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【エネルギー深論】橘川武郎/総合エネ企業へのし烈なレース 【5面】
・ついに始まる「大競争時代」 
 4月になると、電力小売り全面自由化が実施される。大口需要家を対象とした電力小売りの部分自由化は既に2000年から徐々に範囲を拡大して行われている。今回の小口需要家を対象とした自由化に「全面」という言葉をあえて付すのは、そのような経緯を踏まえたためである。

 全面自由化の実施によって、これまで全国10社の電力会社が地域ごとに、独占的に電気を供給してきた約8兆円の電力市場が開放される。対象となる家庭・小規模事業者の数は、約8500万に達する。そして、1年後の2017年4月には、都市ガスの小売り全面自由化も行われることになっている。電力・ガスの垣根を越えて、地域ごとの垣根を越えて、日本のエネルギー市場ではいよいよ「大競争時代」が到来するのだ。
 

 電力小売り全面自由化によって、1951年以来続いてきた9電力(88年の沖縄電力民営化以降は10電力)会社による地域独占は、音をたてて崩れ去る。全面自由化を見越して、既に、電力・都市ガス・石油元売り各社の間では、合従連衡が始まっている。東京電力と中部電力はJERA(燃料調達と火力発電)、九州電力・東京ガス・出光興産は千葉袖ヶ浦エナジー(石炭火力)、関電エネルギーソリューションと東燃ゼネラル石油は市原火力発電(石炭火力)、東北電力と東京ガスはシナジアパワー(大口電力小売り)を、相次いで設立した。 

・10電力体制の終焉
電力小売り全面自由化実施から4年後の2020年には、発送電分離も実行される(沖縄電力を除く)。全面自由化による地域独占の崩壊と、発送電分離による垂直統合の解消により、10電力体制は、最終的に終焉(しゅうえん)する。福島第1原子力発電所事故を起こした東京電力は、既に、持株会社(ホールディングカンパニー)の下、発電・送配電・小売りの3社を分社化することを決めている。これとは異なり、東京・沖縄電力以外の電力8社は、発送電分離後、持ち株会社の下、発電と小売りを兼務するジェネテーラー(発電=ジェネレーションと、小売り=リテールを基にした造語)と、送配電を担当するネットワーク会社の2分社を置くことになるだろう。 

 小売り全面自由化後の電力市場では、これまで大口の自由化部門で事業を展開してきたPPS(特定規模電気事業者)と呼ばれる新電力会社が、新たに自由化される小口の家庭用などの分野にも進出する。小口市場の開放を機に、異業種から参入も相次ぎ、電力小売りに携わる事業者数は増加し、事業活動も活発化することだろう。
 

 電力小売りへ参入する新規事業者の中には、発電事業も兼ねて、ジェネテーラーとなる者もいる。一方で、電力会社等とアライアンスを組んで、小売事業に専念する者も多い。いずれにしても、電力・ガス・通信・小売り等を組み合わせたセット販売や、ポイント制の導入が、競争の主要な武器となるだろう。 

 ただし、セット販売にしても、ポイント制にしても、模倣が容易である。導入しなければ競争に参加できないが、導入したからといってもうかるわけではない。小売り全面自由化後の電力商戦は、勝者なき消耗戦となりそうである。

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