西部ガス道永幸典社長/国際エネルギー事業を推進、中国販路開拓、露社と連携
ガス事業以外の売上高比率(2018年度は32%)を26年度までに50%程度に高める目標を掲げる西部ガス。ロシアの民間ガス最大手ノバテクとの提携交渉が大詰めを迎え、不動産事業の拡大にも積極的だ。
道永幸典社長に多角化の道筋と手応えを聞いた。
―ノバテクとの提携交渉の状況は。
アジアの玄関口に位置するひびきLNG基地の立地条件を生かし、基地の有効活用を図ろうと一昨年、当社から呼び掛けた。今年度内に合弁会社を設立するかどうかの決定をするつもりだ。出資比率や事業スキームなどを詰めているところで具体的なことは言えないが、交渉は順調に進んでいる。
現在想定している主なスキームは、ノバテクの二つの北極圏プロジェクト(ヤマル、アークティック)から価格競争力のあるLNGを仕入れ、ひびきで小型船に積み替え、当社が中国などに再出荷する。現在保有するLNGタンク2基(18万kl×2基)に加え、ノバテクと共同で新たにタンクを建設することも視野に入れている。揚子江などをさかのぼって内陸部に運ぶため、水深の浅さや架橋が障害にならない小型船が有効だ。販売先である中国の大手エネルギー会社との交渉も積極的に行っている。
事業が軌道に乗りノバテクからの調達量が増えれば、調達価格は下がり、国内市場でも優位に戦えるようになる。