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活用企業は業務5割減
静岡ガスが春からテスト導入

2018年7月9日 本誌掲載


 パソコン等で行う定型的な業務を自動化するツール「ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)」を導入し、業務の効率化等につなげる企業の動きが活発化している。

 実際に、どのような企業が、どのような部門にRPAを導入し、業務を自動化しているのか。

 コンサルティング会社アビームコンサルティングは2017年10~12月に日本RPA協会、RPAシステムを提供するRPAテクノロジーズと共同で導入に関する調査を実施し、3月に結果を発表した。

 まず、導入企業を業種別に見ると、電子機器・精密機械、素材などの「メーカー」が全体の60%を占め、これに「サービス業」(12%)、「商社・小売」(9%)、「金融」(8%)が続いた。


中小企業も関心

 次に導入企業の規模を見ると、従業員1000人以上が59%、売上規模500億円以上が59%を占めた。一方、問い合わせベースでは1000人未満の企業の割合が55%となるなど、中堅以下の企業もRPAに関心を示している様子がうかがえる。

 業務別では、52%が営業やマーケティングなどの「フロントオフィス業務」、48%が「バックオフィス業務」にRPAを導入している。バックオフィスの内訳は「経理・財務」が30%、「総務」が30%、「人事」が20%、「法務、経営企画」が20%となっており、さまざまな部門で業務の自動化に使われていることが分かる。

 注目の導入効果については、97%が業務工数を5割以上削減したとまとめている。アビームコンサルは、RPAを「短期間で大幅な業務の効率化に貢献するツールであることがうかがえる」と分析する。

 そうした中、エネルギー事業者はこのRPAをどう活用しているのか。『RPAの威力』(日経BP社)の著者で、アビームコンサル戦略ビジネスユニット執行役員プリンシパルの安部慶喜氏は「他の事業会社に比べると遅れ気味だが、エネルギー会社の中にも、働き方改革の一環として業務改革にRPAを導入している企業がある。効果はこれから見えてくる状況だが、試行実証を行っている企業などは既に手ごたえを感じているようだ」と説明する。

2部門に導入

 都市ガス事業者はRPAを具体的にどのように活用し始めているのか。静岡ガスが来年度からの本格導入に向け、この春からテスト的な導入を開始したと聞き、現地を取材した。

 同社がRPAを導入したのは経理部門と料金関連業務を担うビリングセンターの2部門。まず、各部門の2台のパソコンにNTTデータのRPAツール「WinActor(ウィンアクター)」をインストール。ロボットに業務を自動処理させるための設定を行って業務に活用し始めた。


 設定は情報システムの担当者ではなく、各部門の担当者が自ら行っている。基本的な使い方に関する一日講習を受けた後、パソコンの操作に慣れた人であれば、2、3週間で設定方法を習得できるという。

 ビリングセンターでは、電力広域的運営推進機関との電気契約に関するデータのやり取りにRPAを活用する。

 同センターでは、これまで電気契約を「SHIZGASでんき」に切り替えるための契約関連データを手作業で作成し、広域機関の提供する画面に入力していた。RPAの導入により、人ではなく、ロボットが同社の顧客管理システムなどに自動的にアクセスしてさまざまなデータを拾い上げ、一括申請に必要な一覧表データを作成できるようにした。「導入してまだ間もないが、ロボットは確かにこちらが思うように動くことが分かった。こうした業務が効率化できれば、当社事業の競争力強化にもつなげられる」と事業推進部業務企画担当の鈴木克哉マネジャーは話す。事業推進部ICT企画担当の佐藤貴亮マネジャーは「これまでの効率化とはタイプが違う。ピタリとはまった時の効果は大きい」と期待する。

 経理部門では、データの出力や集計場面で効果があるとにらみ、導入を進めている。会計システムから膨大なデータを出力してエクセルで集計したり、約20社の関係会社で個別に行っている集計・分析業務等について、RPAを活用し、短時間かつ一括で処理できるようにする考えだ。

 いずれも、秋頃までには導入効果が見えてくる見込みであり、それらを評価し、効果があると判断した場合は来年度から全社的に導入を進めていく方針だ。

働き方を改革

 同社がRPAの導入に取り組む背景には働き方改革がある。同社は昨年、委員会を設置して働き方改革に取り組み始めた。そうした中、事業推進部は、単純作業をロボットに任せることで業務を効率化するとともに、人がより創造的な業務に専念できる環境づくりにチャレンジすることにした。

 ロボットをうまく活用するには既存の業務プロセスの整理も必要となる。そこで、RPAを適用する際は、既存業務プロセスの整理をセットで実施するルールも導入した。

 「企業ではこれまで、人がシステムを操作しながら業務を行っていた。これからは人とシステムの間にロボットが入ってくるようになる。今後はこれが業務の標準的な形になっていく可能性もあるのではないか」と佐藤マネジャーは話す。



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