【2021大手4社トップに聞く】エネルギー供給体制盤石に/東京ガス 内田高史社長
東京ガスは、政府のカーボンニュートラル宣言に先立つ2019年11月にグループ経営ビジョン「Compass2030」でCO2ネット・ゼロを打ち出した。
足元では他業界を含めて脱炭素になだれを打つ中、どのような経営戦略を考えているのか。内田高史社長に、同社が目指す将来について語ってもらった。
――昨年11月の定例記者会見では「LNG導入時以上のパラダイムシフトが起きている」と言及したが、時代をどう乗り切っていくか。
サステナブル(持続可能)な社会を作るための大きな取り組みの一つが、CO2ネット・ゼロだ。今までの経済活動を変え、社会活動も変えていかなくてはいけない。われわれエネルギー供給者としては、それが水素や再生可能エネルギーであり、もう一つは、レジリエント(柔軟で強い)なエネルギー供給体制をつくることだ。国が宣言したカーボンニュートラルは電化と誤解される向きもあるが、むしろエネルギー供給体制を盤石にするためには、複合型の体制をつくらなくてはいけない。必ず熱分野の脱炭素化を並行して進めなくてはいけない。それはレジリエンスの観点からしても絶対に必要なことだ。