TGリキッドとアストモスが包括提携、物流・保安体制を統合、業界に広く参加呼び掛け 【1面】
連携の広がりが鍵に、ニチガス東電連合を意識
東京ガスリキッドホールディングスとアストモスエネルギーは18日、LPガスに係る包括的アライアンスで基本合意したと発表した。LPガス元売り最大手のアストモスグループと都市ガス最大手の東京ガスグループが、それぞれの物流・保安ノウハウを持ち寄ることで、関東エリア最大の規模と競争力を持つ配送体制の構築を目指す。他のLPガス事業者にも広く参加を呼び掛け、早期に100万件超の配送規模を実現する。
東京ガスリキッドの村関不三夫社長とアストモスの増田宰社長が、共同記者会見を開いて発表した。関東圏におけるLPガス配送網の構築と保安体制の高度化を中心に、小売り・新規需要開拓を含む幅広い分野で提携を模索する。
配送規模の拡大によって物流・保安コストを抑制し、料金低減など顧客サービスの向上につなげる。合弁物流会社の設立も含めて検討する。来年3月までに具体的な提携スキームを固め、早ければ17年中にも新たな物流システムを立ち上げる。
両者の関東圏における配送件数は、東京ガスグループ12万件、アストモスグループ28万件の合計40万件。他のLPガス事業者にも新たな物流システムの利用を幅広く呼び掛けることで、早期に100万件超の規模に拡大する方針。
いわゆる駆け付けサービスや器具販売など、家庭用顧客向けの新たな付加価値サービスでも提携を検討する。石油からLPガスへの燃料転換営業など、産業用・業務用顧客向けのソリューションサービスについても提携を検討する。電力販売は今回の提携合意には含まないとしている。
村関社長は「LPガス事業者が誰でも利用できる、小売りとは切り離した公共インフラ的な物流網を構築したい。都市ガスで言えば導管部門のようなイメージ。賛同してもらえる事業者には1社でも多く加わっていただきたい」と述べた。
増田社長は「提携の根底にあるのは、両社とも保安・公益・コンプライアンス面で高い水準を目指していること。東京ガスグループの保安ノウハウは世界でもトップレベルだ。これをLPガス業界に良い形で導入することが、他エネルギーに対抗する上で武器になる」と述べた。