GENIX-CN70

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7月12日終値

7月12日 GENIX-CN70は3週連続で上昇し、先週に続き2週連続で指数算出以来の最高値を更新した。日本酸素、岩谷産業、栗本鉄工、前澤工業などが本年高値を更新した。
市況情報

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)7月分は、プロパンが6月分と同値の1㌧当たり580㌦、ブタンも6月分と同値の565㌦となった。

 原油市況はこのところ1バレル80㌦台で堅調に推移する一方、中国向けなどLPGの需要は落ち着いているもよう。米国プロパンガス市況も1㌧400㌦をはさんでのもみ合いが続いている。

 なお、中国に次ぐ世界第2位のLPG輸入国インドで総選挙が行われ、このほど与党の勝利が明らかになった。同党はLPG普及政策を強力に推進してきた経緯があり、LPGの国際需給に影響を与えうるとして選挙結果が注目されていた。

 (2024年7月1日配信)

【過去解説記事】

 14日東証 GENIX-CN70は前週末比0.94ポイント高の192.96と2週間ぶりに反発した。指数構成銘柄ではK&Oエナジーグループ、三菱重工業、伊藤忠が上場来高値を更新したほか、岩谷産業、関西電力、東邦ガスなど大手電力・ガス株も根強く物色された。

 K&Oエナジーの株価は今年大きく値上がりし、11日の上場来高値4230円は昨年末終値2041円から2倍を超える上昇になっている。同社は千葉県で天然ガス・ヨウ素を産出しており、ヨウ素が次世代太陽光(ペレブスカイト太陽電池)の材料となることから注目を浴びているようだ。

 経済産業省が5月29日、第1回「次世代型太陽電池の導入拡大及び産業競争力強化に向けた官民協議会」を開催したことも手掛かり材料になっている。同協議会では日本が先行するペレブスカイト太陽電池の普及促進を目指している。日本のヨウ素生産量は世界第2位であり、エネルギー安全保障の観点からも期待が大きい。また、今週は米国でスタートアップがペレブスカイト太陽電池の工場を新設するとの報道も関心を集めたようだ。さらに、同業の伊勢化学工業の株価が昨年末の8590円から、本日の最高値40500円まで実に4.7倍となる大相場を演じていることも刺激になっている。

(2024年6月14日配信)

 米国で天然ガス先物価格(ヘンリーハブ=HH)が上昇している。6月11日の期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり3.129ドルと、今年1月12日の3.313ドル以来、5カ月ぶりに3ドル大台に乗せた。2~3月には1.5ドル台の安値を付けていた。また1年前のこの時期は2ドル台半ばで推移していた。

 最近の市況動向についてJOGMEC調査部白川裕調査役は、「市況低迷時に掘削井が絞られた影響で、ガス生産量がジワリ減少している。そこに米国南部を中心とした記録的な猛暑による発電用ガス需要増が加わった」と指摘する。また、当面の値動きについては、「ガス発電用の需要は既に限界に達しているため、先物価格がこの先もさらに大きく値上がりする展開は想定しにくい」としている。

(2024年6月13日配信)

 6月7日東証 この週の東証株価は高値圏で伸び悩み、7日の東証株価指数(TOPIX)終値は前週末比0.6%値下がりした。GENIX-CN70も上値が重く2週間ぶりに反落し、前週末比1.9%の下落となった。

 GENIX-CN70構成銘柄の足取りは総じて重いが、その中で異彩を放つ逆行高を演じたのがデンヨーだ。同社は量産型燃料電池式可搬形発電装置を開発するなど水素関連ビジネスを手掛けている。

 同社株価は2020年9月と同年11月に付けた2600円台の高値を一気に払い、2700円台半ばに到達した。約1カ月間で株価は2割を超える上昇となったが、業績は好調で株価指標面に割高感は乏しいと見られる。「チャート上の節目を突破してきたことで、目先妙味が膨らんでいる。また同社は可搬型、非常用発電機を手掛けており、梅雨入りを前に防災関連の切り口にも関心が向いている」(市場関係者)。日本ではゲリラ豪雨が頻発化しているが、同社が強みとする北米ではこの時期ハリケーンの多発が警戒されている。シーズン性を発揮する場面も期待されているようだ。

(2024年6月7日配信)

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)6月分は、プロパンが1トン当たり580ドルと前月分と同値だった。ブタンは前月比20ドル値下がり(下落率3・42%)して565ドルとなった。ブタンは3カ月連続で下落した。

 先週の米国プロパンスポット市況(MB)はトン当たり400ドル前後で推移。原油先物市況(WTI)は足元の堅調な在庫状況や長期金利の高止まりなどを受けて、1バレル70ドル台後半では上値が重くなっている。

(2024年6月3日配信)

 5月31日東証 GENIX-CN70は3週間ぶりに最高値を更新した。次世代太陽光発電(ペレブスカイト)関連として注目されるK&Oエネジーが一時未踏の4000円台に乗せたほか、栗本鉄工は18年ぶりの5000円台、川崎重工は9年ぶりの6000円台、ENEOSは6年ぶりの800円台となるなど大台替わりが相次いだ。北海道電力、九州電力などの電力株や、商社、海運株なども根強く物色されている。

 三浦工業が急伸し、およそ3カ月ぶりに本年高値を更新した。同社は5月30日、ダイキンと業務資本提携すると発表。工場向けに空調や蒸気ボイラ、水処理システムなど熱・空気・水に関するトータルソリューションをワンストップで提案する。それぞれの強みを生かして工場のカーボンニュートラル化のニーズに応える。三浦工業は国内の工場に、ダイキンは海外に強固なネットワークを有しており、市場はメリットを発揮しやすい組み合わせと受け止めているようだ。また、ダイキンは三浦工業の発行済み株式4.67%を三浦工業の自社株から購入する。三浦工業はその売却代金でダイキン子会社の株式49%を取得する。株式価値の希薄化や当面の株式需給悪化を招かない資本提携スキームも好感されたようだ。関連記事(https://www.gas-enenews.co.jp/gijutsu-shinseihin-hoan/40495/

(2024年5月31日)

 米国の天然ガス市況が上昇している。ヘンリーハブ(HH)先物期近価格は5月23日、百万BTU(英国熱量単位)当たり一時2.9ドル台に上昇した。3ドルは今年1月以来となる高値水準。「米国ガス市況は2~3月に1ドル台半ばまで大きく下げた経緯があり、その際に生産リグの稼働台数が削減された。その影響がここにきて出始めている」(JOGMEC調査部白川裕調査役)という。また、米国南部を中心にこの夏の気温が高めになるとの予報や、米フリーポートLNG輸出プロジェクトが本格生産に復帰したことなども材料視されているという。

(2024年5月24日配信)

 5月17日 GENIX-CN70は前週末比2.35ポイント安の192.12と4週ぶりに下落した。総じて利益確定売りに押される展開となったが、その中で13日に決算を発表した岩谷産業、14日に決算・大規模な自社株買いを発表したENEOSの株価が急伸した。どちらも一時本年高値を更新するなど人気付いた。

 岩谷産業の決算について市場関係者は、「前期実績も今期予想も2桁増益の好決算。ただ今期の配当金予想額が据え置かれたため、株価は急伸後伸び悩んだが、持分法対象のコスモエネルギーの寄与分も見込め、今後増配期待から見直される可能性がある」とする。

 ENEOSの自社株買いは上限が発行済み株式総数の2割強におよぶ大規模なもので、市場にサプライズを与えた。「経営陣の資本効率・株主還元への意識の高さを感じる内容。大型投資がなく、JX金属がIPOに向けて資産売却を進める中、財務体質が良好になっていることが背景にある」(大手証券アナリスト)と見ている。

(2024年5月17日)

 GENIX-CN70は10日、前週末比2.33ポイント高い194.47ポイントと3週連続で値上がりし、前週に続いて過去最高値を更新した。

 指数構成銘柄では大阪ガス、北海道ガスなどが過去20年来の高値を更新。大阪ガスは8日発表の自社株買いが好感されている。「3月発表の中期計画で株主資本配当率に基づく増配方針が打ち出されたばかりの株主還元策で、サプライズとして受け止められた」(アナリスト)。北海道ガスは4月30日発表の株式分割(1対5)や今期実質増配を手掛かりに人気化している。PBRは0.8倍台に上昇し、課題の1倍割れ解消が現実味を帯びてきた。

 岩谷産業も急伸し、4月に付けた最高値9311円を射程に捉えてきた。同社の3月期決算は5月13日午後2時半に発表予定だが、同社がさきごろ筆頭株主となったコスモエネルギーホールディングスが昨日決算発表を行い、堅調な業績と自社株買い、年間300円配当を維持する方針が明らかになった。コスモエネの株価は本日、一気に高値を更新、岩谷産業の株価支援材料になっている。

(2024年5月10日配信)

  中東産LPG日本向け長期契約価格(サウジCP)5月分は、プロパンが1㌧当たり580ドルと前月比35ドル下落した(下落率5・69%)。値下がりは4月分に続いて2カ月連続。

  ブタンは前月比35ドル値下がりして(下落率5・65%)1トン当たり585ドルとなった。ブタンも2カ月連続で下落した。

(2024年4月26日配信)

 中国税関が18日に発表した3月のLNG輸入量は前年同月比24・1%増の665万㌧となり、3月としては2021年の564万㌧を上回り3年ぶりに過去最高を更新した。1~3月の累計輸入量は同20・4%増の1985万㌧と、年間輸入量が過去最高だった21年同期を0・8%上回った。

 今年第1四半期の国内総生産は5・5%増と昨年第4四半期の5・2%増を上回った。輸出産業を中心に二酸化炭素排出削減のためのガスシフトも進んでいる。同期間のLNGスポット市況が前年同期を4割下回るなど割高感が薄れたことも需要喚起につながったようだ。今後の見通しについてエネルギー・金属鉱物資源機構調査部竹原美佳部長は、「国際市況はこのところ上昇に転じており、LNGスポット調達は目先一服しそうだが、地方政府のガス火力建設推進や船舶燃料のグリーン転換などもありガス需要そのものは高まる方向」としている。

(2024年4月18日配信)

 東証4月12日 東京ガスの株価が一時前日比54円高の3899円と前日に続いて上場来高値を更新した。同社株は今週に入って騰勢を強め、年初からの株価上昇率は20%に達した。3月中旬、大阪ガスの時価総額が一時、東京ガスを逆転したが、東京ガスが再び首位に立ちリードを広げている。4月19日に全国知事会が東京ガス横浜ステーションを視察し、e‐メタン製造実証の説明を受ける予定となっている。カーボンニュートラルに向けた同社の技術力に注目が集まりそうだ。株価上昇により、株価純資産倍率(PBR)は0.94倍へと上昇。1倍乗せが視野に入ってきた。

 都市ガス株では、北海道ガスの株価も上昇基調にあり、この日も前日マークした上場来高値2960円まで一時買い進まれる場面があった。年初からの上昇率は34%に達するが、同社株のPBRはいまだ0.7倍台にとどまり、依然割安感が漂う。北海道では半導体工場の新設で電力消費の大幅な伸びが予想され、北海道電力の株価もこのところ大幅に上昇している。

(2024年4月12日配信)

 4月3日 米原油先物(WTI)は前日比28セント高の85.43ドルと3日続伸、本年の高値を更新した。ウクライナによるロシア主要製油所への無人機攻撃や、イラン大統領によるイスラエルへの報復表明など地政学的リスクの高まりが背景にある。また週間統計で米国原油在庫が前年同期比18.5%減と減少が目立ったことも材料視されている。

 注目されたOPECプラス合同閣僚監視委員会は、生産目標維持を決定。また、米連邦準備理事会パウエル議長は講演で利下げを急がない姿勢を示したとされる。三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部・芥田知至主任研究員は、「中東、ウクライナ情勢は今後一段と動向が注視される。また、米金融政策、中国当局による経済運営、産油国の生産方針なども引き続き注目される。ただ、米中の景気は石油需要を上振れさせるほどには強くないとみられ、相場の上昇傾向を決定づける材料は出にくいと思われる。相場は再び一進一退の推移となりやすい」と指摘。もっとも、今年後半にかけて米利下げを受けてドル安が進む展開となれば、ドル建ての原油価格には割安感が生じ上昇圧力がかかりやすくなるとし、今年度は1バレル95ドル程度の上値が見込めるとしている。

(2024年4月4日配信)

 GENIX-CN70は年度内最終売買日となった3月29日、前週末比0.55ポイント上昇し189.41と、2週続けて最高値を更新した。3月末割り当てで1対10の大幅な株式分割を実施した三菱重工業は権利落ち後も堅調で、修正株価は連日の最高値となった。GENIX-CN70構成銘柄では他に理研計器が1対2、川崎汽船が1対3の株式分割を3月末割り当てで実施した。

 岩谷産業の株価が3連騰で、連日の上場来高値更新。3月28日にコスモエネHD株式を追加取得し、持ち分法適用会社にしたと発表したことが材料視されている。コスモエネの今期純利益予想は780億円、岩谷産業は335億円。持ち分比率2割相当の利益が来期以降、上乗せされるインパクトの大きさが期待されているようだ。また、会社側は本件株式取得に要する資金を借り入れで賄うとしており、「増資による一株当たり利益の希薄化が回避される見通しになったことも好感されている」(国内証券調査部)という。

(2024年3月29日配信)

 米国3月26日、米パイプラインガス(ヘンリーハブ=HH)先物価格が終値で5日続落し、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.575ドルに下落。2月20日に付けた本年安値1.576ドルを1カ月ぶりに割り込んだ。ザラ場安値は1.4㌦台まであった。

 米エネルギー情報局(EIA)が3月21日に発表した週間データによると、米国の地下ガス在庫量は3月15日時点で前年比21%増、過去5年間の平均値に対しては41%上回っている。エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役は、「気温が上がり需要が低下して、在庫がさらに積み上がったことと、生産がすぐには低下しないことが主要因」と指摘する。こうした在庫の荷余り感が先物市況の上値を重くしているようだ。

 HH先物価格の過去15年間の値動きを振り返ると、期近先物価格が1ドル台まで下落した年は2012年、16年、20年の3回あり、当該年の安値形成月はそれぞれ、4月(1.9ドル)、3月(1.6ドル)、6月(1.4ドル)となっている。春に安値を付ける習性と、この間の価格水準が切り下がる傾向が見て取れる。

(2024年3月27日配信)

 3月22日、ガスエネ株価指数カーボンニュートラル70(GENIX‐CN70)は2週間ぶりに過去最高値を更新した。GENIX‐CN70構成銘柄はほぼ全面高となり、K&Oエナジー、三菱重工、岩谷産業、大阪ガスなどが最高値を更新した。

 なお、三菱重工(1株→10株)、理研計器(1株→2株)、川崎汽船(1株→3株)は3月28日付で株式分割の権利を落とす。株式分割のメリットとしては、単位投資額の引き下げによる投資家層のすそ野拡大、流動性の向上などが指摘される。昨年以降で、株式分割を実施したリンナイ、NTT、三菱商事、京セラは、権利落ち後も堅調な値動きを保っている。

(2024年3月22日配信)

 3月15日 ENEOSHD(GENIX―CN70構成銘柄)の株価が朝方から買い進まれ、5年3カ月ぶりに700円台に乗せてきた。他にもINPEXや石油資源開発、コスモエネルギーHDなどの石油関連株、資源高が利益に結び付く商社株も軒並み値上がりしている。コスモエネルギーは国内大手証券が投資格付けを引き上げたことも好感され、株価は上場来高値を更新した。

 株式市場は、米原油先物(WTI)が14日、期近4月渡し終値で1バレル81.26ドルと続伸し、昨年11月6日の80.82ドル以来の80ドル台乗せとなったことを材料視しているようだ。国際エネルギー機関(IEA)が同日公表した市場レポートでは、今年の石油需給は供給不足になるとの予測が示されている。産油国の自主減産延長による供給減や、紅海におけるタンカー襲撃で海上輸送距離が延びておりバンカー燃料の需要増加を織り込んだという。もっとも原油市況は過去1年余りにわたって、おおむね70ドルから80ドルのレンジで推移しており、80ドル台では上値の重さも意識されそうだ。

(2024年3月15日配信)

 3月8日 大阪ガス(GENIX CN‐70構成銘柄)の株価が前日比153円高の3350円で寄り付き、直後に230円高の3427円まで上昇。1月11日に付けた上場来高値3242円を一気に更新した。同社は7日、3カ年中期経営計画を策定し、配当を原則減配せず維持または増配する累進配当制度を導入すると発表し、好感された。

 2024年3月期の配当金は前期比12円50銭増配して72円50銭(従来予想65円)に、25年3月期は95円を目指す方針も示した。株主資本配当率を3%とする方針を掲げ、機動的な自己株取得も検討するとした。この他、自己資本利益率(ROE)の目標は26年度に8%程度、投下資本利益率(ROIC)は5%程度を目指す。「株価を意識した経営姿勢に変化していると株式市場が受け止めており、都市ガス株の中でも相対的な値上がりが目立ってきている」(中堅証券)という。この日前場終値での時価総額は、大阪ガスが1.43兆円、東京ガスは1.41兆円となり、大阪ガスが東京ガスを逆転した。

(2024年3月8日配信)

 2月22日 東証では朝方から買いが先行し、日経平均株価は大幅に反発した。終値は初の3万9000円台で、1989年12月以来の史上最高値更新となった。注目された米エヌビディアの決算が市場関係者の事前予想を上回り、3連休控えにもかかわらず、マーケットのセンチメントは強気に傾いた。半導体関連株をリード役に、主力株を中心に幅広く買い進まれた。

 GENIX‐CN70構成銘柄も軒並み上伸した。三菱重工業が上場来高値を更新し、日本酸素HD、川崎汽船は最高値をうかがう動き。原油市況の上昇を背景に石油資源開発など石油関連株も値上がりした。

(2024年2月22日配信)

 米国パイプラインガス市場価格(ヘンリーハブ先物)が2月15日、8日連続安となり、百万BTU(英国熱量単位)当たり1.5㌦台まで下落、2020年6月以来の安値水準となった。在庫の積み上がりが背景にあるという。

 エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80㌦弱と堅調なことから、パーミアン盆地を中心にシェールオイルの生産が盛んで、随伴ガスの生産量も増えている。気温が高めに推移していることもあり、地下在庫は過去5年間の最高水準に到達している」と指摘。

 先物市場の中心商いが春の需要閑散期に移りつつあることから、市況は当面弱含みで推移しそうだ。
(2024年2月16日配信)

2月12日 米国で天然ガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格=HH)が5日続落し、期近終値は百万BTU(英国熱量単位)当たり1.768ドルに下落した。1.7ドル台は2020年7月以来の安値となる。市中在庫が高水準にあり、市場のセンチメントを圧迫している。

HHは昨年11月以降、3ドルを割り込むなど市況の低迷が続いているが、生産量が落ち込む兆しはいまだ見えないという。エネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は「原油市況が1バレル80ドル弱と堅調に推移していることから、オイルリッチなパーミアン盆地を中心に油狙いの生産が盛んになっている。このため副産物であるガスの生産も増加している」と指摘する。

(2024年2月13日配信)

米国市場でガス市場価格(ヘンリーハブ先物価格)が続落している。7日に心理的な下値めどと見られていた百万BTU(英国熱量単位)当たり2ドルを割り込むと、8日終値は一段安となり1.917ドルまで下落した。およそ3年5カ月ぶりの安値水準となる。

市況下落の背景には、マーケットの荷余り感があるようだ。「このところの気温上昇で暖房用需要が低下しており、地下在庫量は過去5年間の上限レベルに到達している。当面は上値の重い展開が続きそうだ」(エネルギー・金属鉱物資源機構・白川裕調査役)。

ヘンリーハブ価格の下落に伴い、米国産LNGの輸出価格も低下しており、現状は世界の主要輸出国の中でも最も安価な水準となっている。

(2024年2月9日配信)

2月6日 東証後場 三菱重工業の株価が昨日の1万円初登頂に続いて一段高となった。この日午後、同社は3月末割り当てで株式1株を10株に分割すると発表。合わせて発表された今2024年3月期第3四半期連結決算は、売上高が前年同期比11%増、純利益は同倍増となるなど好調ぶりが明らかになった。通期の受注見通しを6兆円とし、従来予想に4000億円上積みした。これら大幅な株式分割と好調な業績動向が素直に好感され、買いが買いを呼ぶ好循環となっている。

同社株は1年前の2月には5000円前後で推移しており、そこから株価水準はちょうど2倍になっている。

(2024年2月6日配信)

1月31日 サウジアラムコがこのほど日本のLPガス輸入事業者に通知したプロパン2月分出荷価格(サウジ2月CP)は、前月比10ドル値上がりして630ドルとなった。値上がりは昨年8月分(470ドル)以降、12月分の変わらずを挟んで8カ月連続。

LPガス市況に影響する原油市況が、12月初旬を底に水準を切り上げているほか、世界最大のLPガス輸出国である米国において、プロパン在庫の取り崩しが進み、市況が上昇したことが背景にある。米国ではLPガスの一大輸出地域であるメキシコ湾で濃霧が観測されており、輸出作業への影響も警戒されたという。サウジCP2月ブタンも、前月比10ドル値上がりして640ドルとなった。

(2024年2月1日配信)

1月26日GENIX-CN70は前週比0.64ポイント値上がりして169.36ポイントとなった。7週間連続の上昇で、3週続けて統計開始来の最高値を更新した。一方、東証株式市場全体としては、このところの上げピッチの速さから利食いが広がり、東証株価指数(TOPIX)は7週ぶりに値下がりした。

GENIX-CN70の構成銘柄で値上がりが目立ったのは、25日に2023年12月期決算を発表したHIOKI。24年12月期も増収増益を見込み、配当金を年200円に連続増配する方針が好感されたようだ。

このほか、三菱重工業、三菱化工機が高値圏で頑強な値動き。SMBC日興証券が目標株価を引き上げたウエストホールディングスも下値を切り上げている。

(2024年1月26日配信)

 欧州パイプラインガス先物価格が17日、百万BTU(英国熱量単位)当たり8ドル台まで下落し、昨年8月以来の安値水準となった。北東アジアLNGスポット価格も続落しており、17日は昨年6月以来の9ドル台を付けている。先物の決済期日が2月から3月に移り冬場の需要期を過ぎることで、足取りが弱くなっている。昨年の安値は欧州ガス先物価格が7ドル台、スポットLNGは8ドル台だった。

 当面の市況動向についてエネルギー・金属鉱物資源機構の白川裕調査役は、「カタールから欧州にLNGが年間1500万トン供給されており、スエズ運河の通航リスクが警戒されているものの、それでも欧州の在庫水準が依然として高いため、中東からの輸送に支障が生じても当面の供給は何とかなると見られている。昨年10月から輸出を再開したエジプトLNGもまだ量は少ないとはいえ心理的な支えになっている。不需要期の相場は数年前なら3~4ドルもありえたが、安価になったスポットLNGを中国が仕込む動きも見られるため、今回はそこまで下がらないだろう」とする。また、「足元のスポット需要は弱いが、供給力に余裕があるほどの状況でもない。幸いにして供給設備のトラブルは昨年から起きていないが、いつ起きても不思議はない。先行きを楽観視するわけにはいかない」と指摘する。

(2024年1月18日配信)

東京株式市場は年末・年始と値上がり基調を強めており、GENIX-CN70も12月15日から1月12日終値まで5週連続で上昇した。1月12日の終値は167.67ポイントとなり、昨年9月15日にマークした指数算出以来の最高値165.83ポイントを4カ月ぶりに更新した。

GENIX-CN70構成銘柄では、商社株の値上がりが目立ち、伊藤忠商事、住友商事が最高値を更新。海運株も高値圏でしっかり。個別銘柄では、三菱重工業、愛知時計電機が最高値を付けた。本日午前、2024年8月期第1四半期決算を発表し、大幅な増収増益が確認されたウエストホールディングスが急伸した。

(2024年1月12日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)1月分は、プロパンが前月比10㌦高い1トン620㌦。ブタンも同じく10㌦値上がりして630㌦となった。小幅高ながら、極東マーケットは足元で強弱感が交錯しており、先行きの方向感は乏しい状況。米国のプロパンスポット市況(モントベルビュー)は12月分が1トン357㌦と、前月から約25㌦値上がりした。依然として近年の安値圏での値動きではあるが、市中の在庫水準は過去5年平均並みまで減少しており、底堅さも見られる。

(2024年1月10日配信)

1月5日 2024年の年明けの東京株式市場は、能登半島地震を受けて4日の大発会は売り物先行でスタートしたが、新NISA開始に伴う投資資金流入などによる先高期待から押し目買いが優勢となり、結局、東証株価指数(TOPIX)は4日、5日と続伸した。

GENIX-CN70も12月最終週に続いて上昇し、5日終値は164ポイントと、5週ぶりに160ポイント台を回復。昨年9月15日にマークした最高値165.83に急接近した。指数構成銘柄では、大阪ガスが大幅高となり、5日に一時3111円まで上昇。12月13日に付けた最高値3077円を上回った。4日以降終値ベースでも初めてとなる3000円台を維持している。このほかでは、海運株が人気を集めており、日本郵船、商船三井が最高値を更新した。

(2024年1月5日配信)

12月29日 東京証券取引所最終売買日(大納会)は、今年1年の相場を象徴するような堅調な展開だった。その中でGENIX-CN70は前週に続いて上昇し、3週連続高で今年を締めくくった。GENIX-CN70の年間騰落率はプラス25%となり、東証株価指数の上昇率と互角の好成績だった。

GENIX-CN70構成銘柄の中で値上がりが目立ったのは、川崎汽船、日本酸素、栗本鉄工、愛知時計電機、関電工など。一方、不調だったのは、イーレックス、レノバ、テスHD、ウエストHDなどだった。なお12月末割り当てで、京セラが1株を4株、三菱商事は1株を3株に株式分割した。GENIX-CN70もこれに合わせて、株式分割の影響を考慮した修正株価指数を算出している。

(2023年12月29日配信)

12月22日 GENIX-CN70は前週に続いて上伸した。全般は高安まちまちだが、値がさ株の海運3社(日本郵船、商船三井、川崎汽船)がそろって本年高値を更新し、CN70を押し上げた。また、工場新設で恩恵を受ける理研計器が12月20日上場来高値を更新した。

海運株が動意付いたのは先週末。紅海で武装組織による商業船への攻撃が相次いだことで、海運会社がスエズ運河の航行を見合わせ、迂回経路による輸送距離の延長などで海運市況が上昇するとの思惑が働いた格好。海運株はコロナ禍前後の市況高騰局面で株価が5倍以上に跳ね上がっており、その記憶がまだ新しいだけに思惑が先行しやすいようだ。

(2023年12月22日配信)

12月15日 GENIX-CN70は3週ぶりに反発した。指数構成銘柄では、理研計器の株価が13日に上場来高値を更新。大阪ガスも同日最高値を更新し、未踏の3000円台に一時到達した。

岩谷産業の株価はコスモエネルギーホールディングスの筆頭株主になると発表した12月1日以降、大きく値下がりしたが、15日終値は7日ぶりにプラスに転じた。

14日に一時5996円まで下げ、4月初旬以来8カ月ぶりとなる6000円大台割れを見たことで、値ごろ妙味が台頭したようだ。9月高値からこの安値までの下落率は26%に達し、一株当たり純資産5249円も意識される水準となっていた。チャート面から当面の戻りめどを探ると、25日移動平均線の6866円、9月高値から直近安値までの下げ幅の半値戻し6770円など、6800円あたりが意識されそうだ。

(2023年12月15日配信)

12月13日 GENIX-CN70構成銘柄の大阪ガスが4日続伸し、一時3077円の高値を付けた。3000円台に乗せたのは上場来初。12日大引け後に、日本経済新聞が「伊藤忠と大阪ガス、世界最大級の水素生産に最大4割出資」と報じ、これを材料視する買い注文が朝方から集まった。

株価は11月初旬、自社株買いの発表を契機に大きく上放たれ、過去16年来の上値抵抗線となっていた2600円前後の節を突き抜けてきた直後とあって、しこり感のないチャート妙味も好感されているようだ。

12日に発表された欧州の水素企業Everfuelのニュースリリース

(2023年12月13日配信)

12月8日 GENIX-CN70は前週に続いて下落した。急速な円高進行や世界的な景気減速懸念を受けて、東京株式市場はこの日、ほぼ全面安となった。GENIX-CN70構成銘柄にも利益確定の売りが先行した。中でも、原油先物市況の下落を受けて、石油、造船、商社、海運株などが大きく値を下げた。

12月1日引け後にコスモエネルギーホールディングス株式大量取得を発表した岩谷産業は、週明け4日から株価が大きく下げ、発表前の終値7141円から8日安値6388円まで5日間で10%を超える下げとなった。9月の本年高値8040円からの下落率は20%に達している。アナリストからは「コスモエネ株取得に1千億円を超える大金を投じることについて、どのようなリターンを見込んでいるのか、できる限り定量的な説明が欲しい。株価の下げは合理的な反応。投資家は追加情報を待っている」との声が聞かれる。コスモエネ株が取得価格を割り込んでいることも嫌気されているようだ。

(2023年12月8日配信)

米原油先物価格(WTI)は12月6日、前日比2.94ドル安の69.38ドルと5日連続で値下がりした。節目と見られた1バレル70ドル台を5カ月ぶりに割り込んだ。9月に付けた本年高値93.68ドルからの下落率は26%に拡大するなど下値を模索する動きとなっている。

注目された11月30日のOPECプラス会合は、各国から自主減産(来年1~3月期に日量約220万バレル)が発表されたものの、想定の範囲内と受け止められたようで、相場の下落基調を反転させるには至らなかった。

相場が弱含んでいるのは、世界的な景況悪化に伴う需要減少への警戒があると見られる。「不動産不況が続く中国経済の停滞や、ここまでの利上げで減速が見込まれる米国景気などを考慮すると石油需要は伸び悩み、自主減産してもなお需給は引き締まらないのではないか」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部芥田知至シニアアナリスト)との指摘がある。当面は今週末発表される米雇用統計をはじめ、主要な経済指標を横目にみながら神経質な値動きが続きそうだ。

(2023年12月7日配信)

12月1日 岩谷産業(GENIX‐CN70構成銘柄)はこの日、コスモエネルギーホールディングスの株式を追加取得すると発表した。旧村上ファンド系と見られる既存株主から計約1740万株を1053億円で取得する。取得済みの持ち株と合わせた保有比率は19.93%となり、同社の筆頭株主になる。

1株当たりの取得価格は約6051円で、この日の東証終値5616円を約8%上回るが、価格の算定根拠については明らかにしていない。今後については、「より一層連携を深め、新たなシナジーを創出する」としているが、具体的な方向性はまだ示されていない。また、今3月期連結業績への影響については「精査中」としている。

サウジCP12月分は、前月と同価格の1バレル610ドル、ブタンも変わらずの620ドルとなった。

(2023年12月1日配信)

11月24日 東京証券取引所で三菱重工業(GENIX‐CN70構成銘柄)の株価が前日比529円高と大幅続伸し、およそ2カ月ぶりに8800円台まで水準を切り上げた。

同社は11月22日に防衛事業説明会を開催し、来年度からの3カ年は防衛力整備計画の大幅な拡充を受けて同社の事業規模は2倍以上になると発表した。過去長期にわたり同事業規模は5,000億円弱で推移していたが、来年度からの3カ年は1兆円規模になるとした。祝日をはさんでこの日は朝方から買いが先行、業績拡大への期待感を織り込む動きを見せた。株価が1万円に近づいていることから、株式分割を催促する値動きにも映る。

ガスエネルギー新聞が注目する同社のカーボンニュートラル実現に向けた取り組みも続いている。弊紙11月20日付では三菱重工エンジン&ターボチャージャの「水素混焼50%で安定燃焼、5700キロワット級ガスエンジン」を技術面トップで紹介している。また、同日付紙面には「水素特集」を掲載しており、三菱重工の高砂水素パークなどを詳しく紹介している。

(2023年11月24日配信)

11月14日の東京証券取引所で大阪ガスが4日続伸し、ザラ場の高値は2920.5円まで買い進まれた。11月7日にマークした上場来高値2914.5円を5営業日ぶりに更新した。10月27日発表の中間決算が好感されているほか、同日発表の自社株買いも歓迎されているようだ。マーケットでは、大阪ガスの株価格付けを従来から「買い」としていたみずほ証券が、目標株価を2600円から3300円に引き上げたとの情報もこの日伝わった。

大阪ガスの株価をローソク足(日足)で見ると、11月9日から10日にかけて、さらに10日から13日、13日から14日にかけても連続して窓「空」ができた。4本の陽線と「三空」で形成される高値圏でのこの形は「三空踏み上げ」と呼ばれ、チャートを投資判断のよりどころとする投資家は、空売りを仕掛ける急所とみる。同社株の信用買い残は、売り残が買い残を超過した状態にある。確かに目先は急伸した後だけに強弱感が対立しやすい場面と言えるが、この日の株価は株価純資産倍率が0.7倍台と依然として割安な状態にあることから、むしろ売り方の手仕舞い(買い戻し)による一段の上昇を読む向きもある。

関連記事 大阪ガスが上昇率首位、愛知時計は最高値を更新/GENIX―CN70 - ガスエネルギー新聞 (gas-enenews.co.jp)

(2023年11月14日配信)

 11月2日のGENIX‐CN70は3週ぶりに反発した。自社株買いを発表した大阪ガスが急伸し、最高値を更新したほか、業績好調の日本酸素、愛知時計も高値を更新した。

 中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の11月分は、プロパンが1トン当たり前月比10㌦値上がりして610㌦(前月比1.67%高)となった。ブタンは同5㌦値上がりして620㌦(同0.81%高)。プロパン、ブタンともに4カ月連続で値上がりした。

 LPG市況に影響を与える原油相場の値動きはこのところ重くなっているが、LPG市況はこれから需要期を迎える季節性もあって、先高観が根強いようだ。日本向け米国産LPGの航路に当たる中南米パナマ運河が、渇水の影響で渋滞解消に時間がかかるとの見通しも強気の見方を支えているようだ。

 CPのこの1年間の価格推移を振り返ると、プロパンは2月に790㌦のピークを迎え、その後は大きく値下がりして、7月に400㌦のボトムを付けている。ブタンも同様に2月の790㌦でピークを打ち、7月には375㌦の安値を付けている。

(2023年11月2日配信)

10月27日 GENIX-CN70は前週末終値から0.2ポイント下落して155.81と2週連続で下落した。東証株価も0.06ポイント下がって142.76となった。

10月以降、株式市場は調整色を強めており、9月最終週との比較ではGENIX-CN70、東証株価ともに約3%下落している。

GENIX-CN70の構成銘柄のうち9月末比で上昇したのは全体の2割16銘柄にとどまる。その中で愛知時計が本年高値を更新したほか、日本酸素、栗本鉄工、川崎汽船などが高値圏で頑強な値動きを見せている。

(2023年10月27日配信)

10月19日の米原油先物(WTI)価格は3日続伸。中東地域の紛争拡大への懸念が市況を押し上げた。

国際ガス市況も値上がりしており、欧州パイプラインガス先物価格(TTF)は13日に百万BTU(英国熱量単位)当たり16ドル台、スポットLNG価格は18日に19ドル台へと上昇している。

イスラエル沖の海洋ガス田(タマル)が操業を停止したと報じられており、このガスを原料とするエジプト産LNGの出荷に影響が及ぶ恐れが指摘されている。

(2023年10月20日配信)

 10月9日の米原油先物(WTI)市況は2日続伸し、1バレル前日比3.59㌦高の86.38㌦に上昇した。6日の米雇用統計は市場の予想を上回る数値で、長期金利上昇を促したが、原油市場は底固い動きを見せた。そこに、イスラエル・パレスチナ間で大規模な武力衝突が発生。中東の地政学的リスクが高まったことで、買い気が優勢となったようだ。また、本年高値を付けた9月27日以降の下げが急だったこともあり、買い戻しも入りやすかったと見られる。

 一方、連休明け10月10日の東京株式市場は、朝方から買い戻しの動きが広がりほぼ全面高でスタート。GENIX‐CN70構成銘柄もこのところ下げがきつかった石油株などが買い気配で始まるなど総じてしっかりした動き。

 三菱UFJリサーチ&コンサルティング調査部の芥田知至主任研究員は当面の原油相場について、「今回の武力衝突にイランの関与があるのかどうかなど中東情勢には不透明な部分があり、不安定要素が増えた格好だ。他方、このところの米長期金利上昇やドル高が原油相場を下押しするとの見方や、米欧の金融引き締め効果で石油需要が鈍化するとの懸念も根強い。さらに中国の不動産不況、全米自動車労組(UAW)のストライキ、米予算審議の難航なども需要を鈍化させる要因として意識されている。当面は地政学的リスクや需給などの強弱材料が交錯する中で、不安定な推移が見込まれる」としている。(了)

(2023年10月9日配信)

米原油先物が10月4、5日と続落し、1バレル82㌦台まで下落、8月30日以来の安値水準となった。4日は下落率が5・61%に達する大幅な下げで、下落率が5%を超えるのは5月2日以来5カ月ぶり。9月27日に付けた本年高値93・68㌦から5日までの下落率は12%強に広がった。市場では、米ガソリン在庫の急増や強含んでいる長期金利の動向を警戒。今晩の米雇用統計の発表を注視している。

一方、米天然ガス先物(HH)価格は3日続伸し、今年3月以来となる百万BTU(英国熱量単位)当たり3ドル台に乗せてきた。

(2023年10月6日配信)

米原油先物が10月4日、前日比5.01㌦安の1バレル84.22㌦と急反落し、8月31日以来の安値水準に後退した。1日の下落率の大きさは5.61%に達した。5%を超える大幅な下げは5月2日の5.29%以来、5カ月ぶり。市場では、同日発表された米石油在庫統計でガソリン在庫の急増が明らかになり、これが利益確定売りを誘ったとの見方が出ている。

JOGMECの首席エコノミスト・野神隆之氏は、「統計で明らかになった米ガソリン需要の低迷は、この時期としては2000年以来の低水準。他にもロシアの軽油輸出禁止の一部解除検討の報道、サプライズのないOPECプラス産油国共同閣僚監視委員会の内容などの弱気材料がそろって現れた。このため、市場は狼狽売りの様相を呈しているが、今年第4四半期に供給不足に陥るとの認識に変化はなく、市場のセンチメントが根本的に変化したとは言い切れない。原油市況は売られ過ぎ気味の領域に入りつつあり、値頃感から買い戻しが発生しやすい状況ではあるが、まずは明日6日発表予定の米国雇用統計が注目される」としている。

10月5日の東証は朝方、昨日までの大幅安に対する自律反発の動きとなり、TOPIXが6日ぶりに反発するなど全般に買い物優勢の始まりとなったが、原油の急落を受けて、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEXや石油資源開発など石油関連株は売り気配のスタートとなった。

(2023年10月5日配信)

中東産LPGの日本向け長期契約価格(サウジCP)の10月分は、プロパンがトン当たり前月比55㌦値上がりして600㌦(前月比9.09%高)、ブタンは同50㌦値上がりして 615㌦(同9.82%高)となった。プロパン、ブタンともに3カ月連続で値上がりした。背景には原油市況の上昇が指摘されている。

(2023年9月29日配信)

東証9月28日前場の寄り付きは、GENIX‐CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮など石油株が大幅高でスタートした。朝方は全般に利益確定売りが先行する中で、石油関連株の値動きの強さが目立った。石油資源開発は2008年以来、13年振りとなる6000円台に到達した。

 前夜27日の米原油先物(WTI)価格は前日比3.29㌦値上がりして1バレル93.68㌦となり、7営業振りに今年の高値を更新した。また、当面の戻りのめどと見られていた昨年10、11月に付けた92㌦台の高値を一気に上抜いてきたことで、市場関係者の間では先高ムードが一層強まっている。

(2023年9月28日配信)

9月22日の東証株価は前夜の米国株式下落を受けて、朝方から売り先行で始まった。GENIX-CN70構成銘柄も商社、海運株など総じて下落した。半面、INPEX、石油資源開発、ENEOSなど石油株の一角は底固い動き。GENIX-CN70は前週末比2.08ポイント下落して164.04ポイントと5週ぶりに下落した。

21日の米原油先物市場は、米金融政策の引き締め長期化懸念が台頭し、利益確定売りに押された。期近終値は前日比0.65㌦安い89.63㌦と、3日続落し、6営業日ぶりに1バレル90㌦台を割り込んだ。

9月25日付紙面の関連記事「原油100ドルが視界に サウジ減産の影響を注視」

(2023年9月22日配信)

9月14日の米商品先物市場では、原油先物(WTI)価格が2日ぶりに反発し、終値は前日比1.64㌦値上がりして1バレル90.16㌦と、当面の節目と見られていた90㌦大台を突破した。90㌦に乗せるのは2022年11月7日の91.79㌦以来、10カ月ぶり。市場関係者の間では、原油需給の引き締まり感から先高を予想する声が強まっている。

原油市況の上昇を受けて、15日の東証ではGENIX-CN70構成銘柄のINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事といった、石油やエンジニアリング、商社など資源関連株が一斉に買い進まれた。INPEXは2008年以来、この週急伸した日揮は2018年以来の高値水準。

(2023年9月15日配信)

9月13日の東京証券取引所では、朝方からINPEX、石油資源開発、ENEOSなどGENIX-CN70構成銘柄の石油株が買い先行でスタートし、本年高値を更新した。前夜12日の米原油先物価格(期近終値)が前日比1.55㌦高の1バレル88.84㌦と反発し、約1週間ぶりに本年高値を更新したことが買いの手掛かりになっていると見られる。

原油市場では需給に引き締まり感が指摘されるなど、市況は当面強含むとの見方に傾斜しているようだ。ENEOSのこの日の株価は4年8か月ぶりとなる600円台を目前に捉えている。INPEXは2008年10月以来、石油資源開発は2009年6月以来の高値水準に来ている。

米原油先物は2008年に145㌦の最高値を付け、2011年から2014年にかけて100㌦前後で推移していた。最近の石油株は原油100㌦時代の再来をあたかも織り込むかのような値動きを見せている。

(2023年9月13日配信)

9月8日の東京株式市場は、前夜の米国株式市場の下落を受けて、朝方から利益確定売りが先行する展開となったが、この週のGENIX-CN70は前週末比1.67ポイント上昇して161.86と3週連続値上がりし、前週に続いて指数算出以来の高値を更新した。この週は三菱重工、川重重工、三井物産、石油資源開発などが指数をけん引した。

原油先物価格(米WTI)は9月7日、前日比0.67㌦安い1バレル86.87㌦と、10日ぶりに値下がりし、前日まで値上がりが目に付いたINPEX、石油資源開発、日揮、ENEOS、三井物産、三菱商事などの資源関連株には利食い売りが広がった。

また、個別では、このところ物色人気を集めていた三菱重工も6日ぶりに反落した。半面、三菱重工の急上昇に対して出遅れ感が台頭していた川崎重工はこの日も買いが途切れず逆行高、10連騰となった。

三菱重工の本紙最新ニュース:長崎で脱炭素基盤技術 既存拠点連携し開発推進/三菱重工

川崎重工の本紙最新ユース:世界初ドライ式水素タービン、NOx抑制と高効率を両立/川崎重工
(2023年9月8日配信)

市況情報

ITシステム導入状況アンケート(記述回答)

ITシステム導入状況アンケート(記述回答)

各事業者のシステム全般に対する課題、電気のCISに関する使い勝手・課題、業務のデジタル化に関する最優先課題の3項目の記述回答を掲載する。

●各事業者のシステム全般に対する課題

〇東京ガス

法的分離のシステム対応、レガシーマイグレーション(データや機能を維持したまま、旧式システムから新システムに移行・移転すること)。

大阪ガス

環境変化に柔軟にスピーディーに対応できるシステム。

〇東邦ガス

デジタルトランスフォーメーション(DX)への対応。

〇京葉ガス

課題=デジタル化の推進、レガシーシステムの運用保守の効率化。

関心興味のある分野=AI等の新技術、CRM、クラウドサービス。

〇北海道ガス

新たなサービス開始に伴う既存システム改修コストの削減。ITコスト(維持運用費用)の削減。サーバー等ITインフラの経年入替コストの削減。ビッグデータ・IoT等のデータ活用。AIチャットボット・AI-OCR等による自動化。

〇広島ガス

導管部門、小売り部門との機能制限をどのように設けていくかが課題と考えている。

〇仙台市

デジタル技術の導入が遅れている。

〇静岡ガス

社内外を問わず、簡便かつセキュリティーを維持した情報通信基盤。セキュリティー、特にサイバー攻撃への対策強化。デジタルマーケティングの推進。

〇東部ガス

業務とシステム双方に通じた人材の育成が課題と考えている。

〇サーラエナジー

ガス小売新規参入事業者へのシステム面での対応。BCPの強化(基幹システムのクラウド化、災害時の復旧状況の見える化等ウェブサイトの強化など)。新サービス(契約管理や課金管理)や、ガス・電気の新規料金メニューへの対応力の強化。IoTを活用した顧客サービスの新規開発・拡充、業務の効率化。AIを活用したマーケティング機能の強化、問い合わせ対応の自動化。

〇武州ガス

RPA、AI、クラウド、デジタルトランスフォーメーション。

〇大多喜ガス

課題=セキュリティーの確保、運用コストの低減、効率的な投資。

関心のある分野=RPAによる業務効率化。

〇日本ガス

課題=現在稼働している各種システム(ガス、電気、ポイント、暮らしサポートなど)の統合、サイバーセキュリティー対策、BCP対策。

関心のある分野・便利と考える機能=自動検針、顧客との接点業務の際のモバイル端末活用、AI、IoT活用分野、キャッシュレス決済。

〇岡山ガス

課題=会計、器具販売、ガス工事管理システムなどの老朽化、システム要員の育成。

あれば便利と考える機能=スイッチング支援システム、自動検針システム。

〇東彩ガス

モバイル端末を利用して、現場で作業処理登録ができるようになればと思っている。

〇岩見沢ガス

導管網解析、導管図面管理、検査履歴等、CISとの連動など平準化できるシステムなどがあればいいと考えている。

〇室蘭ガス

基幹システムとマッピングが別々のシステムであることが課題。関心があるのは、電子地図などとの連動。

〇八戸ガス

課題は導入費用。

〇盛岡ガス

課題=最新の情報技術を採用し、柔軟で拡張性の高い基幹システムの再構築。社内のシステム教育。インターネット接続に対応したセキュアな社内ネットワークの構築。

関心のある分野=クラウドコンピューティング、AI-OCR、RPA、5G。

〇山形ガス

LP会社との合併に伴い、都市ガスとLPガスの管理システム統合が課題。

〇石巻ガス

セールスフォース関連。

〇相馬ガス

サービスや商品ごとに業務システムが分かれているため、顧客情報が一元管理できておらず、請求業務やポイント確認にも人手と時間がかかっている。このため、請求金額やポイント情報にひもづいた顧客情報の一元化が課題である。

〇蒲原ガス

外部からの標的型攻撃などに対するセキュリティーの強化、高度化する情報技術に対応するための担当者のスキルアップ、「LPWA」を活用した自動検針システム、地図データの自動更新機能。

〇魚沼市

導管解析、現在運用している内管図閲覧システムとの統合。

〇妙高市

RPAの導入効果。

〇鬼怒川ガス

マッピングと連動する営業支援ツール。

〇足利ガス

CISとマッピングシステムの連携強化。

〇太田都市ガス

JGA地震対策に関するシステム対応。

〇坂戸ガス

RPA導入による業務の効率化。

〇野田ガス

クラウド管理。

〇白子町

再リース契約終了後の予算確保。

〇習志野市

他の取り組み事例を参考に、業務の効率化が進む機能については検討していきたい。

〇京和ガス

マッピングシステムについて、断ガス波及の表示や導管解析など、現在導入していない機能。

〇ニチガス

エネルギープラットフォーム事業を支えるためのビッグデータを連携する技術の構築。

〇昭島ガス

電力小売り事業をスタートした場合、システム構築が課題。

〇武陽ガス

災害におけるBCP対策。

〇長野都市ガス

積極的なクラウドシステムの活用に踏みきりたいが、情報セキュリティーの観点から二の足を踏んでいる。システム的なセキュリティー強化を進めるとともに、ユーザー側のITリテラシーを向上させるための取り組みなどを紹介してほしいと考えている。

〇吉田ガス

CIS、マッピングシステムについての情報管理、タブレット端末との連携。

〇東京ガス山梨

小売り・導管事業における閲覧情報の分離化。

〇中遠ガス

マッピングシステムについて導管データの更新をリアルタイムで行いたいが、莫大な費用がかかるため、2年に1回のデータ更新となってしまう。

〇袋井ガス

ガス需要家情報の他にも、不動産オーナー等の顧客ではない周辺情報もより検索、管理しやすくしたい。

〇上野都市ガス

情報遮断、小売り・導管の区分が課題。マッピングシステムへの本支管、供給管の修繕履歴、ガスメーター位置の表示。

〇名張近鉄ガス

ウィンドウズ10の半期ごと(品質更新PG)のアップデートへの対応。サイバー攻撃への対応・対策。制御系システムへのセキュリティー向上対策。

〇日本海ガス

アウトソーシング利用増加に伴う自社内での技術・知識の喪失。

〇高岡ガス

情報の閲覧制限について。タブレット端末でのシステム利用(現場でのマッピング情報確認。顧客情報の確認、開閉栓・定期保安調査での活用など)。

〇河内長野ガス

ガス料金におけるキャッシュレス・ペーパーレス決済、SMSでの通知を推進し郵送コストを削減したい。マッピングや定保業務を中心にモバイル端末を活用した保安業務改善。

〇水島ガス

顧客情報の一元化、情報漏洩に対するセキュリティー対策、RPA等の業務効率化。

〇福山ガス

データ入力・メンテナンス業務およびデータ集計作業等に多くの労力を費やしている。データ入力の二度手間となる業務プロセスにおける紙媒体の介在を削減し、各システム間での電子データ連携や柔軟なデータ集計・分析システムの構築を進める。

〇米子ガス

現使用システムに対する社員の理解不足により高度なシステム運用が行えていない。契約者を中心とする顧客管理。多様化する料金メニューやマーケティング情報の集約に対応した機能。

〇宮崎ガス

今後あれば便利と考えられる機能=自社アプリの運用により、周知文書、検針票、ガス展招待状をペーパーレスで配布する機能。

●電気のCISに関する使い勝手・課題

〇東京ガス

良い点=ガス料金と合算して請求が可能、ガス検針票に電気料金の明細表示が可能、ウェブや電話、ライフバル等、どこで受付しても顧客の受付データが一元管理され、問い合わせ対応が可能。

〇大阪ガス

多様な販売形態への対応。

〇東邦ガス

使い勝手がよい点=ガスのCISと同システムのため、一体的な運用ができる。

〇西部ガス

良い点=顧客情報がタブごとに分類(基本情報、契約情報、問い合わせ等)されており、それぞれ1画面で確認できる。

改善が必要な点=再契約時のお客さま番号の再利用ができず、顧客の履歴管理が煩雑。承認機能が電子化されていないため、紙による運用が多い。

〇京葉ガス

当社ではクラウドサービスを利用しているため、ある程度の業務変更についてはスピード感をもって対応できる。

〇北海道ガス

良い点=電気料金の調定、請求、入金等のシステム化による省力化。

改善点=高圧契約顧客の請求明細作成、逆潮相殺請求明細作成等のハンド処理となっている業務のシステム化。電力販売代理事業者とのデータ授受業務の効率化(システム化)。

〇静岡ガス

改善が必要な点=電力広域的運営推進機関とのAPI連携をしていないため、スイッチング業務の運用が煩雑となっている点。

〇東部ガス

良い点=ガス用のCISに機能追加して構築しているため、費用を押さえつつ最低限必要な機能は満足できている(取次店のため、料金計算機能などは不要)。

〇サーラエナジー

良い点=パッケージシステムを導入しているため、電力小売単体として業務全般(顧客管理、調定、請求、代金回収等)をカバーできている。

改善が必要な点=電力CISが単体運用のため、ガス事業用CISなど関連システムとリアルタイムでの連携ができていない。

代金収納はガス料金と同時決済しているが、顧客への請求書は電気とガスと別々での発行になっている。顧客件数が増加したことにより、システムの処理が遅くなりつつあり、処理能力の向上が必要である。

〇大多喜ガス

既存CISの機能追加であるため、導入時のユーザー教育が容易。

〇日本ガス

改善が必要な点=現システムがパッケージ品であるため、顧客検索・料金確認画面等が見づらく、欲しい情報がすぐに見つけられない。また新料金メニューなどに対応できない。

〇東彩ガス

良い点=電気とガス両方の情報を一つのシステムから管理できる。電気セットの申込進捗状況を画面から確認できるので顧客からの問い合わせに活用できる。

改善が必要な点=ガスと別画面のため操作回数が増えた。

〇室蘭ガス

良い点=ガスのシステムと連動しているので既存口座情報等が登録不要なこと。

改善点=廃止入力すると物件に対する供給地点特定番号を保存しておけないので次の契約時に再度登録が必要なこと。

〇弘前ガス

ガスと同様で使いやすい。

〇桐生ガス

良い点=電力会社にアクセスして、即座に顧客情報が見られる点。

〇坂戸ガス

ガス・電気の情報が一元管理できること。

〇大東ガス

ガスCISとの連携機能強化。

〇堀川産業

良い点=ガス顧客情報と連携しているため、電力ユーザーが当社ガスユーザーか把握できる。また、プラン、契約担当者、支払方法、毎月の使用量及び金額が確認でき、急な問い合わせの際も対応しやすい。

改善が必要な点=代理店のため、基本は顧客から提携している電力会社へ連絡をしてもらう。そのため、顧客と電力会社の通話情報がCISに入ってこない。ただし、緊急、苦情等は電力会社から連絡をもらう手配を取っている。

〇ニチガス

さらに供給実績を積み上げていく中で、課題を見極めていきたい。

〇青梅ガス

既存ガスCISとの連携による利便性。

〇武陽ガス

既存CISに電気関連CISを追加して使用できているので、スムーズに対応できている。

〇長野都市ガス

昨年同様、汎用サービスをそのまま活用していることもあり、一部当社運用に即していない作業があるため、手作業が残っている。

〇厚木ガス

ガスシステムと連携しているため、顧客の契約情報や料金等が同時に確認できる。今後は営業支援につながる提案書作成・分析等のシステム改善を検討。

〇秦野ガス

改善が必要な点=(1)電気販売でも使用できるように設計されているが、開発ベースは「ガス」であるため「お客さま検索」などで注意が必要となる点(卸元事業者のシステム情報がすべて反映されているわけではない点)(2)卸元事業者のシステムと自社システムとのダブル入力やその検証が煩雑である点。

〇小田原ガス

売上・入金・受付の管理が可能。

〇東京ガス山梨

需要家所有のガス・電力情報の一括管理。

〇島田ガス

電力の需要家管理は親会社のシステムで統合的に行っているため、自社のガスCISで閲覧できるのは最低限必要な情報に限られるが、通常の受付照会では特段大きな問題は生じていない。

〇中遠ガス

閲覧のみに使用しているので、改善の必要はないと考える。

〇袋井ガス

もともとガス使用顧客の管理システムにオプションで電気契約情報を追記しているので、電気契約からの検索がうまくできない。

〇上野都市ガス

ガスのCISを使用しているため、電力単独の顧客登録ができない。

〇名張近鉄ガス

使い勝手のよい点=ガスと電気を同じシステム会社で構築・導入しているため、ガス顧客の情報画面から電力情報画面へ移ることができる。

改善が必要な点=ガスと電気のデータベースが別物であるため、顧客検索が1画面だけでは完結できない。

〇大垣ガス

既存のガス顧客用CISとの連携。

〇篠山都市ガス

検針情報の反映が遅く、顧客の問合せにすぐ対応できない場合があるため、改善が必要と感じる。

〇大和ガス

基幹システムとの連動性がある。

〇河内長野ガス

ブラウザベースのシステムを構築しており、取次元の制度変更へ対応する際のメンテナンスや複数端末への導入が比較的容易な一方で、将来、需要家情報の見える化を推進する場合、セキュリティー対策にガス業務の別システムとの連携での難しさが予想される。

〇米子ガス

良い点=過去の処理ログ参照が行いやすい。必要なデータを出力する機能・フォーマットがほぼデフォルト化されている。

改善が必要な点=定常業務内でベンダーへのデータ修正依頼案件が発生しやすい(クライアントサーバー)自社での修正が行いづらい。

〇国分隼人ガス

グループ会社のシステムを導入しており、ガスのCISとの連携が取れている。顧客件数が少ないこともあり、使い勝手については特段の改善が必要な点は今のところない。

●業務のデジタル化に関する最優先課題

〇東京ガス

最新のデジタル技術とビジネスニーズをつないで活用を推進できる人材の育成。

〇大阪ガス

新サービス創出、顧客接点強化、業務プロセス刷新、デジタル人材不足、重厚なシステム構成。

〇東邦ガス

費用対効果の創出。

〇西部ガス

グループでの顧客からの受付、顧客への情報発信手段の整理。RPA導入による管理部門の業務効率化。デジタルマーケティングを行うための業務データの整備。

〇京葉ガス

デジタル化のための体制構築と人材育成。

〇北海道ガス

DX(デジタルトランスフォーメーション)への取り組み。

〇広島ガス

技術者の育成および従来方式に対する費用対効果の測定。

〇北陸ガス

RPA活用による業務効率化。

〇仙台市

スキルや人材の不足。

〇静岡ガス

費用対効果を算出し、それを確実に実行すること。

〇東部ガス

現行業務をそのままデジタル化すると必ずしも最適なものとはならないため、業務の棚卸やフローの整理が必要と考える。

〇サーラエナジー

働き方改革における業務効率化や、今後の労働力不足に対応するため、属人化やこれまでシステム化が困難で人手で行っている作業を、どのように棚卸してシステム化していくかの検討。

〇武州ガス

IT担当者の人材不足。

〇山口合同ガス

知識を習得し自社のシステムにどう生かしていくか。

〇大多喜ガス

セキュリティーの確保を前提とした業務の効率化。

〇日本ガス

RPAを活用して業務効率化を図る。IoTを活用した新サービスの検討。

〇岡山ガス

RPAの利用範囲を拡大し、業務の効率化を図る。

〇東彩ガス

遠隔検針の自動化、金融機関との通信高速化(INS回線から5G回線へ)。

〇旭川ガス

RPAなどITを活用した業務の生産性向上。

〇滝川ガス

紙ベース帳票をOCRで読み込む際の認識率向上。RPA登録に必要となる業務手順の見直し。

〇苫小牧ガス

社内人材のスキル不足、人材不足。

〇帯広ガス

ガスメーターの自動検針。

〇八戸ガス

導入費用、信頼性。

〇盛岡ガス

現場作業での、伝票(紙)主体の処理からモバイル端末を利用したオンライン処理への移行。

〇花巻ガス

費用対効果の見極め。

〇男鹿市企業局

導入および維持に関する経費。

〇由利本荘市

OSサポート終了に伴う各システムの更新。

〇石巻ガス

社内技術者の養成。

〇相馬ガス

導入コストと運用コストの確保、現状業務の見直し。

〇常磐共同ガス

紙ベースで出力されている業務のデジタル化。システム間のデータ連携を行うためのRPA活用。

〇新発田ガス

RPA=簡易的な書類、定型的書類の入力業務への導入を目標に人的作業の効率化を目指す。

〇蒲原ガス

業務に合致した適切なツール選びと使いこなす社内人材の育成。

〇佐渡ガス

導入による費用の低減、効率化とコストの見合い。

〇上越市

情報セキュリティー対策。

〇妙高市

費用対効果の検証。

〇鬼怒川ガス

検針業務、遠隔による開閉栓、供給停止など、事務作業の軽減。

〇北日本ガス

ガスの検針、ガスボンベの残量管理。

〇足利ガス

書類のペーパーレス化による業務効率化、文字認識機能を活用し、情報の入力業務の自動化等、事務処理の効率化を図る。

〇桐生ガス

社外でのシステムの使用を可能とする。

〇本庄ガス

デジタル化に係るシステムについての専門的知識を持った人材の不足。

〇坂戸ガス

RPA導入のための業務の見直し(フローチャート化)。

〇フジオックス

導入費用、現在のシステムとのマッチング。

〇習志野市

予算。

〇白子町

費用対効果。

〇長南町

初期導入経費の増大。

〇ニチガス

さまざまなIoT機器から収集したデータを、データ収集基盤システムに取り込み、それぞれのデータを世界標準フォーマットに統一する。さらにデータ連携基盤X-Roadやブロックチェーン技術の実装、データ改ざんがなく、匿名性や整合性が担保された完全な情報セキュリティーのもとで、さまざまな事業者が共同でお互いに持つ機能を運用できる実行基盤を構築すること。

〇昭島ガス

どのようなデジタル化技術が当社に一番有益なのかを、比較・検討することが最優先課題と考えている。

〇青梅ガス

スマートメーターを利用した遠隔検針。

〇武陽ガス

業務効率化を図れるかを見極める。

〇長野都市ガス

RPAなどは日々のメンテナンスや改修などが高頻度で実施しなくてはならず、当社従業員の技能向上が急務。

〇厚木ガス

導入コストおよび専門知識を持った社員の確保。

〇小田原ガス

ランニング費用、機密情報に対するセキュリティーレベル。

〇熱海ガス

総務業務の効率化、業務の見える化。

〇御殿場ガス

今後の需要想定に大きな進展は見込めないため,デジタル化への高額な投資の前に事業内容の多角化による確固たる収益基盤の確立が最優先であると認識している。

〇島田ガス

小規模事業者であるため、初期導入コストの低減化が必須。導入する場合は、自社のみでなくグループ会社共同で対応していく必要がある。

〇中遠ガス

検針員の人材不足・人件費削減を考えるとガスメーターの遠隔検針のシステムを最優先と思うが、費用と技術面で導入が難しい状況。今後、費用対効果を算出し検討していく。

〇袋井ガス

顧客管理システムから出力される伝票をもって、仕入・出庫・売上等を行っているが、ペーパーベースでの処理になる関係上こぼしが時折ある。RPAのようにオートメーション化できれば、よりスムーズな処理ができると感じている。

〇上野都市ガス

ポータルサイトの開設、キャッシュレス対応。

〇名張近鉄ガス

システム投資対象の選定と費用対効果把握を含めた投資判断。

〇甲賀協同ガス

システム会社の選定。

〇日本海ガス

RPAの全社周知および導入の推進。

〇高岡ガス

導入による費用対効果、業務効率化。

〇小松ガス

業務効率化に貢献するRPA。

〇長田野ガスセンター

業務効率化による労働時間の削減。

〇桜井ガス

小規模な事業者でも業務の合理化、省力化が実現するか。取り残される不安がある。

〇河内長野ガス

顧客情報や機密情報の保護に関するシステムセキュリティーの構築。

〇福山ガス

システム担当者と実務者との連携を強化し、現場課題解決のための最適なシステム選定と、実務者の理解と活用能力を向上させ導入効果を高める。

〇因の島ガス

通信コスト。

〇米子ガス

デジタル化への注目・関心の低さ(業務の実務者レベルで)。

〇松江市

業務量の削減と効率化。

〇久留米ガス

導入コストが莫大であること。導入・利用に関して、現状の機器との共存が可能かどうか現状では不明であること。また、システムに関われるような高度な知識を持つ社員が少ないこと。

〇唐津ガス

コスト、知識・技術。

〇宮崎ガス

導入コストに対して業務の効率化による費用対効果が図れない。

各部署のルーティング業務に対して業務のデジタル化の有効性が認識されていない。情報システム部門が各部署へ業務のデジタル化による効率化の実例を周知していかなければならない。

〇南日本ガス

顧客との接点強化。

〇出水ガス

人材不足を補うこと。

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