9月CP/4カ月連続で上昇 原油高騰、先高懸念も 【6面】
9月のLPG輸入契約価格(サウジCP)は、プロパンがトン当たり前月比30ドル値上がりして850ドルとなった。値上がりは4カ月連続。輸入商社は冬場の需要期に備え、そろそろ在庫積み増しを意識し始めるタイミング。おりしもシリア情勢の緊迫化などを背景に、原油市況が上昇しており、10月以降の輸入価格のさらなる押し上げに警戒感が広がっている。
サウジアラムコが8月29日、LPガス輸入商社に対して、9月のLPG出荷価格(CP)を通知した。ブタンはトン当たり875ドルとなった。前月比55ドルの値上がりで、値上がりは3カ月連続。
CPの価格決定に影響をおよぼすアジアのLPGスポット市場は、現状は不需要期にあるため落ち着いている。しかし、原油が上昇傾向を強めていることから、先高感は広がりつつあるようだ。10月分のCP価格(プロパン)について市場では、870ドル前後を予想する声が多いという。
中東産原油価格(アラビアンライト)はこれまで1バレル100ドルを少し超えたあたりで推移していたが、シリアへの軍事介入の可能性が高まった先週28日には114ドル近くまで急上昇した。これは今年2月以来の高値水準となる。
CPはLNG長期契約価格のような原油リンクは採用しておらず、サウジアラムコが市場動向を総合的に判断し独自に決めている。とはいえ、原油が高騰すれば、石油の仲間であるLPGの価格にも当然影響は及ぶ。それだけに原油市況の動向から目が離せなくなっている。