収集を図り、円滑な契約更新につながる営業活動に取り組む。

脱炭素化社会への対応として、22年度から、企業局庁舎等で自家使用する都市ガスをCN都市ガスに切り替えている。23年度も継続し、温室効果ガス排出量削減に取り組む。また同時に大口供給契約の顧客を対象とした取り扱いを開始しており、現状、複数の顧客が採用している。引き続き50年のCNの実現に向けて、取り組み可能な手法について情報収集に努める。

DXへの取り組みについては、全庁的な総意の下で遂行していくことが重要と考えているが、まだ具体的な議論を行うところまでに至っていない。23年度も他事業者のDXの取り組み内容について情報収集を行うなど、DXの実現に向けて調査・検討を重ねていく。

●東日本ガス

23年度事業計画の注力ポイントとして、ICTを生かした安定供給と精度の高い保安管理の実現、業務効率化とコスト削減を、21年度から導入を進めているICTを生かした自動検針等で実現している。また、新たなサービス提案構築として、CNを意識した電力メニューを提案をしている。技術面での改善、サービス面での新たな提案等によりSDGsへの貢献をしていくとともに、効率化したことでさらなる顧客サービスへの注力する時間を設け、より多くの顧客に満足していただける、顧客から選ばれる総合エネルギーサービス企業への発展へ向け進んでいく。

●京和ガス

脱炭素社会への対応として、天然ガスへのシフトを推進するとともに、エネファーム等の省エネ機器の普及促進に努める。また、CN都市ガスの導入提案を実施する。CX(カスタマーエクスペリエンス)・DX戦略の優先課題として既存業務の見直しとペーパーレス化を推進する。

●長南町

CNを踏まえ石油、重油よりコスト低減を説明し燃料転換を推進する。

●ニチガス

今年から、NICIGAS3・0に向けた新たなチャレンジを開始した。NICIGAS3・0で目指そうとしているコンセプトは、LPガス、都市ガス、電気を供給する「エネルギー小売」という従来からの柱に加え、他事業者様との連携基盤を提供していく「プラットフォーム事業」、そして地域のコミュニティーと連携して、エネルギーの効率的な利用、さらには社会的課題の解決につなげていく「エネルギーソリューション事業」を合わせ、三つのコアビジネスを柱として顧客へのサービス向上と自社の成長を目指していくものである。

これら変化を踏まえ、当社はエネルギーソリューションへと事業を進化させ、環境という社会課題に対応しながら持続的に企業価値を成長させていく、ラストワンマイル企業としてガスと電気のセット化を進めながら拡大してきた。190万件以上のガスと電気の顧客に対し、他社との協業を通じて太陽光発電や蓄電池としての電気自動車(EV)などの分散型エネルギー源(DER)を提供し、スマートハウス向けのソリューションを提供していく。さらに中長期では、各家庭のデータを繋ぎ、広く、地域コミュニティー全体を対象にエネルギーの最適利用に向けたサービスを提供していく。

●昭島ガス

脱炭素社会や、デジタル化社会の中で、昭島ガスの役割は何か。変化する世の中に対応して生き残るために、昭島ガスがどう変化するべきかを検討するGX(グリーントランスフォーメーション)チームを中堅以下の若手社員を中心に立ち上げた。

23年度はこのGXチームを中心に、昭島ガスの未来について考える。さらに、先行して検討を開始していたデジタル化について、顧客にメリットがあること、さらには社員にもメリットがあることの洗い出しを行い、それぞれの事案について導入を進めている。

●青梅ガス

顧客のさまざまなニーズを捉えて、これまでの業務のあり方をデジタル技術活用で柔軟に見直さなければならない。まずは会社のホームページ等のリニューアルを社内メンバーで勉強会など開催しながら中期的人材育成を実施し、顧客へ情報発信できるようにする。また同業他社でも進めている多様化する電子決済導入なども検討が必要と考えている。

●武陽ガス

天然ガスの普及が最も重要な課題であるため、都市ガス普及率の向上を目指し、需要調査結果に基づいた都市ガス未普及地区へのガス導管の延伸、ならびに大口、小口を問わず、新規都市ガス需要の開拓に注力していく。

特に、一般住宅や集合住宅の新築件数が年々減少しているため、導管延伸による既設住宅の都市ガス転換に重点をおいて需要開拓を進めていく。

また、家庭用の顧客については、小家族化、高齢化等により1件当たりの販売量が減少傾向にあるが、ガス機器やリフォーム、電力の提案など、顧客の暮らしをサポートするための専属チームを設け、これまで以上にきめ細かい提案ができるよう努めていく。

一方、ガス緊急保安や供給管理、ガス工事、ガス機器修理等の技術レベルアップと若手社員の早期育成に努め、都市ガス供給体制の強じん化を図るとともに、社内工事体制の拡充を進めていく。

●長野都市ガス

引き続き「顧客の安全と安心の確保」を事業継続の根幹とし、消費機器保安の確保やガス供給設備の強化を通じた安定供給に取り組む。顧客件数の増加や需要拡大に向け、面的開発営業を推進する。

また、顧客に選ばれ続けるため、顧客とのコミュニケーション深化や、業務用営業の強化を行う。脱炭素化社会への対応として、顧客向けのCNガス導入に向け検討を進める。企業基盤を強固にするとともに利益創出を行うため、積極的なデジタル活用によりBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)を推進する。

上記以外にも、研修カリキュラムの整備や研修機会の増加、技能伝承のための体制整備等、人材への積極的な投資を行う。

●大町ガス

P―13A製造設備とホルダーの経年化への対策と新規導管の延長によるループ化。

●上田ガス

低炭素化を目的とした燃料転換、CNガスの提案、高効率機器への更新営業。

●エナキス

SDGs達成に向けて、街・地域と共にできることをあらゆる角度から考え、実践していく上で、まずは、一般全需要家にCN都市ガスの供給を23年6月より開始する。

●信州ガス

信州ガスの目指すべき姿は、50年のCN時代においても、地域の顧客に選ばれ続ける企業として存在感を示すために、ガスやでんきだけでなく、暮らしに関わる商材のつながりにより、マーケット拡大と深耕を進め、低炭素社会に貢献する地域No1ソリューション企業となっていることである。そのために、23年は、ガス事業の顧客を維持しつつ、ガス以外のアカウント数を増加させ、未来に向けてガス以外の商材・サービス提供していく。

●厚木ガス

天然ガスへの積極的な燃料転換および高度利用のほか、顧客ニーズに合った料金メニューの充実、ガス・電気セット販売の拡大、機器修理・出張サービスの有効活用やSNSを用いた情報発信にて、顧客メリットを拡充していく。

CN都市ガスの普及拡大。現在、自家使用と大口の顧客の一部に利用いただいており、今後も環境への取り組みとして継続的に提案しその普及に努める。行政機関との連携を強化し、地域の脱炭素化に向け取り組み。コージェネ・エネファーム等の分散型エネルギーを推進し、BCP対策やレジリエンスの強化を訴求していく。

防災面の強化のため、自治体や地元企業とともに地域防災活動に積極参加し、災害に強い町づくりに貢献していく。

●秦野ガス

先行き不透明な世界情勢やコロナ対策の緩和に伴う社会生活の変化など、私たちを取り巻く環境は大きく変化しているが、このような時にこそ基本に立ち還り、エネルギー供給事業者の使命である「保安の確保と安定供給」を堅持し、顧客のニーズを捉えた質の高いサービスの提供により、市場シェアの維持・拡大を目指していく。

また当社は取り巻く環境変化に柔軟に対応するため、中期経営計画において「標準化」「デジタル化」「強じん化」を企業体質強化の3本の柱としている。あらゆる業務を「標準化」することで特定の人に限定されず皆が情報共有を行えるようにし、あらゆる分野を「デジタル化」することで業務の効率化と見える化を促進し、あらゆる災害やトラブルへの対応力を向上するためハード・ソフト両面の「強じん化」を進め、より筋肉質な体質の会社となるべく変革を図っていく。

今後本格的な「脱炭素社会」を迎えるにあたり、CNや持続可能な社会の実現、地域課題の解決に向けた取り組みは地方ガス会社の重要な使命であると認識している。21年に締結した秦野市×東京ガス×秦野ガスで締結した「CNのまちづくりに向けた包括連携協定」に基づき、CN都市ガスの供給やPPA(電力購入契約)・EV事業、環境保全や環境教育等、地域のニーズに沿った具体的な取り組みを着実に支援・実行し、各種課題の解決に貢献していくことで、地域に必要とされる会社を目指していく。

●小田原ガス

基幹システムのリプレースが完了し、新システムの運用のなかで、さらなる業務負担の軽減化、効率化および、見える化を推進していく。さらに紙面による伝票等を今後も随時タブレット端末での処理に移行し、ペーパーレス化やタイムリーな社内共有を行う。DX推進と共に、さらなる顧客満足度の向上、総合エネルギー企業として企業価値を高めていく。

●湯河原ガス

加速するDXに対応するため各担当の保有する情報のデジタル化を推進する。また、基幹システムの自由化対応を図る。

●東京ガス山梨

20年度に策定した「2030経営ビジョン」で掲げた基本方針は下記の通り。「人口減少、災害対応、脱炭素化といった地域の課題に対して、S+3Eに優れたガス体エネルギー供給&ソリューション拡大によって、行政のニーズに応え、顧客の豊かな暮らし・商売繁盛を実現し、企業としても発展していく。」

ビジョンで掲げる諸目標達成に向け3年目の年となる今年度は、都市ガスは産業用需要を中心に需要開拓を推進し、LPガスはこれまで同様効率的な事業運営と需要開拓を進める。行政の脱炭素化の取り組みへの参画やCNガスの導入検討を進め、CNに向けた取り組みも推進していく。

●吉田ガス

地場行政に対し、SDGsの達成を先導する循環共生圏の実現に向けて地方都市における現状と課題認識を共有し、SDGsの考え方を活用し環境・経済・社会の総合的向上を具体化させた「地域循環共生圏」の創造を目指す。

●熱海ガス

引き続きカーボンオフセット都市ガス、カーボンオフセットLPGを販売することにより、脱炭素社会の実現へ寄与していく。

DXへの取り組みではDX推進室を設置し、具体的にはグループウェアを導入することにより業務の効率化を図る。

●伊東ガス

重油・油の天然ガス化、省エネ・CO2排出削減につながる環境に配慮したガス機器の拡販、電化世帯のガスへの切り替え強化。インボイスと電帳法に対応した会計業務のクラウド化による脱ハンコ・ペーパレス化の推進。

ホームページのほか、インスタグラム、ツイッターなどSNSの積極活用による発信力とブランド強化。

●下田ガス

人口減少と地域経済の落ち込みによりマーケットは縮小傾向にあるなか、ガス、電力、くらし商材・サービスなどの幅広い価値の提供により収益基盤の拡大を目指していく。安定供給と保安の高度化に取り組むとともに、自治体や地域とのつながりを深化させ、くらしを支える総合エネルギーサービス企業としてプレゼンスを高めながら、地域の皆さまとともに持続可能な未来を想像する会社を目指す。また、顧客の利便性の向上のため、料金照会システムの導入やSNS等による情報発信の強化など、各種業務のデジタル化を推進し多様化する顧客のニーズに応える。

●御殿場ガス

DX推進の必要性を認識し、新たなチャレンジへの支援を惜しまない上長関与のもと、核となるDXコア人材の社員が、他の社員を巻き込み、業務効率化へ向け意欲的な取り組みの実践。

御殿場市はゼロカーボンシティ宣言をしているため、公共施設への太陽光発電(PV)導入の提案など、地域循環共生圏を構築するための提案を継続的に実施。

御殿場市エコガーデンシティ協議会および「ゼロカーボンシティ」推進部会に参加し、御殿場ガス、静岡ガスを始め企業や団体とゼロカーボンシティを実現するために協議する。

ITリテラシー研修を活用し、全社員が主体的に受講し、実務でも有効に活用する。

●島田ガス

(1)顧客接点の強化・拡大=ふれあい巡回を中心とした顧客接点営業を通じて顧客との繋がりを強化する。高齢者世帯でニーズの高いリフォーム需要を掘り起こし、当地域における暮らしまわり全般のパートナーとしてのブランド力を高める。賃貸集合物件のオーナーに対して、PV―PPA等の提案等、攻めの防衛営業を展開する。静岡ガスグループで開拓状況の情報を共有し、投資効率を検討しながら新設開拓を推進する。

(2)行政や地域のステークホルダーとの連携=市との電力供給業務等に関する協定に基づくさまざまな取り組みを静岡ガスと連携しながら進めていく。地域に潜在する再エネ資源を活用したエネルギーの地産地消および地域内の経済循環の実現を目指し、市民からの卒FIT(固定価格買取制度)の買取り営業を進めるとともに、市や商工会等と連携し、今年運用を開始するデジタル地域通貨の普及を図る。市や地元商店主と連携し、マルシェ等の地域活性化事業を推進するとともに、地域のステークホルダーとの幅広い対外連携を図っていく。

(3)CNへの取り組み=エネファームや、PV―PPA、蓄電池の組合せなど、省エネや省コストに資する多様な分散型エネルギーリソースの普及を促進し、地域内のCN実現に貢献する。業務用の燃転営業や、暖房機のガス化営業を推進するとともに、産業用顧客や公共施設へのCNLNG導入による脱炭素化の提案を進める。

(4)保安レベルの向上=白ガス本支管の入れ替え工事を、震災時の迅速な復旧体制の整備のためにブロック化できるラインから計画的に推進する。

(5)業務基盤の強化

社会全体でデジタル化が進展する中、業務の効率化を図るため、デジタルスキルを持つ人材を育成するとともに、デジタル化の取り組みに対する社員意識の向上を図る。また、新しい価値を生み出せる人材を育成し、チャレンジを後押しする組織風土の醸成を進める。

●中遠ガス

22年1月の都市ガス事業新設営業の静岡ガスへの統合、7月LP事業の静岡ガスエネルギーへの移管完了により、本中期経営計画の3カ月で当社は都市ガス事業に続く新たな「くらしサービス事業」の基盤確立、成長と効率化へ向けスピードを一層引き上げるとともに、顧客に「一番近い会社」として地域、顧客から支持を頂けるよう中遠ガス一丸となり取り組むことで「地域マーケットシェア」の拡大を目指す。

さらに成長分野への人員投入と中遠ガスの10年先を見据えた持続的な体制作り、人材育成に取り組む。そのためには静岡ガスグループ間交流を含めた個人レベルでのスキルアップ、組織においてはマネージメント強化の両面から積極的に人材育成に取り組む。

地域連携においては当社からの情報発信、行政からの情報入手を積極的に行うため担当者を選任するとともに、中遠ガスは行政により密着した地域課題解決、地域貢献活動に注力していく。

CNへの取り組みとしては30年のトラジション移行期までに、静岡ガスグループが掲げたCO2排出量削減を目指すため中遠ガスはさまざまな取り組みを進める。

●袋井ガス

大口(産業用)の顧客に、静岡ガスグループの省エネ技術、エンジニアリング力により、都市ガスへの燃料転換を推進する。これにより、CO2削減や省エネに寄与する提案を積極的に行っていく。家庭用の顧客については、新築新設、既存新設を中心に新たな開拓を進めるとともに、顧客との接点機会を活用し、暮らしサービス商材の提案を積極的に行っていく。

また、再開発が進む、都市ガス未普及地域には、積極的に導管投資し、将来の天然ガス普及や地域活性化に貢献する。

●東海ガス

23年度事業計画では、(1)GXへの対応(2)オール電化対策の強化(3)地域貢献・地域連携の取り組みに注力する。(1)GXへの対応では、CNガスの販売開始、補助金を活用した停電対応型CGSの販売拡大、工場のエネルギー管理業務などに取り組み、顧客や地域の環境負荷低減に貢献する。(2)オール電化対策では、ランニングコストに優れたハイブリッド給湯器や機能面で優れたガス衣類乾燥機の強みを積極的に提案し、新築住宅のガス採用、オール電化既築住宅のガス転換に取り組む。(3)地域貢献・地域連携の取り組みでは、行政と連携し、Jクレジットを活用したCO2地産地消による地域経済活性化の取り組みや、藤枝総合運動公園の指定管理者としてイベントの開催等による地域活性化に取り組む。またDX対応については、保安・開閉栓・事務業務のデジタル化を推進し、業務効率化とガバナンス強化に取り組む。

●犬山ガス

地域の人口は緩やかに減少傾向にあり今後、さらなる人口の減少幅は大きくなる。また、将来的なCN社会を見据え民生部門の電化シフトへの移行も大いに懸念される。

このような中で、家庭用は、燃料転換に特化した新たな料金メニューを整備して、LPガスやオール電化住宅からの燃料転換を積極的に推進していく。同時にオール電化住宅向けの商材も取り入れる。産業用は、天然ガスの省エネ性・省CO2への優位性を掲げて都市ガスへの転換・新規需要開拓により販売量を積極的に積み上げる。また、ガス事業者として、保安の向上やガスの安定供給は必要不可欠であり、経年管対策や導管網の整備、経年設備更新を推進していく。そして、人材育成の一環として、ジョブローテーションや目標管理制度を推進し、社員間の技能継承およびスキルアップや業務効率化を推し進め、競争力向上やCN時代に備えた社内体制を構築していく。

●津島ガス

昨年同様に、既設導管上の新規物件の獲得と共に、他燃料需要家から都市ガスへの切り替え獲得営業を継続していく。また、脱炭素化に向けての取り組みとして、当社から需要家への直接のCN都市ガス供給は現在検討されていないが、脱炭素につながるよう公共建物を主とした重油等からの燃料転換営業を行っていく。

●上野都市ガス

都市ガス事業者として、安定供給・保安確保を前提に、大規模自然災害における強じんなガスインフラの構築という社会の要請に応えつつ、地域の住民の意識改革、生活スタイルの転換、地域における脱炭素など地域創生に取り組む必要がある。

当社は、CNへの挑戦を成長の機会と捉え、第一に軸となる都市ガスの販売拡大とガス機器販売に取り組み、天然ガスシフトを加速する。第二に、これまで培ってきた熱、環境、防災といった強みを最大限生かし、当面の低炭素化を推進しつつ顧客ニーズに応える。第三に具体的なCO2削減に向け、PPA等を活用した再エネの導入拡大に取り組むと共に、エネルギーを多く消費する工場・施設の省エネ推進のための省エネ診断事業に着手する。そして、これらを実施していく上で、脱炭素化に向けた投資に耐えるコストスリムな事業体質を変化させ、コンプライアンス遵守の上でこれに取り組む。

●名張近鉄ガス

人口減少、パーメーター減少、電化による家庭用ガス販売量の減少、成長エンジンとなっていた大口潜在需要の枯渇など取り巻く環境が大きく変化する中、ガス事業者として安定供給のための基盤強化は元より、ガス販売および器具販売収益の維持と拡大、RPAの推進等による業務効率化、地域の信頼性を武器とした生活関連ビジネス、行政や工場向けの環境ビジネス等将来を見据えた付帯事業の拡大に取り組む。

●甲賀協同ガス

新型コロナウイルス感染症、ウクライナ情勢をはじめとする世界情勢によるエネルギーの供給不安と高騰など先行きが非常に不透明な状況となっているが、基本である保安と安定供給の維持継続を確実に行っていくことが最優先。

23年度の目標としては、保安のさらなる高度化、供給基盤の強じん化、地域密着型営業で事業領域の拡大(不動産業取り組み、空き家対策事業、地域貢献等)、高齢化社会に向けた取り組み、CN社会に向けた取り組みを掲げている。また、23年度はESG経営の取り組みを本格化し、滋賀県SDGs宣言も近々予定しており、より継続的な発展を目指していきたい。

50年CNに向けた取り組み内容としては、エネファームなどのCGSや高効率機器の普及促進をはじめとして貢献していくと同時に企業としての成長戦略に取り組んでいく。

また、地震対策として毎年計画的に行っている鋼管の埋設管のPE管への入れ替え、移動式ガス発生設備の配備とそれを使った訓練の実施など、災害時対応力の強化を図り地域の防災にさらに貢献できる体制づくりと、地域に根差した将来的な強固な事業基盤の構築を進めていく。

●大垣ガス

現在、基幹中圧A導管の延伸を進めており、今年度についても供給計画に基づいて延伸を続けていくとともに、既設の基幹中圧A導管の沿線開発も並行して力を入れていく。

また、リアルタイムな情報共有による業務の効率化を目的としたLINEWORKSの活用や、基幹導管網における遠隔監視体制の拡充等、今後も「DXの推進、IoTの活用による業務の効率化」を積極的に進めていく。

●日本海ガス

脱炭素社会への対応として、環境性、省エネ性の訴求や補助金活用の提案により、ガスエネルギーへの燃料転換や再エネを含めた、エネルギーの高度利用および高効率機器への更新を推進するとともに、CNガスの販売等を進める。

PPAやSo―Raファーム(太陽光発電+エネファーム)、CGS等のさまざまなサービスを組み合わせることによって、脱炭素化への取り組みだけでなく災害発生時のレジリエンス向上にも貢献する。

LPWA(省電力広域無線通信技術)等による検針の自動化、検針票のデジタル化を推進するとともに、PregoClub(ウェブ会員サイト)をハブとした顧客とのデジタル接点の強化を進めることにより、既存顧客との関係強化および新規顧客の獲得を目指す。

ガス料金の低減および適正化に向けた原資の確保、目指すべき料金水準の確定と実現に向けての取り組みを強化する。社内業務のデジタル化、ペーパーレス化、RPA化の推進、グループウェアの活用、および業務の統合等による業務効率化を推進する。

データベースの整備および見える化による数字とデータに基づく経営の実践を推進する。人材育成委員会の運営による社員の成長支援とともに人事制度改定や導入済のテレワーク制度やフレックス制度等を活用し、社員の誰もが働きやすい「働き方のダイバーシティ」実現を目指す。

●高岡ガス

産業用顧客獲得に向けた継続営業を行う。産業用、家庭用とも油類や電気等からの燃料転換の提案営業に注力する。工務店向けエネファーム、ハイブリッド給湯器の勉強会を実施し、採用物件の開発を行う。

●金沢エナジー

22年度同様、ガスおよび発電設備の信頼性と供給体制・保安水準の維持・向上に向けた各種施策を継続するとともに、都市ガスの契約件数減少を食い止めるべく、顧客に最適なガス機器の提案やランニングコストが低い点などを丁寧に説明し、引き続き使用量の増加や顧客獲得に努める。

また、ガス供給区域を拡大させ、新たな顧客獲得の活動を強化する。次に、ゼロカーボンシティを掲げた金沢市の企業として、CN都市ガスとCO2フリーの自社水力電気の販売など、地域経済・社会の脱炭素化につながる活動のみならず、地域の未来を担う子供たちの支援など、経営理念に基づいた幅広い地域貢献活動を実施する。

さらに、ガス製造工場および各発電所へのスマート技術導入に向けた各種インフラ整備、業務プロセスのデジタル化にも力を入れ、生産性の向上とコストダウンを図る。

また、将来の発展のため、常に新しいサービスや事業を検討・展開する制度の一つとして、全社員を対象にアイデアを募集する「チャレンジ提案制度」の運用を開始する。

●小松ガス

30年、トランジション期の低炭素化に貢献するために、燃料転換を推進する。22年1月31日から調達可能となったCNLNGによるCN都市ガスの普及を目指す。保安体制のさらなる充実を目指す。50年に向けて経営の多角化を図る。

●福井都市ガス

今年度は、「安全最優先によるガスの安定供給と社会的責任の全うを経営の基盤とし、顧客ファーストのサービス提供を通じて顧客および地域社会に貢献し信頼される企業を目指すとともに、顧客に都市ガスを選択いただけるよう『営業強化』に取り組みガス販売量の拡大を目指す。」を経営目標に活動を進める。安全最優先によるガスの安定供給が当社における最重要の使命であることに変わりはないが、それに加え下記について特に力を入れて取り組む。

従前からの他事業者との競争激化や人口減少、高齢化の進展に加え、原料費高騰による節ガスの浸透により、顧客数と販売量ともに減少傾向にあり厳しい事業環境となっている。この状況の中でまず、足元の顧客に引き続き当社の都市ガスを使ってもらうことが重要であると考えている。これに向けて、不動産会社やリフォーム会社等と連携して情報収集の強化を図るとともに、販売量拡大に向けて提案活動の強化や多消費機器の導入提案等の活動を展開する。

LPガスや油等、都市ガス以外のエネルギーを使用中の顧客に対して都市ガスへの熱源転換を提案する。昨今の原料費高騰の影響もあり、価格面だけで熱源転換を図ることは難しいと思うが、省エネルギーの推進、将来的な脱炭素の観点から顧客のニーズを丁寧に聞き取り積極的に取り組む。

●越前エネライン

北陸地方特有の気候に適したガス器具(衣類乾燥機、ガス温水床暖房、ガスファンヒーター)についての利便性を、各種イベント・チラシ・ウェブ動画などで顧客にPRし、電力に対する有意性の訴求活動を展開する。

産業用途の顧客に対しては、脱炭素化に向けた一歩として、ガス転換によるCO2排出量の削減を提案する。

●丹後ガス

経年埋設白ガス管からPE管の敷設替え、地区ガバナーの更新。

●福知山都市ガス

電力・ガスの自由化による影響はそれほど受けていないが、高齢化、人口減少による家庭用の調定数、販売量が減少している。また、コロナ禍での店舗閉店等による業務用の減少が見られる。エネファームやハイブリッド給湯器など環境に考慮した機器および付加価値(衣類乾燥機・床暖房等)の高い機器を提案することにより1戸当たりの販売量の増加を図る。人気の高いガス衣類乾燥機を切り口にハウスメーカー、地場工務店への都市ガス導入の営業を図る。

●大津市

DXへの取り組みとして、次のことを進めている。ガス導管埋設図(概略)は、来庁しないと閲覧できなかったが、オンライン化し、インターネット上で閲覧できるように運用を開始した。施工オーダー受付対応は窓口のみだが、オンライン化により、来庁せずとも処理できるシステムの構築に取り組んでいる。他工事受付についても、オンラインでのシステム構築に取り組んでいる。

●大和ガス

事業環境は、脱炭素社会の実現や、原材料費の高騰という要因により目まぐるしく変化している。このような環境下では、その変化に順応できる対応力、それを実現させる行動力、そして、その変革を継続させる持続力が重要と捉えている。

23年度事業計画の注力ポイントとしては、大きく3点があげられる。1点目は、これまでから継続して取り組んでいる「導管の安全性の確保」。エネルギー環境が目まぐるしく変化を遂げるなか、ガス事業者として初心に立ち返り、保安水準の向上による質の高い安心・安全の提供を目指していく。24時間365日の迅速な対応により自主保安体制の強化を図るとともに、ガス漏れ警報器の普及に努めることで顧客へ安心を届けていく。

2点目は、「デジタル化の推進」。近年は、Salesforceの導入やLINE公式アカウントの新設等、デジタルツールの導入に注力してきた。しかし、世の中のデジタル化は日に日に進展を見せている。世の中のデジタル化の波に遅れをとらないよう業務の効率化や改善を図りつつ、デジタルを最大限活用した事務のスマート化(事務BPR)に注力していく。

3点目は、脱炭素社会への対応である。LNGを脱炭素社会の実現に欠かすことのできないエネルギーと位置づけ、燃料転換(油からガス)等に注力していく。ガス事業者として50年の脱炭素社会の実現に向けて貢献できるように取り組んでいく。

●五条ガス

23年度の注力ポイントは、脱炭素化社会への取り組みで、高効率ガス機器への取り換え促進と他燃料からの天然ガスへの燃料転換。

●桜井ガス

今年度も昨年度に引き続き安定供給を目的とした中圧導管延伸工事(供給エリア東側)を実施、桜井市北部の商業施設新設計画に伴う本管敷設工事も予定している。県営住宅の2期工事が始まる見込みで、新規需要獲得に向けた取り組みに注力したい。

●大武

都市ガス事業者としては、化石燃料の中でCO2の排出係数が最も小さい特性を生かし、脱炭素社会を実現するまでの主力エネルギー源の一つとして、再エネや蓄電池・CGSのさらなる販売・普及活動を織り交ぜ都市ガス需要家を獲得し、都市ガスシフトを着実に促進していく。

●河内長野ガス

温室効果ガス排出量の削減事業を連携・協業して実施する協定書を23年2月に河内長野ガス、河内長野市、大阪ガス、関西電力の4者で締結。具体的な取り組みは当社の主な供給区域である河内長野市が、環境省から選定されて将来的に取り組んでいく「重点対策加速化事業」への対応。同市では、50年ゼロカーボン実現に向けた重点対策加速化事業が計画されており、その中では再エネだけでなく、高効率給湯器やCGSの導入拡大を図るとされている。当社では同市の一部で都市ガスを供給する大阪ガスと連携し同事業の具体化を支援していく。またDXへの取り組みとして、フィールド業務においてはモバイル端末の活用に向けて適用業務の検討など導入基盤の整備を行い、バックオフィス業務においてはインボイス制度や電子帳簿保存法への対応に向けたクラウドサービスの導入を予定。

●豊岡エネルギー

家庭用においてはエネファームや燃料転換を推進。業務用は燃料転換や高効率GHP等機器更新活動を通じての省CO2化の加速。

●篠山都市ガス

地方小規模都市ガス事業者の地域特性に対する強みを生かし、官民協働で地域貢献に取り組む。省エネ機器への取り換え推進およびウェブ明細サービス開始に伴うペーパーレス化により幅広い地域住民に適応した事業展開がポイントとなる。また、24年度調定件数増加に向けて、供給エリア内での導管延伸計画も策定している。

●伊丹産業

エリア内の少子高齢化が進んでおり、今後の事業発展のためには、ガスがクリーンエネルギーであることをアピールし積極的に提案していくことが不可欠。エネファームをはじめ、各種安全機器の提案を行い、業務用・工業用はもとより、家庭用においても他燃料からの燃料転換を積極的に進めている。また、保安面においては事故ゼロの継続を目指し、さらなる保安レベルの向上に努めていく。

●津山ガス

一昨年の50年CNに向けた政府の方針発表以来、世界的規模で脱炭素の取り組みが一気に加速し始めた。この流れの中で地方の都市ガス事業者として何ができるかを考えていくため、法人プロジェクトを立ち上げ今後の会社としての方針を検討していくこととした。21年からの数年についてはできるだけLNGへの燃転を数多く手がけ、将来的にはCO2を排出しないLNGへ移行することによってCNに寄与することを考えている。

それだけでは地方での特色が発揮できているとはいえず、地方自治体や周辺の法人様のニーズを探りながら、水素利用・再エネへの取り組み等当社としてお手伝いできることを実現できるよう、23年は少し具体的な今後の進め方を協議する年としていきたい。

●水島ガス

地域密着営業の強化

(1)家庭用分野=これまでに整備したデジタルツールの活用促進・定着と、昨年導入した新サービス(駆けつけ、水の宅配、空き家管理)の獲得増を図り、顧客とのさらなる接点強化と関係強化に努める。リフォーム事業では、デジタル広告の活用、外壁塗装の受注強化などを図りながら、事業収支の向上を目指す。

(2)業務用分野=省エネ診断などのソリューション提案により既存顧客との良好な関係の維持・強化に努めるとともに、顧客の設備更新時期を捉えた計画的な巡回と提案スキルの向上を図る。CNニーズの高まりから、コンビナート企業や行政の低・脱炭素動向を注視し、ガス業界としての取り組みを積極的に発信しながら将来の需要開発につなげていく。

(3)LPガス事業=当社の認知度を高める取り組みを継続するとともに、充てん・配送における周辺事業者との連携強化や卸販売などの取引先拡大を図る。顧客管理システムの更新、定保システムの新規導入など、デジタル化による業務効率化と品質向上に努める。

(4)安定供給と保安確保=新規開発による需要量増加に対応して導管網整備を進めるとともに、生産・供給設備の点検・整備を確実に行いながら、経年管対策では計画の前倒しに努める。熱調設備が設置後17年経過するなか、経年劣化による故障リスク、災害時のBCP確保等の観点から、24年度内の増設(2系統化)に向けて準備を進める。防災対策の強化では、倉敷市のハザードマップを踏まえた地震・浸水対策を進めるとともに、防災訓練の結果を検証し、BCPの精査・見直しも継続的に取り組む。

経営基盤の強化=企業活動の根幹となるコンプライアンスを一層強化するとともに、事業運営に支障を来さないようコロナの感染対策継続やサイバーセキュリティーへの対応に万全を期していく。

●福山ガス

天然ガスの普及拡大、安心・安全のさらなる追求、顧客満足と信頼の向上を事業計画の三つの柱として取り組む。

まず、家庭用については、経年機器の取り換え提案を積極的に行い、安心・安全で便利な暮らしを提供するとともに、省エネ機器による環境負荷低減を訴求する。また、ウェブショップやLINE公式アカウントでガス機器の販売・情報発信を強化し、顧客にガス機器ならではの快適さの提案を行う。

次に、業務用については、CO2排出量における天然ガスの優位性や台風・豪雨などの災害に強いエネルギーとしての観点から、顧客のCO2削減やBCP対策への取り組み等の諸課題解決に資する提案を積極的に行う。

また、安定供給の観点からは、行政とも連携し他工事業者への周知を徹底し他工事事故防止を図るとともに、舗装工事等に合わせた経年管の取り換えを促進し、レジリエンスをさらに高めていく。

これらの施策により、石油・石炭からの燃料転換や燃料電池等の普及拡大を図り、天然ガスシフト・天然ガスの高度利用を推進し、安心・安全な天然ガスを届ける体制を一層強固なものとしていく。

●松江市

他燃料から都市ガスへの燃料転換、エネファーム設置台数の増加に向けた取り組みを推進。

●出雲ガス

出雲ガスでは、25年中期経営ビジョンにおいて、価値の創造を基本理念とし、三つの価値の創造実現(顧客価値・社会価値・従業員価値)を掲げている。

その中で、『社会価値』の創造実現として、環境負荷の少ない天然ガスの利用促進を推進するとともに、CO2排出量を削減することで、脱炭素社会の実現および地域の持続的な成長に貢献することを目的として、CNLNGを契約。自社の都市ガス空調等で使用することで年間90トンのCO2排出量削減目標を掲げている。

●浜田ガス

加速するDXへの取り組みとして、ポータルサイトの導入を検討中であり、顧客に情報を提供し、顧客対応や情報の一元化を図る。

その他、電子決済ツールやグループウェアを活用し、組織内の業務プロセスを最適化することを目指す。ウェブマーケティングの分野にも可能であれば注力したい。

●久留米ガス

引き続き顧客離脱防止のための施策の実施および、新規顧客獲得のための新たなハウスメーカー・工務店との関係強化。災害対策関連の体制および要領の見直しを取り組み、災害に強い久留米ガスを目指す。

経年内管(保安上重要な建物)および長期化している仮配管の管理を強化するとともに、粘り強く改善折衝を行い、事故リスク低減を図る。

●大牟田ガス

合併して2年目を迎え、都市ガス、LPガスをトータルで販売し、地域でのエネルギーシェアの拡大を図る。重複コストを削減し、効率的な事業運営を確立する。地域に根差した事業運営体制を構築し、持続可能な経営の実現。新規販売量獲得による売上高の拡大および統合によるさらなる業務効率化。顧客接点機会を活用した営業活動の拡大や保安レベルの向上を目指す。

●筑紫ガス

前年度に引き続き、CNへの取り組みを継続する。すぐに脱炭素の実現となるとハードルは高いが、現段階でできることとして、CO2削減するために、排出量が多い他燃料からの天然ガスへの転換に注力する。また、自治体に対して働きかけを行い、地域全体でCNへの取り組みが実現できるようなきっかけを作りたいと考えている。また、このような取り組みや業務のDX化を推進するには、ガス事業だけではなく、その分野の知識をもつ人材が必要である。保安技術、スキルと併せて人材育成を進めていく。

一方、設備の面では、自社サテライト設備と他社受入地点を鋼管で結ぶ中圧導管を整備中であり、25年の完成を予定している。これは、導管網の強じん化と隣接地域の旺盛な天然ガス需要への貢献に期待するものである。また、22年度からはメーカーからの要請によりスマートメーターの実証試験も実施しており、継続して安定供給と保安の確保を高めていく。

●唐津ガス

事業の中心は、都市ガス、LPガスのガス業である。顧客をいかに最大化していくかと同時に、どうしたらもっと顧客に喜んでいただけるかを考え続けること。昨年度から都市ガスの問い合わせも増えており、今がチャンスだと思っている。LP需要家増も含めて、ガスの顧客全体の数を上げていく。また今年度は、コロナの影響によって中断していたガス展を再開したい。顧客とのコミュニケーションと周知を図りたい。先日、唐津市が脱炭素宣言をしたことで、当地区でも機運が高まっていくと考えられるので、CNガスの導入に向けての準備も含めて、行政と地域にどうかかわっていくか検討していく。

DXへの取り組みに関しては、できるところから少しずつ進めているが、昨年度からはコンサルタントに依頼して、会社全体の効率化を進めている。ルーティン業務などは極力デジタル化にして、人には人にしかできない仕事に集中する、という当初の目的を達成したい。今年度中に間に合えば、さらにDXによる新たな事業機会の創出、競争力の強化などを実現していきたい。

●佐賀ガス

電力・都市ガスの競争激化=電気事業は、16年4月、ガス事業は、17年4月より小売市場の全面自由化となり競争も激化していたが、近年の多様な環境変化により安定供給や省エネ・節ガス、環境適合などを主軸に置いた形になっている。電気・都市ガスの競争ではなく、協調もしくは、ベストミックスを基軸にして今後のエネルギーを考えていかねばならない。

当社としては、佐賀市において都市ガスの普及率を上げることを目標に導管網の整備をするとともに快適なエネルギー提案を行っていきたい。

脱炭素化社会の対応=「50年CN」の実現に向けたエネルギー脱炭素化と聞くとガスから再エネ由来や原子力など電力を利用しての電化というイメージが強く脱ガスへと懸念され危機を感じている。e―methane(e―メタン)は、ガスの脱炭素化に貢献する次世代のエネルギーと認識している。

まずは、30年までに低炭素化社会の実現に向け、天然ガスシフトや省エネ機器、再エネ、CGS、畜エネなどの積極的な導入促進、GHPやボイラーなどの経年機器のリニューアル促進、佐賀県森林由来のCO2を相殺したCNガスの定着化など促進しながら次世代へとつなげていきたい。

●エコア

導管漏えい検査の管理作業のデジタル化、スマートメーターシステムの導入を検討している。

●宮崎ガス

電力・都市ガスの競争激化=人口減少に伴う市場の規模縮小は避けられないが、スマートシティ・コンパクトシティ化の流れにより市街地やその近郊への住居等の集約化も起きており、一つ一つの物件を確実に獲得し、顧客数の維持・拡大を目指す。

脱炭素化社会への対応=30年に向けては、LNGを活用した低炭素化が最も現実的な脱炭素社会移行への取り組みであることを繰り返しPRし、業務用等の燃転を推進する。並行してCNLNGの採用および販売を開始したい。また、行政との連携や学術機関・共同研究を強化し、地域資源を活用した脱炭素化社会実現を目指す。また、事業活動に伴うCN化として再エネ・省エネ設備の導入を目指す。

加速するDXへの取り組み=デジタル推進室が核となり、デジタル技術を活用した業務効率化を図りつつ、顧客サービスの向上、データの営業への利活用につなげる。また、グループ社員のITスキル向上、サイバーセキュリティー対策強化も進めていく。

●南日本ガス

23年度事業計画の注力ポイントとしては、安定供給と保安の確保への取り組みであり継続して進める。脱炭素化については社内での省資源、省エネに取り組み、ボイラー空調においてクリーンエネルギーなガスへの燃転営業を提案しCO2削減に努め、環境負荷への低減に努めていく。

●加治木ガス

22年度に、重油ボイラーから都市ガスに転換した場合の導管見積依頼があった。今後、23年度の注力ポイントになると考える。

●国分隼人ガス

50年のCN化に向け、エネルギー業界の動きを注視し、今後の活動に生かすことが重要となる。地方自治体および企業や需要家等すべての業務活動においてCNに対する取り組みに関する情報提供を実施する必要性がある。23年度も総合エネルギー事業者として地域との協創を図りながら、他燃料や同業者との厳しい競争に打ち勝てる資源の構築を図る。顧客の生活や時代のニーズに応じた価値提供を行い、エネルギーの多様化、生活スタイルの多様化など、それぞれの課題に取り組み、エネルギーの提供のみならず、あらゆる価値提供、プラスアルファを常に意識し、事業活動を活発化させ、コアとなる需要家件数の増加に注力を図る。

●沖縄ガス

(1)既存の顧客との「関係強化」=当社には60年余をかけて築きあげた「顧客との強い絆」と「地域社会からの信頼」という強みがある。それを他社にはない「電気」と「ガス」という他社にはない商品の組み合わせに「競争力」という付加価値を加えて「競合他社との差別化」を図る。

(2)「新しい顧客」の開拓↓都市ガス、LPガス=新築獲得営業(新規取引先開拓含む)の他、家庭用、業務用のボイラーや空調の燃料転換、オール電化住宅へのガス衣類乾燥機設置を促進する。

(3)電力事業の拡大=21年7月に稼働した中城バイオマス発電所をメインに、糸満浄化センターや太陽光発電の環境に優しい電源を用いて、高圧、低圧需要を開拓していくとともに、再エネ由来の電源開発も行っていく。

○新規小売事業者

●北海道電力

都市ガスを利用する顧客に、おトクな料金プランの提供やガス機器故障時に点検のプロが無料で出向くサービス、警報器のリースを導入している。引き続き、顧客ニーズにきめ細かく応えながら、今後も、電気・ガスともに「北海道電力」を選んでもらえるよう、精力的に販売活動を行っていく。

●関西電力

引き続きエネルギートータルでの顧客のさまざまなニーズに応えられるよう、ガス事業の取り組みを実施していく。加えて、顧客の環境ニーズの高まりに対応するため、CO2オフセットの提案や重油等からLNGへの燃料転換活動の強化も行っていきたい。

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