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エネ基本計画 見直し議論を本格化/原発と石炭の利点を強調 【3面】
 総合資源エネルギー調査会(経産相の諮問機関)基本政策分科会(旧総合部会、分科会長=三村明夫・新日鉄住金相談役)は8月27日、第2回会合を開催し、参議院選挙での与党勝利と原発安全審査の開始を受けて、エネルギー基本計画の見直し議論を本格化した。これまで月1回だった開催頻度を9月以降は3回に増やす。年内の取りまとめではエネルギーミックスの比率を示さず、エネルギー源ごとの特徴や今後の見通しを書き込む方針。

 第2回会合の議題は、いわゆる「3E+S」(エネルギー安全保障、経済性、環境性、安全性)。これまではエネルギーの生産・調達、流通、消費の各段階における論点整理を中心に議論を進めてきたが、事務局の資源エネルギー庁は今回初めてエネルギー源ごとのメリット・デメリットを示した資料を提出した。他の資料と合わせて、海賊の危険性の増大など、原発以外のエネルギー源のリスクを詳述することで、原発と石炭のメリットが相対的に強調されている。

 これらの資料について三村分科会長は「事務局が一生懸命作成した資料であり、今後の議論のベースになると思われる」と評価。そのほか出席した9人の委員のうち、6人が肯定的に評価した(秋元圭吾・地球環境産業技術研究機構システム研究グループリーダー、崎田裕子・持続可能な社会をつくる元気ネット理事長、豊田正和・日本エネルギー経済研究所理事長、西川一誠・福井県知事、増田寛也・野村総合研究所顧問、山名元・京都大学原子炉実験所教授)。

 エネ庁が資料で、電力会社の発電用燃料の国内民間在庫を「ウラン2年程度、LNG13日、石油67日、石炭33日」と示したのに対して、崎田氏は「天然ガスは(電源構成で)42・5%を占めているのに、備蓄が13日しかない。こうした情報はきちんと共有化した方が良い」と述べた。山名氏は「国内でお金を回して電気を作るのは原子力、海外にお金を流してしまうのが火力。特にガス火力に依存しすぎるのはリスクが高い」、増田氏は「LNGなどの備蓄を増やすことも必要」と述べた。

 松村敏弘・東京大学教授はLNG備蓄量について「こうした安直な見せ方では心配になる人が多いと思うが、LNGは備蓄を増やすコストが他のエネルギーに比べて高いことが理由で、少ないのは当然。電気はLNGでなくても作れるので、よりコストの低いもので備蓄し、コスト最小化を図ることがエネ基本計画(の役割)と指摘した。

 また、価格が乱高下する石油への依存を問題視する説明に対して「民間が判断すべきであり、国家の戦略として重要なことか疑問。先物などでヘッジもできる。民間が市場メカニズムで対応すべきことと、国が本当にやるべきことを峻別する視点が欠けているなら問題だ」と指摘した。豊田氏は「中東が不安定なときに市場メカニズムに任せておけばよいというのは理解できない。安全保障こそ国が考えるべきことだ」と反論した。

 橘川武郎・一橋大学教授はLNG備蓄に関する松村氏の意見に支持を表明。「LNGは日本と韓国で世界の半分以上を輸入している。日中韓台が組めば非常に大きなバイイングパワーになる。備蓄などではなく、市場メカニズムを使ったやり方で有利に調達できることもありえる。隣国との関係改善の突破口になる可能性もある」と述べた。


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