日本ガス協会(JGA)は3月16日に開催した理事会で2023年度の事業計画を決定した。事業計画の全文を掲載する。
(用字、用語は新聞表記に準じています)
Ⅰ.環境認識
1.安定供給・レジリエンス強化へのさらなる要請
(1)国際情勢も踏まえた国・社会からのエネルギー安定供給への要請
(2)保安のDX化、サイバーセキュリティー強化による安全性の確保への要請
(3)関東大震災(1923年9月1日)から100年を機とした、災害対策への関心の高まり
2.カーボンニュートラル(CN)社会実現に向けた動きの加速
(1)GXリーグの本格稼働やカーボンプライシング議論の進展
(2)水素・カーボンリサイクル燃料の実証事業等の具体的取り組みの進展
(3)改正省エネ法、改正建築物省エネ法の施行
(4)地域脱炭素先行地域の拡大や脱炭素に向けた官民連携の動きの継続
3.社会動向等
(1)経済活性化に向けたウィズコロナ政策の推進
(2)国際情勢、為替影響を受けた資源・物価の高騰
(3)G7広島サミット、G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合の開催
上記に加えて、自然災害や国際情勢、経済動向、新型コロナウイルス感染症の拡大等、現時点では見通せない社会における不確実性も存在
Ⅱ.2023年度のスタンスと重点項目
1.基本スタンス
世界情勢の変化に伴うエネルギーをはじめとする物価の急激な高騰やLNG供給途絶の懸念等、社会の不確実性が増す中においても、会員事業者の事業活動を支え、国・社会からの安定供給への一層の要請に応えていくとともに、CN社会実現を目指したガス事業『第3の創業』とも言われる大変革に立ち向かっていく必要がある。
このため日本ガス協会は、(1)都市ガスの安定供給(レジリエンス強化)に向けた不断の取り組み(2)CNチャレンジ2050アクションプランのさらなる推進(3)地域脱炭素・地域活性化への貢献を柱に事業活動を推進していく。
これら安定供給やe—methane(e—メタン)導入等のCNへの取り組みに係る国の政策・制度議論の活発化が予想される中、日本ガス協会は、都市ガス業界の代表として前面に立って対応を進め、都市ガス事業の持続的発展を牽引していく。
2.重点項目
【安定供給レジリエンス強化に向けた不断の取り組み】
・有事におけるLNG供給途絶時の円滑な対応に向けた需給両面からの備えの徹底
・ガス安全高度化計画2030の着実な遂行、認定高度保安実施事業者制度への対応や産業保安規制見直しへの対応等を通じたスマート保安導入の推進
・災害時連携計画の実効性を高める取り組みや広域地震を想定した訓練、国の支援策の活用推進等による災害対策強化
・総合経済対策におけるガス料金低減施策の着実な実施に向けた会員事業者フォロー
【CNチャレンジ2050アクションプランのさらなる推進】
・トランジション期における燃料転換や改正省エネ法を踏まえた低炭素・エネルギーセキュリティー強化に資するガスシステム導入促進に向けた取り組みの強化
・e-メタンのCO2国内および国家間カウントルール制度における位置付け確保や環境価値移転に関わる制度議論への積極的関与、実装に向けた課題の訴求
・メタネーション技術開発に関する調査・研究の継続
・カーボンリサイクル燃料の国際的な位置付け確保に向けた関連業界・団体との連携強化
・カーボンニュートラルLNG(CNL)の信頼性向上に向けたガイドラインの運用
・水素供給についての保安規制や技術基準、業界における水素利活用についての検討の継続
【地域脱炭素・地域活性化への貢献】
・事業者と自治体との地域連携の後押しに資する取り組み(地域脱炭素セミナーの開催、行政関係機関への都市ガスの優位性訴求等)の強化
・事業者の地域活性化の取り組みに資する好事例の水平展開や事業者訪問活動等におけるマッチング提案(課題解決に向けた相談企業の紹介)、新事業検討勉強会開催等の活動強化
・業界に関わる国の政策動向や業界への影響についてのタイムリーな共有
【上記に係る積極的な情報発信・対外活動の展開】
・ガス事業の持続的成長に向けた政策・制度議論(エネルギー・環境政策、ガス事業・保安制度等)への積極的関与
・CN社会実現に向けた貢献・取り組みについての社会的認知度を高めるため、会長会見や国際会議(G7広島サミット等)の場を活用した広報・PR活動や各方面への理解促進活動の強化
・関東大震災100年を機とした都市ガスの安全性・災害対策についての広報活動の強化
・2025大阪・関西万博のガスパビリオン建設着手と万博の機運醸成およびパビリオン来場誘引に向けた広報戦略の策定
【組織基盤の整備・強化】
・会員事業者の経営形態や取り巻く環境変化を踏まえた諸機関の適切な運用や諸行事の効果的な運営
・より一層のコンプライアンス徹底に向けた取り組み推進(会員事業者への有益な情報発信、必要に応じた注意喚起や研修会の開催等)
・事務局の人材育成強化や、デジタル技術の利活用(ウェブ会議、eラーニング等)による効果的・効率的な事業運営の推進
Ⅲ.2023年度の活動計画
1.事業領域における活動計画
◆企画領域
(1)e—メタンの社会実装に向けた対応
国の政策議論への積極的な参画や国内外の関係者・関係団体への働きかけ、他業種を含めた各種団体との関係強化等を通じ、e—メタンの社会実装に向けた各種課題解決に貢献する
〈主要テーマ〉
・e—メタン支援策検討議論への対応
・温暖化制度(SHK制度)におけるe—メタンの環境価値確立に向けた対応
・クリーンガス証書(仮称)の認証・発行制度設計への対応
・高度化法におけるe—メタン導入目標設定に向けた対応
・水素利用に関する選択肢の追求
・会員事業者の具体的プロジェクトを踏まえた国家間カウントルール整備への対応
・国際制度における環境価値帰属のルール整備に向けた対応
・国際会議等を活用した海外への情報発信、関連業界・団体との連携強化
(2)エネルギー・環境政策への対応
CN社会実現に向けた課題解決に資する都市ガスの役割や優位性・重要性についての訴求を通じ、各種エネルギー・環境関連政策等の実現に貢献する
〈主要テーマ〉
・GXリーグへの対応
・カーボンプライシング制度設計への対応
・ライフサイクルCO2、メタンリーク議論への対応
(3)LNGの安定供給に向けた対応国際情勢を起因とするLNG途絶時の影響回避に向け国や会員事業者との連携を通じ、都市ガスの安定供給に貢献する
〈主要テーマ〉
・LNG供給途絶時の需要対策に係る業務計画策定に向けた会員事業者支援
・業界ガイドラインに基づいたLNG融通・代替調達スキーム運用支援に向けたシミュレーション・訓練等の実施
・業界での戦略的余剰LNG活用スキームの具体化や供給途絶時の役割・分配スキームについて検討
・経済安全保障推進法への対応
(4)ガス事業制度議論等への対応
国・事業者等との連携強化やガス事業の特性に関する関係者の理解促進に向けた積極的な発信を通じ、ガス事業の健全な発展に資する制度議論に貢献する
〈主要テーマ〉
・最終保障供給料金制度をはじめとしたLNG需給ひっ迫を念頭においた託送制度議論への対応
・e—メタンの社会実装に向けたガス料金制度課題への対応
・電力事業制度を踏まえたガス事業制度改正議論への対応
・会員事業者の適切なガス事業運営に向けた支援
◆技術領域
(1)ガス安全高度化計画2030の着実な遂行
2030年の死亡事故ゼロに向け、製造から消費段階のアクションプランを着実に実行していく
〈主要テーマ〉
【製造段階】
・臨時製造訓練の実施、LNGローリー等の運行ルートに関する実態調査の実施、高経年LNG設備対応
【供給段階】
・自社/他工事事故防止に向けた事業者への対策好事例の共有および関係省庁・団体との着実な連携
・経年管対策の進捗確認・フォローの着実な実施および一定期間を経過した更生修理工法(液相法)の正規モニタリング実施に向けた事業者支援および評価スキームの構築
【消費段階】
・保安意識調査・事故分析および周知ツールの活用等、お客さまの保安意識醸成への取り組みの実施
(2)スマート保安導入の推進
認定高度保安実施事業者制度への対応や、スマートメーターシステムの普及・拡大、産業保安規制見直しへの対応等を通じ、スマート保安導入を推進していく
〈主要テーマ〉
・スマート保安官民協議会、ガス安全部会への参画を通じたスマート保安アクションプランの推進
・認定高度保安実施事業者制度の導入に向けた省令改正への対応および制度活用促進・スマートメーターシステム導入に向けた事業者支援(セミナー活用や補助金活用支援等)
・「スマートメーター導入のロードマップ策定に向けた検討会」のフォローアップへの対応
・スマートメーターの高付加価値化に資する産業保安規制見直し(メーター検定有効期間の延長およびメーター号数集約、メーター警報表示の現地確認の遠隔化)に向けた体制強化と確実な対応
・産業保安規制見直し項目の実現に向けた取り組み(23年度は20項目)の継続およびガス安全小委員会等を通じた協議完了項目に対する省令改正、通達改廃に向けた働きかけ
(3)安定供給(レジリエンス強化)に向けた対策の強化
経済安全保障推進法への対応および災害時連携計画の実効性を高める取り組みや広域地震を想定した訓練、国の支援策の活用推進等により、災害(地震・台風豪雨・サイバーセキュリティー等)への対策強化を実施していく
〈主要テーマ〉
・経済安全保障推進法への対応および事業者の届出対応フォローの実施
・さらなる安全と早期復旧に資する災害対応力の強化に向けた「大規模災害時における保安業務のあり方」検討会への対応および「都市ガス分野の災害対応・レジリエンス強化に係る支援事業」の活用促進・拡大に向けた対応
・事業者ごとの災害対策状況の見える化による対策好事例の水平展開および広域地震(南海トラフ等)における支援策の検討、全事業者での応援受入れ準備の徹底
・台風・豪雨対策力強化に向けた事業者の対策実態把握と経済産業省との情報連絡ルールの見直し
・災害時の迅速な情報報告・把握に向けたさらなるIT環境の整備(G—React、JGA被害状況報告システムの統合等)や供給継続性向上に向けた供給管・灯外内管被害想定方法の見直し
(4)保安政策・制度議論への対応
国の保安政策・制度議論への積極的な参画を通じ、ガス事業の持続的発展に貢献する
〈主要テーマ〉
・ガス安全小委員会、スマート保安官民協議会への対応および事業者への政策動向のタイムリーな共有
・都市ガス測定用ヘリウムひっ迫に伴いヘリウム代替となる水素利用時の安全上の注意点等の周知
・水素供給についての保安規制や技術基準検討議論への対応
(5)技術普及・人材育成支援
技術普及・人材育成に向け、デジタル技術を活用した効果的・効率的な事業者支援を行う
〈主要テーマ〉
・技術普及セミナー・全国説明会の開催(ウェブ方式と実演・体験が可能な実会場方式を併用)
・緊急保安分野の人材育成に資する会員事業者の取り組み事例、事故対応好事例の水平展開
・JGA資格制度運営におけるLMS(LearningManagementSystem)の活用
◆普及領域
(1)CN社会実現に資するガスシステムの位置付け確保
国のエネルギー・環境政策への積極的な参画等を通じ、ガスシステムの適正な評価や支援策の獲得を目指すとともに、技術開発活動を通じたCN社会実現に向けたガスシステムの普及拡大・プレゼンス向上に貢献する
〈主要テーマ〉
・トランジション期における天然ガスの政策的位置付け確保と普及拡大に資する支援制度実現に向けたガスシステムのレジリエンス・健康・快適・利便性等の訴求
・ガス機器・ガスシステムの適正な評価・理解促進に向けた省エネルギー政策(改正省エネ法、改正建築物省エネ法)への対応
・e—メタンの環境価値獲得のための制度確立に向けた技術開発の推進
(2)会員事業者支援
官民連携活動や新技術の発信を促進するプラットフォームの形成や政策関連情報の発信、業界協調領域での技術開発の推進を通じた、会員事業者によるお客さま・社会への貢献をサポートする
〈主要テーマ〉
・エネルギー・環境・まちづくり政策の理解促進を目的とした会員事業者向け説明会・勉強会の開催
・自治体をはじめとする地域のステークホルダーに対するガスのCN化・ガスシステムのレジリエンス性、健康・快適・利便性等の訴求活動の支援
・全国各地の地域課題解決に向けた「コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会」を通じた対外発信機能の強化
・国の政策動向を踏まえたガス業界の取り組みをPRするツール(ウェブサイト・動画等)の制作
・CN関連の技術開発・技術調査の推進
(3)関係業界・学会との連携
他業界との連携を通じたガス業界のプレゼンス向上やガスシステムの優位性を訴求するとともに、有識者へのガス業界の取り組みの理解促進を目的とした研究会活動を実施する
〈主要テーマ〉
・「暮らしの未来シンポジウム」「GasInnova」「NGVフォーラム」等の対外発信イベントの開催
・政策議論におけるガスシステムの優位性確保に向けたガス機器メーカー、住宅・不動産関係団体との関係強化
・CCR(CarbonCapture&Reuse)研究会の運営を通じた、e—メタン社会実装に向けた関連企業との連携強化
・日本ガス体エネルギー普及促進協議会(コラボ)や、ウィズガスCLUB等、エネルギー・住生活関係業界との協業を通じたガス体エネルギーの付加価値訴求
◆地方領域
(1)地方ガス事業の持続的発展に向けた活動の強化
地域に根差したガス事業の持続的発展を目指し、その基盤となる地域社会の脱炭素や活性化に向けた貢献策について、各会員事業者の特性(事業規模等)に応じた支援を行う
〈主要テーマ〉
・事業者訪問活動を通じたガス事業動向の把握、地域脱炭素・活性化に関する情報収集・提案活動
・地域脱炭素・活性化を進めるべく、ステークホルダー(自治体、地元企業等)と事業者の連携に向けた、政策浸透や技術力向上への支援
・ステークホルダーとの取り組みを一層促進するため、理解醸成に効果的と考えられる専門知識の説明ツールの整備(小冊子、用語集)と事業者への活用周知
・地域脱炭素・活性化を進める意欲のある経営者を対象とした車座勉強会の開催と事後フォロー
・地域新価値創出プロジェクトの事例創出のフォロー・水平展開と、大学機関の地方人材育成に関する情報収集等
・公営事業者支援
・業界団体保険(賠償責任・労働災害関連)や協同組合高度化事業等の地方ガス事業経営基盤強化のための支援活動
(2)地域単位での会員サービス活動充実化への支援
地方部会を通じた地域単位での会員サービス活動の充実化を支援する
〈主要テーマ〉
・会員事業者とJGAとのコミュニケーションに関する手配・窓口業務
◆広報領域
(1)平常時の広報活動
CNや安定供給・安全確保の取り組み等、ガス事業の国・社会への貢献や将来に向けたアクションに関する社会的認知度向上に向けた情報発信を強化する
〈主要テーマ〉
・都市ガス事業における安定供給、CNへの取り組み等の発信強化に向け、都市ガス事業に関わる国の政策や社会動向等をも踏まえた時機を捉えた会長会見の実施
・都市ガス業界の取り組みの正確かつ幅広い発信に向け、論説委員やエネルギー担当記者への働きかけの実施
・関東大震災から100年を機とした都市ガス業界の地震対策への取り組みについての発信を強化
(2)災害時の広報活動
お客さまの安全・安心や早期復旧につながる正確な情報発信に向け業界全体のレベルアップ施策を推進する
〈主要テーマ〉
・災害時のSNS活用に関する研修会の開催
・大規模かつ広域地震(南海トラフ地震等)発生時の効率的な情報収集体制の検討
(3)大阪・関西万博出展に向けた対応
ガスパビリオンの建設推進、認知度向上に向けた節目イベントの活用やメディアへの働きかけを実施する
〈主要テーマ〉
・ガスパビリオンの建設推進、節目イベント(開幕2年前、入場券発売開始等)を踏まえたメディアへの働きかけや万博SNSのさらなる活用、ガスパビリオン専用ウェブサイトの構築検討
(4)将来世代に向けた広報活動
将来を担う子供たちのエネルギー(都市ガス)に対する認識・関心向上に向け、会員事業者とともに教育関係各所との連携を強化する
〈主要テーマ〉
・エネルギー授業の拡大を目指し、次期学習指導要領改訂に向けた教育関係各所への働きかけ等を推進
2.会員サービス活動に関わる活動計画
●北海道部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
事業基盤強化に向けた人材育成の取り組み
—ガス事業に係る専門知識の習得、階層別職員の能力向上、事業環境の変化および経営基盤の強化に資する各種スキルアップ研修の開催
—正会員事業者のDX人材育成について、外部機関を活用した支援の実施
・保安人材の育成および保安水準の向上に向けた取り組み
—保安従事者のスキル習得に向けた保安研修の開催、自主保安活動に資する保安人材育成・指導力向上に係る担当者会議の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・安定供給・レジリエンス強化に向けた取り組み
—LNG供給途絶の有事に備え、本部と連携し関連情報の水平展開等を行い、正会員事業者の取り組みを促進
—地震・津波災害に備え、被害想定・復旧要員数の算定、防災対策の取り組み情報・先進事例等の共有を図り、正会員事業者の防災・復旧対策を促進
—ガス安全高度化計画2030を着実に推進するため、正会員事業者の保安向上等の取り組みを支援
・CN化に向けた取り組み
—環境関連行政機関(経産局・環境事務所・北海道等)との連携を強化し、正会員事業者へ情報提供を実施(「カーボンニュートラル関連情報」メルマガ配信等)
—コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会を通じ自治体への情報発信を実施
・正会員事業者の持続的発展に向けた取り組みの支援
—正会員事業者の経営基盤強化・地域活性化等に係る取り組みについて、課題解決に向けた事例・支援策等を情報提供し支援
●東北部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・経営基盤を支える人材の企画力・業務対応力向上を図るための業務研修の実施、行政情報・業界動向・業務活動に関する先進的な取り組み事例等共有する業務セミナーの開催
・保安人材育成、保安水準の維持・向上を図るための保安・技術に関する知識を習得する技術力向上研修の実施、安定供給の確保に資する供給設備に関する座学・実技講習会の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・技術委員会、保安推進グループ会議、技術分科会等を通じた保安・技術関連情報の提供・事故事例研究等の実施、技術普及セミナー開催等による新技術の紹介・普及
・非常事態時の応援受入演習をはじめ、非常事態における運用要領に基づく調査等の実施、被害状況報告システム訓練等を通したJGA‐DRESSおよびG‐Reactの適切な運用に向けた取り組み
・都市ガス利用の普及拡大を図るため、自治体、国出先機関、各県都市ガス協会等とも連携した都市ガスの高度利用に向けたコージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会の運営
・CN社会実現のための地域脱炭素に向けた事業者の取り組みを推進するため、自治体等ステークホルダーとの連携深化につながる地域エネルギー事業等、地域活性化活動の課題に関する意見交換や事例等の情報提供
・各県都市ガス協会等との連携強化、各種会議等における会員と行政機関との情報交流促進、各県の保安・技術関係会議における情報提供、意見交換の実施
・IT化に対応した部会活動概要を周知する会報(電子媒体)の発行、会員間および関係機関との情報交換・連絡ツールとなる部会会員名簿の作成・配付、原料途絶、激変緩和措置対策事業等に係る情報の迅速な提供
●関東中央部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・保安人材育成に向けた取り組み
—技術普及支援講習会等における会員ニーズに則した内容の見直しの実施
・事業基盤強化に向けた人材育成の取り組み
—実参加を主としてハイブリッド開催も視野に事業者ニーズに則した内容での講習会・セミナー等の実施
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・部会の独自の保安向上に向けた取り組みの実施
—都県ガス協会と連携した災害時連携計画の運用整備や応援要綱運用規程の実施による実効性向上
・地方ガス事業者の持続的発展に向けた取り組みの実施
—デジタル活用やSDGs推進等の事例共有や課題解決支援を通じた取り組みの実施
・部会の特性を踏まえた地域のCN化や地域活性化への取り組みの実施
—部会の特性を踏まえた地域のCN化や地域活性化に関する情報提供等の実施
—コージェネレーションや地域エネルギー普及等自治体と事業者との連携を支援する取り組みの実施
・監督官庁・自治体・都県ガス協会等の関係機関との連携強化
—部会幹事会議等各種会議体や講習会・セミナー等での監督官庁や自治体との連携強化
—都県ガス協会主催の各種会議でのJGA活動の水平展開の実施
・部会会員に対する迅速・的確な情報提供の実施
—関東中央部会ホームページやリモート手法の活用等による迅速・的確な情報提供の実施
・会員事業者の経営形態や取り巻く環境を踏まえた効率的・効果的な部会運営の着実な実施
—会員事業者の取り巻く環境やコロナ禍に対するJGA対応指針を踏まえた部会運営の着実な実施
●東海北陸部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・保安人材育成に向けた取り組み
—ガス主任技術者試験受験準備のための研修会や東邦ガスの社員施設等を活用した開放コース(製造関係、供給関係、消費機器関係計16コース)の実施、技術普及セミナーの開催
・事業基盤強化に向けた取り組み
—エネルギーシステム普及に向けた補助金活用促進のための説明会やガス事業制度議論結果等に関する説明会の実施、ガス事業に関するスキルアップ研修、業務セミナーの開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・安定供給・安全確保(レジリエンスの強化)に向けた取り組み
—応援受入演習報告会、情報連絡訓練(台風・豪雨時、サイバー攻撃発生時等)の実施
—防災訓練(部会事業者合同による訓練、応援受入演習、地震・防災関連システム操作訓練等)の実施
・CNに貢献する天然ガス普及促進に向けた取り組み
—コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会を通じた域内の地方自治体の理解促進につながるさまざまな情報発信
—地方ガス事業者の持続的発展に向けた取り組みとして、本部主催の地域活性化フォーラムの参加視聴等を通じた関連情報の共有
●近畿部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・レジリエンスの強化と保安人材育成支援
—非常事態に備えた災害対策訓練の実施(地震時被害状況報告訓練、台風豪雨情報連絡訓練、サイバーセキュリティー情報連絡訓練、復旧支援システム操作訓練等)
—保安・防災に関する知見を広めるための見学研修会の開催
・業務内容、業務遂行の立場に応じた知識と意識の向上支援
—事業者幹部を対象とした経営セミナー開催
—外部講師の講演による普及セミナーや社会・業界動向に応じたタイムリーな講演会・見学会等の開催
・知識、技術向上機会の拡大への取り組み
—近畿ガス事業協同組合との連携による研修の継続と充実化
—ガス主任技術者受験対策講座の効果的な実施検討
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・保安向上のための自主保安活動支援
—災害時連携計画に基づく応援受入の演習支援と報告会開催による情報共有
—事業者保安巡回等を通じた保安に関する取り組み紹介と事業者間連携支援
・地域脱炭素・地域活性化に関する事業者取り組みの支援
—地域脱炭素取り組み推進事例やCNに向けた技術開発情報等の協議会・委員会等での共有推進
—部会の特性を踏まえた地域活性化に関する情報提供や意見交換の実施
—地方自治体・公共団体や行政部署との連携に資する情報収集と委員会等を通じた事業者への発信
・事業者共助によるガス普及の促進
—ガス普及に関する好事例の紹介等による情報共有および活動支援、業務事例研究会等の開催
●中国・四国部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・新入社員合同研修、事業者主催業務基礎研修の実施による新人の育成支援
・事業者主催保安関連研修、製造関連情報交換会等の実施による保安人材の育成
・業務研修、業務セミナーの実施による天然ガス普及拡大支援
・技術普及セミナー、技術開発普及会議等の実施による新技術・新工法の普及促進
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・安定供給、保安向上・レジリエンスの強化
—保安推進プランナー会議、技術委員会、保安推進グループ会議の開催による「ガス安全高度化計画2030」の推進と部会事業者の保安レベルの向上
—災害対策検討ワーキング、応援受入演習報告会の実施による部会事業者間での災害・事故への対応検討と災害対策の情報共有、連携強化
・地域脱炭素・地方ガス事業の持続的発展・地域活性化に向けた取り組み
—中国・四国コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会等を通じた自治体との連携強化と、ガスシステムの採用による地域脱炭素取り組み事例等の情報提供
—地域活性化活動に関する意見交換・情報提供・マッチングの支援
・会員事業者との連携促進
—会議・研修機会等を通じた若手職員層への人的交流の促進
●九州部会
(1)ガスパーソンとして必要な知識・技術向上の支援
・ガス普及拡大、経営基盤強化に資する人材育成支援の研修実施
・被害状況報告訓練、各種情報連絡訓練実施による保安人材の育成支援
・会員事業者が有する「人材開発センター」を活用し、技術研修、講習会の開催
・内管工事資格制度講習トレーナー教育、技術講習会の開催
(2)地方部会内共助に向けた企画・実施
・レジリエンス強化、保安対策
—ガス安全高度化計画2030の遂行(事故事例の効果的な情報提供、経年管対策進捗管理等の支援)
—自主保安活動支援による保安基盤強化
—災害対応力強化に向けた要綱・要領・復旧対策の浸透、災害時緊急対応体制の強化、サイバーセキュリティー情報の共有化
・地域脱炭素・地域活性化への貢献、経営基盤の強化、2030年における温室効果ガス排出削減目標達成への貢献
—ガス導入拡大事例の共有を図る業務推進セミナーの開催、九州コラボ事業の推進、九州地区コージェネレーション・地域エネルギーシステム協議会での自治体との連携強化
—地域脱炭素に向けた活動の推進、課題に関する意見交換および情報提供の実施(会員事業者を対象に、九州管内にて2回程度の勉強会・施設見学会を企画予定)
3.組織基盤に関わる活動計画
(1)機関運営と会員制度の運用
〈主要テーマ〉
・法令等を踏まえた各機関の適切かつ効果的な運営
・不確実な事象の発生や取り巻く環境変化を踏まえた事業活動の企画・展開
・会員の経営形態多様化への対応も含めた会員制度の運用
(2)事務局人材施策と業務基盤
〈主要テーマ〉
・環境変化への柔軟な対応に向けた事務局内組織整備・人材育成施策の実行
・会員事業者への効果的な情報発信・コミュニケーションに資する情報発信プラットフォームの改修
・デジタルの利活用に向けたIT・通信基盤の最適化およびセキュリティー強化
・制度・法令(インボイス制度、電子帳簿保存法等)への対応を踏まえた経理体制・システムの整備
・事務局業務の円滑な遂行を支える総務・経理業務の確実な実施
(3)基幹業務
〈主要テーマ〉
・ガス事業運営に際して遵守すべき関係法令に関する会員への有益な情報発信
・会員ニーズや実態に合わせた統計調査の実施
・新型コロナウイルスの感染法上の位置付け移行を踏まえた対応の実施