「技術トレンド」進化する吸収冷温水機/節電型を新開発 【4面】
東日本大震災以降の電力需給ひっ迫を背景に、節電・省エネのニーズが高まっている。
厳しい暑さの中、空調についても、冷房機能を維持しながら、節電・電力ピークカットに貢献するガス空調があらためて注目を集めている。日立アプライアンス(二宮隆典社長)は、従来機よりも消費電力を抑えた「節電型ガスだき吸収冷温水機(節電型ナチュラルチラー)」を東京ガスと共同開発し、今年4月から販売している。
◆冷却水量低減で節電/電気式と比べ約80%減に
従来型ナチュラルチラー(本体+冷却水ポンプ+冷水ポンプ)の消費電力は、高効率ターボ冷凍機(電気式空調機)と比べ約4分の1程度。日立アプライアンスと東京ガスは、さらに消費電力の削減を目指した。
まず目を付けたのが、ナチュラルチラーの消費電力の約6割を占め、しかもターボ冷凍機のそれよりも消費電力が大きい冷却水ポンプの消費電力だった。
両社は昨年度、冷却水ポンプの消費電力を抑えた「節電型ナチュラルチラー」の開発に取り組んだ。日立アプライアンス製の高効率吸収冷温水機EXシリーズを基に開発を進めた。