LNG特集「過去最大の変革期、流動性の高い市場育成が課題」 【12面】
今年は日本がLNGを導入して50周年の節目の年だ。1969年11月4日、東京ガスと東京電力が共同購入したLNGを積んだ船が米国アラスカから東京ガスの根岸基地(横浜市)に到着した。
LNGの歴史はここから実質的に始まり、その後、人類にとって欠かせないエネルギーとして世界各地で使われるようになっている。
日本にまず続いたのは、東アジアの他の国々だった。韓国は80年代、台湾は90年代にLNGの本格輸入を開始した。ただ、逆に言えばLNGの買い手はしばらくは、経済成長が著しい一方で化石資源に恵まれないアジアの一部の国にほぼ限られていたと言える。こうした状況は今世紀に入って大きく変わった。2000年時点でLNGを輸入する国は10カ国だけだったが、現在では40カ国以上に増えている。新興国におけるエネルギー需要の増加や、自国産ガスを利用していた国でのガス田の生産量減少などが背景にある。浮体式貯蔵再ガス化設備(FSRU)の商用化など技術の進歩によりLNG導入のハードルが下がったことも大きい。