「ガス在り方研」を設置―脱炭素も正面から議論へ/エネ庁 【1面】
資源エネルギー庁は、ガス事業を取り巻く事業環境の急激な変化を踏まえた長期展望を議論する「2050年に向けたガス事業の在り方研究会」を設置し、9月4日に初会合を開く。柱の一つは「サステナブル(持続可能)な社会に向けた低炭素化・脱炭素化」で、政府が目指す脱炭素社会の実現に向けて、ガス事業がどう貢献していくか正面から議論する。都市ガスインフラを活用し、二酸化炭素(CO2)フリー水素の普及にいかに貢献するかも鍵となる。エネ庁は10~11年に「低炭素社会におけるガス事業のあり方に関する検討会」でガス事業の将来像について検討したが、今回の検討はそれ以来約10年ぶり。また、来夏までに開始されるエネルギー基本計画見直し論議にも影響を与えそうだ。
研究会は、月1回程度開き、年度内に報告書を取りまとめる。初会合には、日本ガス協会の広瀬道明会長がオブザーバー出席する見通しだ。
温暖化対策強化、脱炭素化への国際的機運が高まる一方、自然災害の頻発化・激甚化に対応したインフラ強じん化の要請も強まるなか、ガス市場は国際的にはLNG需給構造の変化、国内的には人口減少による需要変化の波が来ており、新型コロナ禍の影響も長期化しそうだ。さらにガス事業の効率化や、新たな付加価値創造のためにデジタル化をどう取り込むかも待ったなしとなる。